ブックタイトル週刊ダイヤモンド17年4月15日号

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週刊ダイヤモンド17年4月15日号

財政破綻説のよりどころ生産性も低い世界ワースト2世界最悪の借金持ちデンマークオランダオーストラリアフィンランドスウェーデンスイスシンガポールカナダチリアイルランド英国ドイツ米国フランスマレーシアブラジルポーランドオーストリアイタリア南アフリカ共和国インドネシア韓国中国メキシコインド日本アルゼンチン順位国名総合指数12345678810111213131516171819202122232425262780.580.177.972.971.468.667.066.466.462.060.159.056.456.455.755.154.451.749.548.648.346.045.244.343.443.237.7*単位:米ドル、GDPは名目 ※IMF推定値 出所:IMF 出所:マーサー「グローバル年金指数ランキング(2016年)」123456789 …2612345678910…22ルクセンブルクスイスノルウェーマカオカタール※アイルランド米国シンガポール※デンマーク…日本102,71780,60374,59871,39468,94061,20656,08452,88852,13932,479順位 国・地域名 1人当たりGDP 順位 0 2 4 6 8 10 12 14 16日本…イタリアオランダオーストリアフランスベルギースイスノルウェー米国ルクセンブルクアイルランド50100150200250(%)2001年 05 10 15出所:OECDギリシャイタリアフランス米国2015年1人当たり労働生産性ランキング政府債務残高の対GDP比 世界年金指数ランキング2015年*OECDの資料を基に日本生産性本部作成単位:購買力平価換算、万米ドル日本日Special Feature 財務省によると、15年末時点で前年末比6・6%減の339・2兆円となった。5年ぶりに減少に転じたものの、25年連続で世界一だったという。 しかも日本は経常黒字が続いており、おカネが国内に流入し続けている。つまり資産だけでなく、稼ぎもいいというわけだ。 また豊かさの論拠として「個人金融資産残高」もよく出てくる数字だ。16年3月末時点で1706兆円に達し、米国に次ぐ世界2位の規模。ただし、資産の裏には必ず負債があるということを忘れてはいけない。「個人金融負債残高」でも日本は世界で2番目に多いとされる。 借金まみれの超富裕層というのが、統計データから見える日本経済の一側面といえる。 こうした側面は見方を変えれば、経済全体、特に民間企業は資産も収入も多く節約家なのに、国の方が超の付く浪費家の貧乏人ということだ。日本を一人の人間に見立てたら、まるで二面性を持つジキルとハイドのようである。 ところで、これだけの対外資産があるのだからこのまま借金を膨らませても大丈夫かというと、決してそうではない。その先にある日本経済の近未来については、本 本とは不思議な国だ。長年にわたり財政危機が叫ばれ、破綻説がくすぶる一方、破綻なんてあり得ない、世界一豊かな国だという日本礼賛説も一部に根強くある。 一体どっちが正しい日本経済の姿なのだろうか? 結論から言ってしまえば、ある意味においてはどちらも正解だ。 破綻説の根拠になっているのが、その巨額の財政赤字だ。OECD(経済協力開発機構)によると、「政府債務残高の対GDP(国内総生産)比」は230%を超えて世界最悪レベル。財政破綻したギリシャより悪いというのだから、いかに悲惨かお分かりだろう。 また、人事コンサルティング会社世界大手のマーサーがまとめた「世界年金指数ランキング」では、27カ国中26位。日本より下だったのは2001年にデフォルト(債務不履行)に陥ったアルゼンチンだけという体たらくだ。制度の持続性が問題視されたという。社会保障の膨張はその国の財政を急速に追い詰める。 一方の日本礼賛説、もしくは破綻しない説の裏付けとしてよく挙げられるのが、日本の企業や政府、個人が海外に持つ資産から負債を引いた「対外純資産残高」だ。週刊ダイヤモンド 2017/04/15 28