ブックタイトル週刊ダイヤモンド17年8月26日号

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週刊ダイヤモンド17年8月26日号

特集 自衛隊 防衛ビジネス割を期待されている。 相浦駐屯地の中でも、最も忙しいのが水陸機動団準備室。人材のリクルーティング、武器や資材の調達、作戦・運用のマニュアル作成などが仕事で、装備品の調達一つとっても、何もかもが足りない状況なのだという。寝る間も惜しんで〝24時間勤務〟で働いている隊員もいるのだとか。 島しょ防衛は、数ある自衛官の仕事の中でも、最も過酷で、強靱な精神力なくしてできない任務だ。現場の隊員たちは、身命を賭す覚悟で任務を全うしているのだ。トリプル辞任でも権力闘争は収まらない それに比べて、東京・市谷の防衛省・自衛隊で繰り広げられた権力闘争とは何だったのか。 今夏、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題をめぐり、稲田朋美・前防衛相、黒江哲郎・前事務次官、岡部俊哉・前陸上幕僚長の3トップが辞任することで幕引きとなった。 一連の問題を通じて、日本の防衛政策を預かる防衛省・自衛隊の構造的欠陥が次々と明るみになっていった。 文民統制の機能不全、陸自の隠蔽体質、背広組と制服組との確執、陸・海・空の縄張り意識──。 3人の首が挿げ替えられたところで、ついぞ抜本的改善策が示されることはなかった。 それどころか、早くも新たな抗争が生まれそうな雲行きだ。 ある本省キャリアは、「今度こそ、陸自にデータを隠させない制度・仕組みをつくる」と言い切る。そして、ある陸自幹部は、「岡部さんが泣いてくれたおかげで、次の次の統幕長は陸に回ってくるだろう」とほっと胸をなで下ろす。 こうした発言を聞くにつけ、この防衛省・自衛隊組織の末期症状を感じずにはいられない。 しょせん、こうした権力闘争に参戦しているのは、本省キャリアと防衛大学校を卒業した制服組だけだ。辛うじて、自衛隊組織が内部崩壊することなく踏みとどまれているのは、権力の中枢から遠く離れた、現場自衛隊員のモチベーションが高いからだろう。 かつてないほどに、日本の安全保障が脅かされている。北朝鮮・中国による侵攻リスクは高まるばかりだが、そこに立ち向かうのは、権力闘争に執心しているエリートではなく、西普連に代表される現場の自衛官なのである。2017/8/26号_1特_自衛隊P32米中のパ日本の内情が国際統治の技術の南スーダンPKO日報問題が陸自クーデターへ発展、防衛省・自衛隊トップがトリプル辞任中国の軍事力「大増強」、積極的な海洋進出、南シナ海で実効支配の強化国連安保理の無力北朝鮮の核・ミサイル開発の進展、度重なる挑発行動米国が「世界の警察官」をやめる宣言ロシア、軍の活動を活発化対テロ戦争で主要国の足並みそろわず海洋・宇宙空間の安全保障リスクサイバー空間の安全保障リスク宗教・民族対立の激化PKOの位置付けの変化難民・紛争の増加国際テロリズムの脅威文民統制(シビリアンコントロール)の機能不全「陸海空」自衛隊の縦割り組織自衛官の慢性的不足日本の防衛ビジネスのジリ貧中国による島しょエリア侵攻リスク日米同盟の〝劣化?で北朝鮮によるミサイル 米軍基地の負担増?攻撃リスクロシアによる北方領土の実効支配パワーバランス激変がヤバい!ヤバい!空白地域がヤバい!〝聖域侵攻?がヤバい!日本を取り巻く防衛環境の変化日本の安全保障脅かされる「日本の安全保障」33 週刊ダイヤモンド 2017/08/26