ブックタイトル週刊ダイヤモンド17年11月18日号

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週刊ダイヤモンド17年11月18日号

Special Feature 院選真っただ中の10月14日、東京・新宿のJR新宿駅前を埋め尽くした聴衆は、これまでならあり得ない光景を目の当たりにした。 民進党左派が立ち上げ、左派層から強い支持を集めていた立憲民主党代表の枝野幸男らが演説していた壇上に、一人の男が上がったのだ。「私はかなり立場が違った人間で、右翼の運動を50年間やってきました」。マイクを握って少し緊張気味にそう切り出した男の名は、鈴木邦男(左ページの左端写真)。右翼団体「一水会」の元最高顧問である。この日は漫画家の小林よしのりも応援に駆け付けた。 右派の大物が選挙で左派政党を応援する──。何とも奇妙なその光景は、日本の右派と左派の「ねじれ現象」を象徴しているかのようだった。  もともと今回の衆院選は、右派対右派といういびつな対立の構図で始まった。つまりは保守政党の自民党が、同じく保守政党である希望の党と争うというものだ。 ところが、この構図は長続きしなかった。 希望の党代表の小池百合子は「寛容な改革保守」を掲げて支持を訴えたが、民進党と合流を進める中で、左派議員を排除するという全く寛容でない姿勢が大炎上。希望の党は急速に支持を失った。 代わって自民党の対抗軸として主役の座に躍り出たのが、排除された民進党左派によって結党された立憲民主党である。ようやく右派対左派の正常な対決になったかと思いきや、今度は枝野が「私は保守だ」と言いだした。 確かに、枝野自身は憲法9条改正に反対する党の代表でありながら、2013年に首相の安倍晋三の改憲案と大差ない改憲私案を公表していた。 枝野の保守発言について、民進党関係者は「旧民主党政権時代の失政から左派では受けが悪いから、右の保守層にもウイングを広げる作戦」とその意図を読み解く。 立憲民主党が愛国者を自任する鈴木を担ぎ出した背景には、そうした打算が透けて見える。愛国者を自任する鈴木が右翼活動から身を引いた理由 対立軸として語られてきた右派と左派。しかし、冷戦の終結でイデオロギー対立がなくなり、右派と左派の違いが曖昧となった結果、左右がねじれやすくなっているの衆週刊ダイヤモンド 2017/11/18 30EPA=時事、c共同通信社/アマナイメージズ、Bloomberg/gettyimages、JIJI、Natsuki Sakai/アフロ