目次


労働鎖国ニッポンの崩壊

人口減少社会の担い手はだれか


[目次] [著者紹介]


表紙




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はじめに


第1章 枯渇してゆく日本の労働力


人口減少社会における社会の再生産と移民  安里 和晃
社会の再生産を問う世紀
経済成長言説の復活
人口構成の変化と「女性の活用」「高齢者の活用」
ケアの争奪──見過ごされてきた問題
多様な人材の一部としての移民
加速する労働力人口の減少  李 賢珠
日本の人口動向
人口減少の要因
人口構造の変化
人口の将来推計
労働力人口への影響
少子高齢化時代における労働力需給  後藤 純一
人手不足と外国人労働者
生産性向上の重要性
人手不足に対処するための様々な方策
国内労働力の活用
女性活用のための3つの施策
外国人労働力の「受け入れ」と「間接的活用」
なぜ海外からの人材を考えるか  安里 和晃
(コラム) 高齢者親和産業の成長とヒューマン・サービスの質  小川 全夫


第2章 日本は「労働鎖国」か──受け入れの問題点を探る


受け入れの是非論とその展開  明石 純一
20年以上続く受け入れをめぐる議論
人手不足と「第1次論争」
高齢化と「第2次論争」
人口減少社会の到来と「第3次論争」
外国人労働者受け入れの基準と規模、枠組みとは
研修・技能実習制度は生まれ変わるか  王 再清
研修・技能実習制度の歩み
JITCOと新たな研修・技能実習制度の創設
研修・技能実習制度の問題点
技能実習制度の本格始動
技能実習制度の新たな課題
技能実習制度の今後の見通し
産業存続危機の解決策としての
外国人研修・技能実習生の受け入れ  金 湛
大型漁船で増える外国人労働力
漁業における研修・技能実習生の受け入れの経緯と状況の実例
外国人漁船漁業技能研修・技能実習生の受け入れによる効果
国内漁業を維持発展させていくために欠かせない外国人労働者
EPAによる看護師・介護士受け入れ制度について
医療・福祉に海外からの人材は定着するか  安里 和晃
●EPAの受け入れについて
●継続学習のハードル
●海外の人材導入によるサービスの評価
●特例による受け入れのままでいいのか
送り出し国フィリピンにおける看護教育と看護師就労状況  細田 尚美
●EPAによる制度の問題点を送り出し国側から探る
●フィリピンにおける看護教育と看護師就労状況
●調査対象3校の看護学部の特徴
●各校の回答者のプロフィール
●看護学部を選択した理由と将来の希望について
●働きたい国について
●日本のフィリピン人看護師受け入れについて
●受け入れ制度の周知の第1陣の成否が重要
アジア地域から来日して働く外国人IT技術者  松下 奈美子
パナソニックの外国人8割採用の衝撃
専門的技術的分野における日本の外国人受け入れ政策
情報通信産業と外国人労働者
日本政府の取り組み
IT産業と外国人IT技術者
2008年金融危機以降の動向
優秀な外国人IT技術者に魅力的ではない日本のIT産業
(コラム) フィリピン・医者のいない病院  細田 尚美


