目次


[新版] 経営分析の基本がハッキリわかる本


[目次] [著者紹介]


表紙




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まえがき──会社の数字に強くなろう
 ●数字は、会社の共通言語
 ●本書の内容のポイントと読み方


PART 1 まず決算書のしくみをマスターしよう

 ◎決算書の基本を理解することから始めよう

1 そもそも決算書って何だ?

 ◎B/S、P/L、キャッシュフロー計算書が決算書の基本
 ◆貸借対照表は、決算日における会社の財政状態を表している
 ◆損益計算書は1年間の損益を表す

2 貸借対照表の構造はこうなっている!

 ◎左と右の合計金額が一致するからバランスシート
 ◆左側合計を総資産、右側合計を総資本という
 ◆右側は資金の調達方法、左側は使い道がわかる

3 会社の活動で貸借対照表はどう変わる?

 ◎貸借対照表は、お金や商品の動きに伴って変化する
 ◆貸借対照表ができるプロセス
 ◆利益が出ると株主資本が増加する

4 貸借対照表の右と左は何を意味している?

 ◎右側で現金の調達先が、左側で現金の運用先がわかる
 ◆右側と左側の関係を見てみよう
 ◆借り入れは負債として、出資した金は資本金として表示

5 流動資産ってどんな資産?

 ◎流動資産は現金に近いものの集団
 ◆流動資産は3つのグループに分かれる 
 ◆当座資産、たな卸資産、その他の流動資産に大別できる

6 固定資産の意味と内容を理解しよう

 ◎有形固定資産・無形固定資産・投資その他の資産の3つがある

7 減価償却の意味と役割とは?

 ◎価値の減少分を計算し、費用計上する手続きのこと
 ◆減価償却の方法には、定額法と定率法がある
 ◆減価償却のプロセスを見る

8 繰延資産とはどんな資産なのか?

 ◎将来の費用として計上するために繰り延べた金額のこと
 ◆資産という名前はついているが財産価値はない
 ◆繰延資産が計上されるケースを見てみよう

9 負債とはどういうものだろう?

 ◎負債には、流動負債と固定負債の2つがある
 ◆1年以内に支払わなければいけない借金が流動負債
 ◆固定負債は長期の借金

10 純資産の部は株主のお金がどれくらいあるかを示す

 ◎株主資本は、資本金、資本剰余金、利益剰余金の3つに分けられる

11 損益計算書で何がわかるのか?

 ◎1年間の活動が、黒字か赤字だったのかが判断できる
 ◆粗利益は、他の利益を計算するためのスタートとなる利益
 ◆経常利益は会社の正常な収益力を表す

12 株主資本等変動計算書とは?

 ◎配当、増資、自社株買いなどの動きが一覧できる
 ◆株主資本の変動内容には次のようなものがある

13 キャッシュフロー計算書とは?

 ◎現金収入と現金支出を一覧表にしたもの
 ◆キャッシュフロー計算書は、収支計算書とも呼ばれる
 ◆売上は「現ナマ」とは限らない

14 連結財務諸表とは何か?

 ◎連結財務諸表は、企業グループをまとめた決算書

15 少数株主持分と「のれん」とは?

 ◎連結財務諸表に登場する勘定科目
 ◆親会社以外の株主の持分が少数株主持分
 ◆子会社の魅力分は、超過収益力(のれん)とみなされる

コラム(1) 資産と費用は紙一重。資産は費用予備軍だ


PART2 収益性(利益を生み出す力)を見る

 ◎決算書から、儲けるパワーをチェックする!

1 収益性分析とは何か?

 ◎総資本を使って、会社がどれくらい利益を上げたのかを見る
 ◆投資したお金でどれだけの利益を生んだかを見る
 ◆総資産経常利益率(ROA)は、収益性を見る指標の代表

2 総資産経常利益率(ROA)とは何か?

 ◎売上高経常利益率と総資産回転率の2つに分解できる
 ◆売上高経常利益率か総資産回転率を高めるとROAは上がる
 ◆業種ごとに数字に差がある

3 自己資本当期純利益率(ROE)で何がわかるのか?

