ブックタイトル週刊ダイヤモンド18年5月26日号

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週刊ダイヤモンド18年5月26日号

特集 物流クライシスと荷物を運び切れないのだ。 カタコト外国人、新聞販売店スタッフ、副業で集荷のみならず宅配まで手掛ける商店主、高齢のバイト──。人手不足、極まれり。アマゾンも宅配会社も、使える人は誰でも動員しようとしている。 ここに商機を見いだそうとしているのが、物流ベンチャー、ラストワンマイルソリューションの近藤正幸社長だ。近藤社長は佐川の出身。新聞販売店を組織化し、販売店スタッフが新聞も荷物も運ぶ仕組みを構築しようとしている。「全国の新聞販売店約1万7000店のうち、1割で宅配サービスを行うのが目標」(近藤社長)だ。 逼迫する宅配現場に、不安を覚える利用者も少なくない。実際に、「利用者1000人アンケート」で配送サービスの不満について尋ねたところ、「3社以外の配達員が来るようになった」を選んだ人が「配送料金が上がった」よりも多く、トップとなった。 利用者は、得体の知れない配達員が増えていることを敏感に察知しており、「アマゾンの下請け配達員が怒鳴りながら荷物を床にたたき付けていて怖い」との通報も。「定期購読の『週刊ダイヤモンド』が遅れて届いた」という耳の痛いクレームまで頂戴した。 BtoCのネット通販のみならず、メルカリなどのCtoC取引(フリマ)も大盛況だ。「最近、消費者と荷主が結託して商品を破損し、宅配業者から補償金を巻き上げる〝詐欺行為〟が増えているのが悩みの種」(宅配会社幹部)。物量の増加のみならず、取引多様化への対応も宅配会社を苦しめている。 しかし、宅配の混乱から始まった物流クライシスは、まだほんの序の口。物量が激増する今年の暮れが正念場となるだろう。「送料ゼロ」が終わる日が近づいている。2008 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18年1997 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16年度(億個)(円)10152025303540400450500550600650700出所:国土交通省*各年3月期。会社資料を基に本誌編集部作成宅配便の取扱数(トラック)の推移ネット通販の拡大で宅配が激増!ヤマトと佐川の宅配便単価の推移両社共に値上げが続く配送業者別の取扱数とシェア2016年度内訳シェア争いは〝一時休戦?16年度 39.8億個27年ぶりの基本運賃の値上げシェアを増やす方向シェアを減らす方向アマゾン離れを進めたヤマト(宅急便)佐川(飛脚宅配便)その他日本郵便佐川2.6億個 ヤマト6.3億個12.2億個18.7億個6.6%15.9%30.6%46.9%荷物を運んでいる 誰?05/26号P000 図版サイズ W:000×H:000イラストレーターCS5トップは「3社以外」の配送事情最近、配送サービスに不満を感じていることはありますか*アンケートの詳細は35ページ0 5 10 15 20 25 30(%)配達員が日本語を話せず意思疎通ができなくなった物品が破損していることがあった即日配送されなくなった日時指定通りに配送されなくなった配送料金が上がったヤマト、佐川、日本郵便以外の配達員が来るようになった24.615.44.43.50.827.9アマゾンの配達員がマンションの前で怒鳴りながら荷物を床にたたき付けていた。配送車には業者名がなく下請けなのだろう。怖くなって、アマゾンで注文するのをやめた不在票がポストに入っておらず、マンションの宅配ボックスに長期間、荷物が放置されていた本人確認が必要な荷物が届いたときに、システム障害が発生。目の前の荷物を受け取れなかった宅配ボックスの施錠忘れや番号間違いが増えた定期購読の「週刊ダイヤモンド」が遅れて届いた重い荷物を部屋まで運ばず宅配ボックスに入れる食品を宅配ボックスに入れてくれない33 週刊ダイヤモンド 2018/05/26