ブックタイトル週刊ダイヤモンド17年4月15日号

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週刊ダイヤモンド17年4月15日号

1706兆円!*単位:米ドル、GDPは名目 出所:IMF11345678910ルクセンブルクスイス日本デンマークノルウェードイツオーストリアスウェーデンオランダ米国48,71648,71642,53635,47734,79331,70930,28929,88228,91028,7626.26.15.65.65.64.53.2順位国名1人当たりGDP日本は「借金まみれの鈍くさい超富裕層」だ統計データで見た日本最強説の後ろ盾長期低迷の現在・過去・未来Prologue世界一のお金持ち未来に投資せず世界第2位20位超も下落1995年1人当たりGDPランキング12333-…32順位0 1 2 3 4 5 6 7日本…OECD平均ベルギーフィンランドアイスランドデンマークノルウェー2013年GDPに占める教育機関への公的支出割合主要国・地域の対外純資産残高出所:日本銀行 *単位:% 出所:OECD出所:財務省対外純資産、政府債務残高の対GDP比、年金指数、労働生産性──など、さまざまな統計データの世界ランキングから日本経済を読み解いていくと、日本に関し、相反する二つの実像が浮かび上がってきた。2016年3月末の日本人の個人金融資産残高050100150200250300350195.2 192.356.885.3117.9カナダノルウェー香港中国 ドイツ日本(兆円)339.233カ国中32位25年連続世界一特集速習! 日本経済働き者どころか鈍くさい労働者といった方がピッタリくる。 実際、G7で最も労働生産性の高い米国と比較すると、日本の製造業の生産性は米国の7割、サービス業は5割にとどまるという。日本人は勤勉で働き者というイメージは、日本人自身がつくり上げた虚像なのかもしれない。 国の経済発展には人材育成も欠かせない。しかし、日本は未来に向けた投資には無関心のようだ。OECDによれば、日本は「GDPに占める教育機関への公的支出割合」が3・2%で、これは比較可能な33カ国中、なんと最下位のハンガリーに次ぐ32位。教育に投資をしない国に未来はない。 日本経済はこれからどこに向かうのだろうか。デフレ脱却に向けた日本銀行による異例の金融緩和は、思うような成果を挙げられずにいる。企業に目を向けると、働き方改革の真っただ中にあるが、AI(人工知能)の劇的な進化もあって、日本人の仕事が奪われるとの危機感も広がっている。 本特集ではマクロの世界からミクロの世界まで日本経済に関するさまざまな疑問に対し、例え話を交えながら解説する。思わず誰かに話したくなる日本経済の速習講座、スタートだ。特集内で明らかにしていく。働き者は虚像?日本の労働生産性はG7中で最下位 もちろん日本経済がすぐに危機に陥る可能性は低い。一方で気になるのが日本経済の地力の低下だ。このままでは衰退の流れが加速しそうな情勢だ。 例えば、経済的な豊かさを表す「1人当たり名目GDP(米ドル)」の世界ランキング。失われた20年と呼ばれる長期低迷期に、日本の国際的地位は凋落してしまった。為替の影響があったとはいえ3位をキープしていた1990年代半ばから、足元では20位台にまで大きく順位を落としている。 しかも日本はこれから人口減少が本格化してくるため、さらなる低下も予想される。 経済成長は労働人口と労働生産性の掛け算であり、「人口減少が避けられないなら、働き者の日本人の高い生産性で補えばいい」との意見も出てきそうだ。 しかし実のところ、日本の「1人当たり労働生産性」は意外と低く、OECD加盟35カ国中22位、G7(主要7カ国)では最下位に甘んじている。数字だけを見れば、29 週刊ダイヤモンド 2017/04/15