 ◎株主が出資したお金でどれだけの利益を上げたかがわかる

4 売上高利益率にはいろいろな種類がある

 ◎売上総利益率は、各業種や業態の特徴が表れる指標

5 総資産回転率とは何だろう?

 ◎「1年間に総資産の何倍の売上を上げたのか」を見る指標
 ◆売上高ヨ総資産=総資産回転率(回)で表す
 ◆少ない資産で多くの売上を上げたかを見る

6 回転率と回転日数の違いは?

 ◎回転率と回転日数は、意味するところは同じ
 ◆回転率は大きいほどよい、回転日数は小さいほどよい
 ◆回転率と回転日数の関係を見る

7 企業コスト負担率とは何か?

 ◎販売費及び一般管理費と金融費用の合計のこと

8 全体の粗利益率を知る方法

 ◎商品ごとの粗利益率と売上構成比を掛け、その合計でわかる
 ◆食品スーパーの例で見る
 ◆粗利貢献度とは、個別商品の粗利益への貢献度

9 損益分岐点の売上高とは?

 ◎コスト(費用)を回収できる売上高のこと

10 固定費、変動費、限界利益を理解しよう

 ◎損益分岐点の売上高をとらえるときに不可欠の数字
 ◆固定費は、売上高に関係なく発生する費用
 ◆変動費は、売上高の増加に伴って変動する費用のこと
 ◆限界利益とは売上高から変動費を引いたもの

11 損益分岐点のとらえ方

 ◎損益分岐点は「損益分岐点図表」によって求められる
 ◆固定費線に変動費線を足すと総費用線になる
 ◆損益分岐点の売上高を求める

12 損益分岐点は業種によって違いがある

 ◎製造業は固定費の割合(固定費比率)が高い

13 変動損益計算書って何のこと?

 ◎費用を固定費と変動費に分けてつくった損益計算書のこと
 ◆変動損益計算書があれば、損益分岐点の売上高がわかる
 ◆数期分の変動損益計算書を見て傾向をチェックする

14 経営安全額が大きいほど、赤字になる可能性は低い

 ◎経営安全額を売上高で割ったものが経営安全率
 ◆実際の売上高と損益分岐点の売上高の差が経営安全額
 ◆経営安全率を高めるには限界利益率のアップがポイント

15 損益分岐点の売上高を求めてみよう

 ◎変動費となる勘定科目をおさえることからスタート

16 来期の予算達成に必要な目標売上高はいくらか?

 ◎目標利益を達成するために必要な売上高のこと
 ◆利益計画には、目標売上高が欠かせない
 ◆目標売上高が達成可能かどうかをチェックする

コラム(2) 損益分岐点と収支分岐点の違いは?


PART 3 安全性(支払い能力)を見る

 ◎強い財務体質かどうかをチェックする!

1 安全性分析で会社の支払い能力をチェック

 ◎資産と負債・株主資本などの割合・内訳で見る
 ◆借金を返済する能力があるかどうかを調べる
 ◆3つの視点から見ていく

2 運転資金とは何か?

 ◎日々の営業・生産活動を行っていくのに必要な現金
 ◆仕入や支払いに毎日必要なお金
 ◆足りない時は、銀行からの短期借り入れでまかなう

3 必要な運転資金を把握する法

 ◎売上債権にたな卸資産を加え、買入債務を引いて計算

4 なぜ、黒字倒産が起きるのか?

 ◎売上債権や在庫が膨らむ結果、資金繰りが破綻する
 ◆たな卸資産や売上債権の増加は資金繰りを悪化させる
 ◆運転資金の不足を防ぐためのポイント

5 「流動比率」は短期的な支払い能力を見る

 ◎流動資産ヨ流動負債_100で求める
 ◆流動比率は、150%以上が目安
 ◆当座比率が100%を超えていれば安全性は高い

6 「固定比率」は長期の支払い能力を見る

 ◎設備投資に無理がないかをチェックする指標
 ◆固定比率は、100%以下なら非常によい傾向
 ◆固定長期適合率が100%を下回っていれば、問題は少ない

7 「自己資本比率」で、借金体質かどうかがわかる

 ◎総資本に対する自己資本の割合をチェック
 ◆優良会社は50%を超える
 ◆自己資本比率が高い場合は?

