ブックタイトル週刊ダイヤモンド15年12月19日号

ページ
4/6

このページは 週刊ダイヤモンド15年12月19日号 の電子ブックに掲載されている4ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

週刊ダイヤモンド15年12月19日号

Special Feature 年前、65歳以上の高齢者1人に対して20?64歳は9・1人いて、高齢者を若者が「胴上げ」する社会だった。それが、2012年には高齢者1人を若者2・4人が支える「騎馬戦型」になり、50年には1・2人で1人を支える「肩車型」の社会がやって来る。35年後ということは、そのとき肩の上に乗っているのは、今の30歳以上の世代だ。 日本では世界に類を見ない高齢化社会が進展している。 社会保障費の増大や生産年齢人口の減少などで、高齢化は国力を削いでいく。高齢者の増加が引き起こす予期せぬトラブルが社会問題となる可能性もある。 そして、社会全体が抱えるリスクとともに、その中で長生きすることは個人としてもリスクを伴うものとなっている。いまや長寿は決してめでたいことではない。 老後のリスクは「金」「健康」「孤立」の3Kといわれる。お金があって健康でも独りぼっちでは楽しくないし、独居老人が病気になれば孤独死もあり得る。 老後リスクをあおる情報が世間には溢れていて、不安は高まるばかりだ。「下流老人」や「老後破産」といった社会現象が喧伝され、誰もが等しく貧困と絶望のふちに  〝高齢者のリアル?65歳以上はお金よりも健康が心配 〝一人暮らし?の高齢者は増えている70歳以降も「元気な限り、働きたい」(2014年調査)男性(65~69歳)女性(65~69歳)24.4%22.3%11.0%9.8%20.6%16.8%28.2%34.1%3.5%1.6%2.2%3.5%10.2%12.1%まだ決めていない。分からないもう十分に働いたので、引退して好きなことを楽しみたい年金だけでは生活ができないので、なお働かねばならない生きがいや健康のために、元気な限り、働きたいすでに働くことが( ほぼ)決まっている(誘い・雇用契約がある)その他無回答0100200300400500600700800女男03691215182124・・・・・・・・・・・・・・・・・・一人暮らしの高齢者の数(棒グラフ)高齢者人口に占める割合(男女別・折れ線グラフ)(万人) (%)1980年85 90 95 2000 05 10 15 20 25 30 35実績値推計値0 10 20 30 40 50 60 70(%)58.942.629.118.213.612.610.38.07.66.66.14.94.74.50.319.80.1             健康や病気のこと寝たきりや身体が不自由になり介護が必要な状態になること      自然災害(地震・洪水など)   生活のための収入のこと  頼れる人がいなくなること  社会の仕組み(法律、社会保障、金融制度)が大きく変わってしまうことだまされたり、犯罪に巻き込まれたりすること家業、家屋、土地・田畑などの財産や、先祖や自分のお墓の管理・相続のこと住まいに関すること子や孫などの将来新しい商品やサービスの活用方法が分からなくなること人(近隣、親戚、友人、仲間など)との付き合いのことインターネットなどの新しい情報入手方法が増え、情報収集が困難になること言葉、生活様式、人々の考え方などが大きく変わってしまうことその他    不安に感じることはない分からない出所:内閣府「一人暮らし高齢者の意識に関する調査」(2014年度) 出所:「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」など出所:独立行政法人労働政策研究・研修機構現在65~69歳で仕事をしている高齢者に「70歳以降も働きたいか」と聞くと、「まだ決めていない」という答えよりも「元気な限り、働きたい」という答えが上回った。ただし、将来的に若者の労働力が不足するため、高齢者の労働力が期待されているという事情もある。一人暮らしの高齢者は、一般的に考えられている「生活のための収入のこと」よりも「健康や病気のこと」について心配している割合が約60%と高い。社会との接点が薄れていくこともあるが、一人で暮らす高齢者は、何よりも自分の身体が不自由になる状況を恐れている。今後、一人暮らしの高齢者の数は増え続けるばかりでなく、高齢者全体の人口に占める一人暮らしの割合も伸び続ける。2035年には、男性約16%、女性約23%という水準になると予測される。相対的に、経済力の低い女性の一人暮らしの高齢者には、対策が必要になるだろう。女男50週刊ダイヤモンド 2015/12/19 30