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「決め方」の経済学

「みんなの意見のまとめ方」を科学する

  • 紙版
  • 電子版

「決め方」の経済学

「みんなの意見のまとめ方」を科学する

書籍情報

  • 紙版
  • 電子版
  • 坂井豊貴 著
  • 定価:1760円(本体1600円+税10%)
  • 発行年月:2016年06月
  • 判型/造本:46並製
  • 頁数:224
  • ISBN:978-4-478-06487-0

内容紹介

慣れ親しんだ決め方である多数決は欠陥だらけの方法だった。『多数決を疑う』の著者である坂井豊貴氏が、民主的な「みんなの意見のまとめ方」を経済学のツールを使って解説。「多数決」と「数の暴力」はどう違うのか? 曖昧でいい加減な「民意」「選挙」の議論を叩き切る! 選挙の前にぜひとも読みたい一冊。

目次・著者紹介詳細を見る▼

目次

はじめに

第1部 決め方を変えると結果が変わる

第1章 民意は選挙結果からはわからない

◆大阪都構想の住民投票から何が読み取れるか?
◆「政治家を選ぶこと」は「政策を選ぶこと」ではない
◆「票の割れ」が起こると多数決はまともに機能しない
◆多数決を使わなければ、イスラム国は誕生しなかった?
◆「決め方」しだいで結果が変わる
◆政治は「決め方」に翻弄されている

第2章 「民主的な」決め方を考える

    ── ボルダルール

◆多数決の投票用紙には「2位以下」を書く欄がない
◆「決選投票付き多数決」と「ボルダルール」、どちらが優れているか?
◆「ボルダルール」では「広く支持される人」が選ばれる
◆ボルダルールは満場一致に近い決め方である

第3章 一騎打ちで選択肢を競わせる

    ── 総当たり戦

◆誰が一番支持されたかわからないデンマーク首相選
◆クリントンは「票の割れ」を利用して勝った?
◆「多数決サイクル」を断ち切る
◆「多数決サイクル」があると、議場は議長の思いどおりになる

第4章 決め方が変わると歴史が変わる

◆歴代大統領のなかで一番評価されているリンカーン大統領
◆リンカーンは票の割れのおかげで勝てたのか?
◆ボルダルールではリンカーンは敗北する
◆修正は認められたのに立法されなかった「パウエル修正案」
◆ロバート議事法と議事操作
◆修正提案の順番で結果が変わる

第2部 三択以上の投票で優れている決め方は何か

第5章 決め方を精査する

    ── ペア勝者とペア敗者

◆決め方によって5通りの結果が出る「ナーミの反例」
◆ペア敗者を絶対選ばない決め方を考える
◆ペア勝者基準を「ある程度」尊重する決め方を考える

第6章 ベストな配点を考える

    ── スコアリングルール

◆なぜボルダルールの配点がよいと言えるのか?
◆スコアリングルールはペア勝者を選ばないことがある
◆クリントンはあらゆる決め方で選ばれていた

第7章 「絶対評価」で決めるとどうなるか

    ── 是認投票

◆出されたメニューによって行動が変わる
◆「認める、認めない」で選択肢を選ぶ是認投票
◆ほかの選択肢の影響を受ける ──「コントラスト効果」
◆最新方式「マジョリティー・ジャッジメント」

第3部 二択投票で多数決を正しく使いこなす

第8章 多数決で正しい判断ができる確率

    ── 陪審定理

◆多数決の陪審で正しい評決はできるか?
◆陪審員の人数が多いと、正しい判断をしやすくなる
◆多数決の結果が正しくなる確率を計算する
◆他人に流されると正しい判断ができない

第9章 多数決と暴力は何が違うのか

◆多数決が暴力以上の価値を持つとき
◆多数決の3つの使用条件
◆(1)多数決の対象に、皆に共通の目標がないとき
◆(2)有権者の判断が正しい確率pが、0.5より低いとき
◆(3)有権者が各自で判断しないとき
◆マンション自治会の「議長委任」はなぜダメなのか
◆多数決は「どうでもよいこと」を決めるのに向いている
◆自分の意思を正直に表明できる「ランダム独裁制」

第10章 国会は多数決を正しく使えているのか?

◆多数決を正当化できそうな2つの条件
◆(1)「最大多数の最大幸福」を実現するために多数決は正当化できるか
◆(2)多数決は「フェアなルール」なのか
◆憲法を使って多数決に制限をかける
◆改憲ハードルは見かけより低い
◆国会は党議拘束によって少数派支配が起きている
◆安保法制の合憲性はどう判断すればよいか

第11章 法廷の「決め方」を分析する

◆法廷では必ず白黒の決着をつけなければならない
◆多数決で正当防衛の判決を下す
◆理由で多数決をとるか、結論で多数決をとるかで判決が変わる
◆マンションのまた貸し事実を法廷で認めさせる
◆裁判員裁判ではどのように量刑を決めるか
◆ペア勝者を選べる「中位選択肢」

第4部 多数の意見を尊重すべきでないとき

第12章 費用分担をフェアに決める

◆エレベーター改修費用を1階の住民に全額負担させる
◆司法の答え:1階住民も費用を払うべき
◆費用分担を決めるのに最適な「シャプレー値」
◆エレベーターの改修費用分担にシャプレー値を適用する
◆「凸結合」で住民たちを納得させる
◆「中位選択肢」で妥協点を決める

第13章 「決闘への満場一致」は尊重すべきか

◆2014年には15人が決闘罪で捕まった
◆決闘は日本社会に受け入れられている?
◆「偽り」の満場一致

第14章 個人の自由と満場一致はときに対立する

◆国家や社会による個人への干渉はどこまで許されるのか ── 「危害原理」
◆自由主義のパラドックス
◆自由の領域を平等に保護する

◆あとがき

◆主要参考文献

◆索引





著者

坂井豊貴(さかい・とよたか)
1975年生まれ。慶應義塾大学経済学部教授。
ロチェスター大学Ph.D.(Economics)。横浜市立大学、横浜国立大学、慶應義塾大学の准教授を経て、2014年より現職。人々の意思をよりよく反映させる選挙方式、物を高く売るオークション方式、人と組織を上手く結ぶマッチング方式といった制度設計の研究で、多くの国際業績をあげる。著書には『マーケットデザイン入門』(ミネルヴァ書房)、『社会的選択理論への招待』(日本評論社)といった定番テキスト、および一般書の『マーケットデザイン』(ちくま新書)、『多数決を疑う』(岩波新書、新書大賞2016 4位)などがある。2015年義塾賞。

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