8 「借入金対月商倍率」で、いくらまで借金できるかを見る

 ◎借入金を月商(月当たりの売上高)で割ったもの
 ◆借り過ぎや貸し過ぎをチェックする
 ◆借入金対月商倍率が3倍以上ならば要注意

9 「資産構成比」で、その会社のタイプがわかる

 ◎流動資産と固定資産の構成比で安全性をチェックする
 ◆総資産に対して流動資産が多い場合は、安全性が高い
 ◆総資産に対して固定資産が多いと景気の影響を受けやすい

10 現金預金を多く持っていれば安全か?

 ◎安全性は高まるが、収益性が犠牲になる

コラム(3) 自社株買いとROEの向上の関係


PART 4 生産性(人や設備の効率)を見る

 ◎上手に稼ぐ体質になっているかをチェックする!

1 生産性とは何だろう

 ◎産出額を投入量で割った単位当たりの産出額のこと
 ◆生産性の高い企業は収益性も高い
 ◆1人当たりの売上高などが典型的な数字

2 会社が新しく創造した価値が「付加価値」

 ◎売上高付加価値率は、売上に対する付加価値の割合

3 付加価値はどのように計算するのか?

 ◎計算法には、(1)控除方式と(2)加算方式の2つがある
 ◆控除式の算出方法は?
 ◆加算方式の付加価値は、粗付加価値と呼ばれる

4 「労働生産性」で、働きぶりをチェックする

 ◎労働生産性は、付加価値を従業員数で割って計算
 ◆高付加価値経営を目指す会社が採用する指標の1つ
 ◆低ければリストラも……

5 「付加価値」で人件費の総額が決まる

 ◎労働分配率とは、付加価値から支払われた人件費の割合
 ◆労働分配率は50%以下が1つの目安
 ◆労働分配率を求めるには?

6 「労働分配率」を決める2つの要素

 ◎労働分配率は、1人当たり人件費ヨ労働生産性で計算できる

7 「必要売上高」とは?

 ◎1000万円ヨ労働分配率ヨ加工高比率で計算できる
 ◆年収1000万円欲しい営業担当の必要売上高は?
 ◆加工高比率か労働分配率が変われば、必要売上高も変わる

8 大きな本社は、必要な売上高を過大にする

 ◎間接部門の人件費負担が大きいと目標売上高は大きくなる

9 「売り場生産性」で、売り場の効率を見る

 ◎売り場生産性上昇のためには、客数と客単価アップが必要

10 人の働きを見る「人時生産性」

  ◎「付加価値」を「総投入労働時間」で割った値のこと
 ◆1人当たり、時間当たりの付加価値を見る指標
 ◆会社単位でなく、部門別などで分析する

コラム(4):業績連動型の給与・賞与の決め方


PART 5 成長性を見る

 ◎順調に伸びていく会社かどうかを分析する!

1 成長性を見る4つのパターン

 ◎売上高、粗利益の伸び率を同時に見るのがポイント

2 粗利益率の変化に注意しよう

 ◎粗利益率の変化は1%単位で気をつける
 ◆仕入原価の上昇、販売価格の低下で粗利益率は下がる
 ◆粗利益率の低下は利益減少に直結する重大問題

3 人件費の伸びと粗利益の伸びを比較する

 ◎人件費の伸び率が粗利益の伸び率以内であることが重要
 ◆ベースアップと労働分配率の関係
 ◆粗利益の伸び率以下に人件費の伸び率を抑える

4 3つの利益を比較する

 ◎粗利益の伸び率<営業利益の伸び率<経常利益の伸び率

5 1株当たり当期純利益(EPS)をチェックする

 ◎株式投資に欠かせない重要な指標の1つ
 ◆「当期純利益」をチェックする
 ◆1株当たり当期純利益が大きくなると、株価は上昇する

コラム(5) 成長性を見る方法は、ほかにもいろいろある


PART 6 キャッシュフローの動向を見る

 ◎キャッシュフローの動きから企業の価値を分析する!

1 キャッシュフローって何だろう?

