ブックタイトル週刊ダイヤモンド18年3月31日号

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週刊ダイヤモンド18年3月31日号

Special Feature 長の報告は客観性に欠ける。君はすでに大西社員を高く評価しようとしているではないか」 営業の経験がある人ならば、こうした言葉を上役から投げ掛けられたことがあるかもしれない。 だが、これはよくあるオフィスの風景ではない。関東地区で最難関レベルの私立中学入試が一斉に幕を開ける2月1日、その最高峰である開成中学校の受験生たちが格闘した、国語の問題文の一部なのだ。 上図をご覧いただきたい。この国語の問題文と設問である。二つの支店で行ったカニ弁当の販売実績について、売れ行きを示したグラフを基に販売部長が社長に結果を報告しているシーンだ。 この問題で問われているのは、大西社員を評価する部長に対して、それを否定する社長の考えをグラフから読み取らねばならないという点だ。実は、こうした問題こそが、大学入試改革で取り入れられようとしているものに近い。 これまでの入試は知識偏重型の側面が強く、いかに人より多くの知識を有しているかが焦点だった。だが、今や知識はコンピューターやAI(人工知能)が代弁してくれる時代。複雑にグローバル化し私立トップ校の入試問題に変化?2月1日に起こった"開成ショック!"Prologue「部0100200300400500600(個)( )( )大西小池新宿支店担当:500個発注池袋支店担当:450個発注009時301910時614211時1158012時21215513時25020814時29824015時36830816時44536517時50040218時5004300193042618011515521220825024029830836836544540250043050019時大西小池売れ行き総数の推移売れ行き総数開成中学校の2018年の国語の問題二従来の枠を超えた開成の問題二 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。 北海商事株式会社は、北海道の名産物を、各地に紹介し、販売する会社です。大手百貨店の安田デパートから、「月末の休日に、新宿支店と池袋支店で北海道物産展を行うので、カニ弁当を仕入れてほしい」と依頼されました。 北海商事では、新宿支店の仕入れ販売を大西社員が担当し、新宿支店よりやや規模の小さい池袋支店の仕入れ販売は小池社員が担当することになりました。両支店での販売を終え、翌月の月例報告会では、販売部長が下記のグラフを示しながら、両支店での成果を社長に報告しました。「大西社員は、販売用に500個のカニ弁当を発注し、小池社員は、450個のカニ弁当を発注しました。最終的に、新宿支店では、見事にカニ弁当は完売となりました。池袋支店では、20個の売れ残りが生じてしまいました。グラフは、九時の開店から十九時閉店までの、カニ弁当の売れ行き総数を示したものです。二人の社員の評価について、社長はいかがお考えになりますか」 この報告を聞いて、社長は、「部長の報告は客観性に欠ける。君はすでに大西社員を高く評価しようとしているではないか」 と伝えたうえで、「私は、小池社員の方を高く評価する」 と答えました。部長が、「新宿支店よりやや小さめの池袋支店でも、小池社員が、高い成果を上げたということがポイントでしょうか」 と尋ねたところ、社長は「支店規模の問題ではない」 と告げ、自分の考えを示しました。問一 社長は、部長の報告のどの表現に、客観性に欠けたものを感じたのでしょうか。二つ探し出し、なるべく短い字数で書きぬきなさい。問二 大西社員より小池社員の方を高く評価する社長の考えとは、どのようなものと考えられるでしょうか。「たしかに」「しかし」「一方」「したがって」の四つの言葉を、この順に、文の先頭に使って、四文で説明しなさい。週刊ダイヤモンド 2018/03/31 42