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暗記 百人一首

全日本かるた協会推薦


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表紙




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本書の使い方 六首ずつ覚えて、「得意な札」をつくろう!


お坊さんが歌った六首 その1


嵐ふく三室の山のもみぢ葉は龍田の川の錦なりけり  能因法師
嘆けとて月やはものを思はするかこち顔なるわが涙かな  西行法師
おほけなくうき世の民におほふかな我が立つ杣に墨染の袖  前大僧正慈円
諸共にあはれと思へ山ざくら花よりほかに知る人もなし  大僧正行尊
寂しさに宿を立ち出でて眺むればいづこも同じ秋の夕暮  良暹法師
村雨の露もまだひぬ槙の葉に霧立ちのぼる秋の夕暮  寂蓮法師

コラム 決まり字/暗記度チェック(1)


飛鳥時代、奈良時代を歌った六首


秋の田のかりほの庵のとまをあらみわが衣手は露にぬれつつ  天智天皇
春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山  持統天皇
足引きの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかもねむ  柿本人麿
田子の浦に打出でてみれば白妙のふじの高嶺に雪は降りつつ  山部赤人
天の原ふりさけ見れば春日なるみかさの山に出でし月かも  安倍仲麻呂
これや此の行くも帰るも別かれては知るも知らぬも逢坂の関  蝉丸

コラム 和歌の伝統と日本人/暗記度チェック(2)


動物を歌った六首


奥山に紅葉ふみ分けなく鹿の声きく時ぞ秋は悲しき  猿丸大夫
世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞなくなる  皇太后宮大夫俊成
きりぎりすなくや霜夜のさむしろに衣かたしき独りかも寝む  後京極摂政前太政大臣
ほととぎす鳴きつる方を眺むればただ有明の月ぞ残れる  後徳大寺左大臣
かささぎの渡せる橋におく霜のしろきを見れば夜ぞふけにける  中納言家持
淡路島かよふ千鳥の鳴く声にいくよ寝覚めぬ須磨の関守  源兼昌

コラム 登場する動植物/暗記度チェック(3)


「キャリアウーマン」が歌った六首 その1


あらざらむ此の世のほかの思ひ出に今一たびの逢ふこともがな  和泉式部
やすらはで寝なましものを小夜更けて傾くまでの月を見しかな  赤染衛門
廻り逢ひて見しやそれともわかぬまに雲がくれにし夜半の月かな  紫式部
夜をこめて鳥のそら音ははかるとも世に逢坂の関はゆるさじ  清少納言
古への奈良の都の八重ざくら今日九重に匂ひぬるかな  伊勢大輔
大江山いくのの道の遠ければまだふみも見ず天の橋立  小式部内侍

コラム かるた絵で人物研究/暗記度チェック(4)


お坊さんが歌った六首 その2


わが庵は都のたつみしかぞ住む世をうぢ山と人はいふなり  喜撰法師
天つ風雲のかよひぢ吹きとぢよをとめの姿しばし留めむ  僧正遍昭
今来むといひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな  素性法師
夜もすがらもの思ふ頃は明けやらでねやのひまさへつれなかりけり  俊恵法師
思ひわびさても命はあるものを憂きに堪へぬは涙なりけり  道因法師
八重葎しげれる宿のさびしきに人こそ見えね秋はきにけり  恵慶法師

コラム 名前と官位/暗記度チェック(5)


地名を詠み込んだ六首 その1


朝ぼらけ宇治の川霧絶えだえにあらはれ渡る瀬々の網代木  権中納言定頼
小倉山峯のもみぢ葉心あらば今ひとたびのみゆき待たなむ  貞信公
みよし野の山の秋風小夜更けて故郷寒く衣うつなり  参議雅経
立別れいなばの山の嶺におふるまつとし聞かば今帰り来む  中納言行平
契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山浪こさじとは  清原元輔
陸奥のしのぶもぢずり誰故にみだれ初めにし我ならなくに  河原左大臣

コラム 『百人一首』の基本/暗記度チェック(6)


皇族の歌った八首


筑波嶺の峯より落つるみなの川恋ぞつもりて淵となりぬる  陽成院
君がため春の野に出でて若菜つむわが衣手に雪は降りつつ  光孝天皇
心にもあらで憂世にながらへば恋しかるべき夜半の月かな  三条院
瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末に逢むとぞ思ふ  崇徳院
人もをし人もうらめしあぢきなく世を思ふ故にもの思ふ身は  後鳥羽院
百敷や古き軒端のしのぶにもなほあまりある昔なりけり  順徳院
侘びぬれば今はた同じ難波なる身をつくしても逢はむとぞ思ふ  元良親王
玉の緒よたえなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする  式子内親王