 ◎収入_支出=収支のことをキャッシュフローという
 ◆キャッシュフローとは現金収支のこと
 ◆キャッシュには現金同等物も含まれる

2 キャッシュフローと利益が一致しないのはなぜか?

 ◎収益と収入、費用と支出の間には、時間的なズレがある
 ◆キャッシュフロー計算書でいう収支は、損益とは違う
 ◆費用と支出の間には、時間的なズレがある


3 キャッシュフローの種類とは?

 営業・投資・財務キャッシュフローの3つがある

4 キャッシュフロー計算書を理解しよう

 ◎営業・投資・財務キャッシュフローの順に表示する
 ◆いちばん重要だから営業キャッシュフローから表示
 ◆営業キャッシュフローの表示には直接法と間接法がある

5 営業キャッシュフローを増加させる方法は?

 ◎本業で利益を出す、在庫を減らすなどの工夫が必要
 ◆仕入代金を掛けで行うと支払いが楽になる
 ◆在庫を持つことはリスクを負うことでもある

6 フリーキャッシュフローとは何だろう?

 ◎経営者が自由に使えるお金のこと

7 設備投資の判断にキャッシュフローを活用する

 ◎設備投資の採算を見る判断基準は、「回収期間」と「利回り」
 ◆2000万円投資して年200万円儲かる時の利回りは?
 ◆利回りを見る

8 キャッシュフローで企業価値を測定する(1)

 ◎時間価値を考えない方法
 ◆会社の価値を高めるには、フリーキャッシュフローを増やせばいい
 ◆毎年のフリーキャッシュフローの合計が企業の価値を表す

9 キャッシュフローで企業価値を測定する(2)

 ◎時間価値を考えるディスカウント・キャッシュフロー法
 ◆時間価値を考慮することで、より正確な企業価値を計算
 ◆5年分のキャッシュフロー500億円は現在価値でいくらか?

10 会社の買収価格はどのように決まるのか?

 ◎毎年のキャッシュフローの合計から借金などを引いた金額
 ◆プラスアルファがある場合はプレミアムが付く
 ◆会社のプレミアム(割増価値)とは?

11 資本コストとは何か?

 ◎金利や配当金など、借入金や株主資本に支払う対価
 ◆加重平均資本コストが、現在価値の決め手になる
 ◆加重平均資本コスト率を計算する

コラム(6) キャッシュフロー経営とは、要するに何だろう


PART 7 会社を総合的に評価する

 ◎経営分析の流れを整理してみよう

1 経営分析の流れと体系を理解しよう

 ◎収益性、安全性、生産性、成長性の4つの視点から見る

2 レーダーチャートを活用する

 ◎問題点が浮き彫りになるのがメリット

3 時系列グラフで傾向を読む

 ◎各月グラフ、累計グラフ、移動累計グラフなどがある

4 会社を総合的に見るための視点

 ◎計数以外の要素もチェックを忘れずに
 ◆総合的に企業を見る視点とは?
 ◆企業を取り巻く環境を意識してみよう
 ◆企業の外部環境と内部環境をよく分析すること
 ◆計数以外も加味して総合評価する

コラム(7) 数値目標の落とし穴


巻末資料

用語索引



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著者紹介

千賀秀信(せんが・ひでのぶ)
1954年生まれ。早稲田大学商学部卒業。マネジメント能力開発研究所・代表。
中小企業診断士。東京都出身。
公認会計士、税理士専門の情報処理サービス業・株式会社TKC(東証1部)で、財務会計、経営管理などのシステム開発、営業、広報、教育などを担当。1997年にマネジメント能力開発研究所を設立し、企業経営と計数を結びつけた独自のマネジメント能力開発プログラムを構築。「わかりやすさと具体性」という点で、多くの企業や受講生から好評価を受けている。研修、コンサルティング、執筆などで活躍中。
大前研一のアタッカーズ・ビジネススクール講師。著書に『経営分析の基本がハッキリわかる本』(ダイヤモンド社)、『経営センスが高まる! 計数感覚がハッキリわかる本』(ダイヤモンド社)、『大前研一のアントレプレナー育成講座PartV』(プレジデント社:共著)がある。

●マネジメント能力開発研究所のホームページ
http://homepage3.nifty.com/maneji/


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