ブックタイトル週刊ダイヤモンド17年9月2日号

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概要

週刊ダイヤモンド17年9月2日号

Special Feature 社以来、緩やかながらも上昇カーブを描いていた賃金。50歳前後で頭打ちになり、60歳で引退、年金生活へと思い描いていたところに、いつからか役職定年が導入され、自分の身にも降り掛かってきた──。 それが、40代後半から50代前半の多くの管理職の人たちが抱えている、偽らざる心情だろう。 本誌が8月中旬に実施した実態調査によると、主要企業の多くは制度や人事慣行として、55歳を基準にして役職定年を運用しており、それに伴って賃金は2割前後も減ってしまうという。 年金の支給開始年齢が、段階的に65歳まで引き上げられる中で、そのはるか手前で収入減に見舞われることのショックは、確かに大きいだろう。「人生のキャッシュフロー」計画が大きく狂うことになるが、実は50歳以降の収入の変遷(上図参照)を見ると、亡くなるまでの平均30年の間に訪れる「収入の崖」は全部で七つもあるのだ。 一般的な事例として、役職定年を起点に、60歳定年(再雇用)、65歳での厚生年金の受給開始までは想像がつくだろう。問題はその先だ。 退職金を年金形式で支給する場合、終身のケースは今では少なく、多くの企業が期間を10年に設定している。60歳で定年を迎えれば、70歳で企業年金が終わってしまうことになる。 そもそも自分の勤めている会社が、退職金を一時金で全て支払うのか、年金形式の場合は期間が何年なのか、もしくは一時金と年金の併用なのかということすら、確認していない人も多いだろう。税制の優遇措置の有無を含め、転ばぬ先のつえとして、この際しっかり確認しておきたい。 さらに、日本人の平均寿命の80代を迎えて、もし配偶者が亡くなれば、配偶者が受け取っていた分の公的年金がなくなる。世帯で家計を管理していれば、その収入減少の影響は決して小さくないといえる。 見えない収入の崖もある。病気と介護だ。自分自身が病気にかかる場合もあれば、家族構成によっては、両親など親族の介護費用を負担しなければいけなくなるケースもある。 2カ月に1回、年金による収入があるものの、支出を大きく減らせずに、家計収支の赤字によってじわじわと貯蓄が減っていくそのさまは、やはり心理的な負担になるだろう。(%)0 10 20 30 40 50 60657075808590 (年齢)2001 04 07 10 13 16年*2016年平均寿命は厚生労働省「2016年簡易生命表」による。16年健康寿命は厚生労働省「2016年簡易生命表」と「2016年国民生活基礎調査」を基に、厚生労働科学研究「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」による計算法でニッセイ基礎研究所の村松容子氏が計算定年後に対する男性(50代、60代)の 平均寿命と健康寿命の推移ネガティブなイメージ定年前後の不安3K女性は12歳差男性は8歳差78.07 78.64 79.19 79.6480.2180.9869.40 69.4770.33 70.4271.1972.1484.9385.59 85.99 86.39 86.61 87.1472.65 72.6973.36 73.62 74.2174.79金健康 孤独年金支給額への不安がありそう病気や体力の衰えなど健康面で不安が増えそう生活費や医療費など経済面での負担が増えそう生活リズムが変化しそう漠然とした不安がありそう家事の時間や量が増えそう社会とのつながりが減ってしまいそう出所:野村不動産アーバンネット「定年退職後の夫婦生活意識調査」女性健康寿命女性平均寿命男性健康寿命男性平均寿命週刊ダイヤモンド 2017/09/02 30家計の七大リスクと働くリターンPrologue定年後入