花と月を歌った一〇首


花の色は移りにけりな徒に我が身世にふるながめせしまに  小野小町
久方の光のどけき春の日にしづごころなく花の散るらむ  紀友則
人はいさ心もしらずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける  紀貫之
高砂の尾の上の桜咲きにけり外山の霞立たずもあらなむ  権中納言匡房
花さそふあらしの庭の雪ならでふりゆくものは我が身なりけり  入道前太政大臣
月見れば千々に物こそ悲しけれわが身ひとつの秋にはあらねど  大江千里
朝ぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪  坂上是則
夏の夜はまだ宵ながらあけぬるを雲のいづこに月宿るらむ  清原深養父
有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし  壬生忠岑
秋風にたなびく雲の絶え間よりもれ出づる月の影のさやけさ  左京大夫顕輔

コラム 楽しみながら百人一首が覚えられる かるた遊びのいろいろ


「キャリアウーマン」が歌った一二首 その2


有馬山ゐなのささ原風吹けばいでそよ人を忘れやはする  大弐三位
恨み侘びほさぬ袖だにあるものを恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ  相模
音に聞く高師の浜のあだ浪はかけじや袖のぬれもこそすれ  祐子内親王家紀伊
ながからむ心も知らず黒髪のみだれて今朝はものをこそ思へ  待賢門院堀河
難波江のあしのかりねの一夜ゆゑみをつくしてや恋ひわたるべき  皇嘉門院別当
難波潟短き葦のふしのまもあはで此の世をすぐしてよとや  伊勢
春の夜の夢ばかりなる手枕にかひなく立たむ名こそ惜しけれ  周防内侍
見せばやな雄島のあまの袖だにも濡れにぞ濡れし色はかはらず  殷富門院大輔
わが袖は汐干に見えぬ沖の石の人こそ知らね乾く間もなし  二条院讃岐
忘らるる身をば思はず誓ひてし人の命の惜しくもあるかな  右近
嘆きつつ独りぬる夜の明くるまはいかに久しきものとかは知る  右大将道綱母
忘れじの行末までは難ければ今日を限りの命ともがな  儀同三司母


地名を詠み込んだ八首 その2


来ぬ人を松帆の浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ  権中納言定家
住の江の岸による浪よるさへや夢の通ひ路人目よくらむ  藤原敏行朝臣
みかの原わきて流るる泉川いつみきとてか恋しかるらむ  中納言兼輔
名にしおはば逢坂山のさねかづら人にしられでくるよしもがな  三条右大臣
かくとだにえやはいぶきのさしも草さしも知らじなもゆる思ひを  藤原実方朝臣
ちはやぶる神代も聞かず龍田川から紅に水くくるとは  在原業平朝臣
此の度は幣もとりあへず手向山紅葉の錦神のまにまに  菅家
うかりける人を初瀬の山おろしはげしかれとは祈らぬものを  源俊頼朝臣

コラム 畳のうえの格闘技 競技かるた


歌仙たちが歌った一〇首


吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風をあらしといふらむ  文屋康秀
山里は冬ぞ寂しさまさりける人目も草もかれぬと思へば  源宗于朝臣
心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花  凡河内躬恒
誰をかも知る人にせむ高砂の松も昔の友ならなくに  藤原興風
忍ぶれど色に出でにけり我が恋はものや思ふと人の問ふまで  平兼盛
恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか  壬生忠見
逢ひみての後の心にくらぶれば昔はものを思はざりけり  権中納言敦忠
逢ふことの絶えてしなくばなかなかに人をも身をも恨みざらまし  中納言朝忠
風をいたみ岩うつ浪のおのれのみ砕けてものを思ふ頃かな  源重之
御垣守衛士のたく火の夜はもえ昼は消えつつものをこそ思へ  大中臣能宣朝臣


キーワードで覚える一六首


白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける  文屋朝康
明けぬればくるるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな  藤原道信朝臣
今はただ思ひ絶えなむとばかりを人づてならで言ふよしもがな  左京大夫道雅
わたの原漕ぎ出でて見れば久方の雲居にまがふ沖つ白浪  法性寺入道前関白太政大臣
ながらへばまた此の頃やしのばれむ憂しと見し世ぞ今は恋しき  藤原清輔朝臣
滝の音はたえて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞えけれ  大納言公任
君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな  藤原義孝
契りおきしさせもが露を命にてあはれ今年の秋も去ぬめり  藤原基俊
風そよぐ楢の小川の夕ぐれはみそぎぞ夏のしるしなりける  従二位家隆
哀れともいふべき人はおもほえで身のいたづらになりぬべきかな  謙徳公
由良の戸をわたる舟人楫をたえ行方もしらぬ恋の道かな  曽禰好忠
わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと人にはつげよあまの釣舟  参議篁
山がはに風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉なりけり  春道列樹
浅茅生の小野の篠原しのぶれどあまりてなどか人の恋しき  参議等
世の中は常にもがもな渚こぐ海士の小舟の綱手かなしも  鎌倉右大臣
夕されば門田の稲葉おとづれてあしのまろやに秋風ぞ吹く  大納言経信

コラム 覚えるトレーニング イメージで、声に出して、書いて覚える


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