ブックタイトル週刊ダイヤモンド18年5月12日号

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週刊ダイヤモンド18年5月12日号

特集 プログラミング&リベラルアーツビジネスパーソンは何を身に付けるべきですか。 これからは、時代の変化を先読みして〝向こう側〟に渡った人と渡れない人との差が大きくなる。この差を埋めるために、全ての人が勉強し直すべきです。 例えば、私が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学では、働きながら2年から5年くらいかけてMBAを取得します。卒業生の中には、起業して活躍している人もたくさんいる。でも、彼ら・彼女らは昨日までどこにでもいる普通の人と変わらなかった。それが最先端の学びを経て〝向こう側〟 に渡ることで歴然とした彼我の差がつくわけです。AIでは置換できないリーダーシップ能力が生き残りの武器になる 21世紀の経済は、サイバー社会、ボーダレス社会、マルチプル(倍率)社会、そして現実の社会の四つが一緒になってできている「目に見えない経済大陸」だ、と私は『新・資本論』などの著作で20年前から述べてきました。目に見えないものは、誰も教えることができない。つまり、自分で探りに行くしかない。 では、どうすればいいのか。これまでのように誰かから教えてもらい、それを覚えるという学びのスタイルでは駄目。自分で学びたいことを選び、自ら学ぶ。そういう姿勢が不可欠です。 教えられたことをひたすら覚えることが得意だった人たちは、これからAIに仕事を置き換えられてしまうでしょう。 それなのに、今の文部科学省の学習指導要領には、AI時代に人間が何をどう学ぶべきか全く書かれていない。それどころか、AIに簡単に置き換えられてしまうような知識を学べといっている。そういう教育を受けた子どもたちが15年、20年後に直面する厳しい現実を想像すると、本当に恐ろしくなる。日本の最大の不幸は、この教育システムです。 21世紀は「答えのない世界」です。だから、「教える」という概念もなくなる。デンマークやフィンランドでは、1990年代半ばに「教えない」教育にいち早く切り替えました。 もともと答えがあるわけではないので、クラスの一人一人が違った意見を持っていて当然です。皆が意見を出し合い議論しながら、最後は一つの意見にまとめていく。その際に必要になるのがリーダー31 週刊ダイヤモンド 2018/05/12M.K.●ビジネス・ブレークスルー代表取締役大前研一