第3章 成長するアジアと人の移動


アジアの経済成長と外国人労働者
底辺で経済成長を支える香港の家事労働者  安里 和晃
●少子高齢化社会における家事労働者需要の増大
●曖昧な労働者性
●家事労働者が増加した社会的背景
●なぜ外国人なのか
シンガポールの移民「マネジメント」  明石 純一
●不変のエスニックバランスというシンガポールの特異性
●調整弁としての外国人労働者
●移民のマネジメント
●高度人材優遇政策をとるシンガポール
●日本社会への示唆
送出し国の開発と出稼ぎ労働
海外就労先を開拓し続けるフィリピン  細田 尚美
●アジア一の送り出し国、フィリピン
●米国による植民地化とフィリピン人の海外移動(1960年代まで)
●中東の建設ブームと海外就労の制度化(1970年代〜1980年代半ば)
●OFWの女性化と渡航先の多様化(1980年代末以降)
●世界に823万人のフィリピン人がいる現在
●送金額は海外直接投資の3倍
●海外就労を促進する社会的制度
●海外就労の拡大による社会的影響
●人的資源の偏向、「頭脳流出」
●地域社会への影響
●今後のフィリピン社会
ベトナムの出稼ぎは貧困を撲滅するか  堀西 雅亮
●貧困削減を期待される送り出し
●ベトナムの海外就労者送り出しの現在の状況
●量から質へと変化した海外就労者送り出し政策の変遷
●送り出しの「質」の向上の課題
●ライセンス制度と送り出し機関の質の向上
●海外就労者の「帰国後」
●送り出し機関への大きな期待
改革される外国人労働者受け入れ  李 賢珠
日本モデルから決別した韓国の外国人労働者政策
●研修生制度から雇用許可制へ
●政策不在期(1987年〜1991年)
●「非公式的受け入れ」期(1991年〜2004年)
●「単純労働者」の正式な受け入れ期(2004年〜)
●韓国の移民政策の展望
(コラム) 国境を越える人口移動の女性化  池上 清子
(コラム) 在韓モンゴル人労働者の受け入れ状況  窪田 新一


第4章 労働力大争奪時代の到来に備えて


日本を離れアジアへと向かう若年労働者  松谷 実のり
アジア現地採用による移住者の増加
現地採用移住者とは
現地採用移住者の声から海外移住の理由を探る
(ケース1)日本に不満を抱き、海外での仕事に挑戦
(ケース2)各国で転職を繰り返してキャリアアップ
海外移住の背景にあるものとは
中国の経済成長と高齢化がもたらす、アジアの労働力争奪  岡室 美恵子
中国の労働市場の現状とは
世界一の人口大国が労働力不足
人手不足はなぜ起きた
所得倍増計画と海外への労働力送り出し
巨大な高齢化──もう1つの人手不足
高級技術工送り出しへの転換と人材流出
外国人労働者受け入れ国の片鱗──「越南黒工」ベトナムからやってくる闇の助っ人
拡大する家政サービス市場と憧れの非合法家政婦
国内“移民”と海外移民による、広東の多文化共生
そして始まった移民論議
「一般洋工(並の外国人労働者)」ならいらない
途上国が労働力を受け入れなければならない世界史的な実験
これからの日本が取るべき方向性とは
人口変動社会に対応した「国家ビジョン」の必要性  田村 太郎
●多文化共生を国家ビジョンに
●多文化共生政策への合意形成が必要
●人口変動に対応する政策の「パッケージ化」
●多文化共生のための基本法制の整備と財政的な措置
●地域で進める「SR(Social Responsibility=社会責任)」
●日本で増える「児童労働」
●企業に求められる社会責任
●SRを企業から地域へ広げる必要性
外国人労働者居住地域がすでに直面している課題と、そこから学ぶべきこととは  鈴木 暁子
●リーマンショックで浮き彫りになった外国人労働者の課題
●多国籍化・多様化する外国人住民
●外国人住民の地域分布
●外国人住民が直面する課題
多様な人材の包摂とグローバルなアプローチ  安里 和晃
多様な人材を労働市場に引き付ける重要性
移民基本法の策定
非熟練労働者の受け入れ
雇用税と社会統合政策
斡旋過程の制度整備
日本語教育
社会的排除の防止を目的とした社会統合政策
グローバル・アプローチ
(コラム)在日日系ブラジル人の現状  鈴木 暁子

執筆者略歴



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編著者紹介

安里 和晃(あさと・わこう)
京都大学大学院文学研究科特定准教授、笹川平和財団特別研究員。
主な共著に『言語政策を問う!』(2010年 ひつじ書房)、
『労働再審2 越境する労働と〈移民〉』(2010年 大月書店)。経済学博士。

笹川平和財団URL…http://www.spf.org/


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