ブックタイトル週刊ダイヤモンド18年6月16日号

ページ
4/6

このページは 週刊ダイヤモンド18年6月16日号 の電子ブックに掲載されている4ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

週刊ダイヤモンド18年6月16日号

Special Feature 金──。この言葉を聞いて、あなたはどんな印象を抱くだろうか。日本では、前向きに捉える人は少数派のはずだ。 昨今、日本企業で巨額の借金をするケースが増加している。 武田薬品工業は6兆8000億円という日本企業では過去最大の買収を実施。その買収資金の半分程度を当面はブリッジローンという借金で賄うという。 また、2016年にはソフトバンクグループが英国の半導体設計 その銀行は、バブル崩壊後に苦境に陥ると、とにかく企業に対して、返済を進めて筋肉質になることを求めた。また、当時は成長のための借金ではなく、生き残るたの分野を専門とする松田千恵子・首都大学東京大学院教授は「借金を活用して会社を拡大させるソフトバンクの手法はコーポレートファイナンスの教科書通り」と明かす。同趣旨の発言をする専門家は多い。 なぜ、このような認識の乖離が生まれるのか。 長らく日本では、企業の経営陣もメディアも「無借金経営はいい経営」「借金は悪」というのが常識と考えられてきた。借金の少なさを示す自己資本比率の高さを誇るような経営者も多い。 背景には、日本では銀行が企業のおカネの面倒を見るメーンバンク制が長く続いてきたことがある。企業のアームを3兆3000億円で買収。他にも大きな買収を続けていて、今や借金を示す有利子負債は15兆円に膨れ上がっている。 それらのケースでは借金の金額の大きさが、メディアなどの批判にさらされることが少なくない。 ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長も批判を意識してか、決算会見では苦笑しながら「借金王だと思われている」と発言している。 ところが、企業の資金調達を研究するコーポレートファイナンス成長しなくとも借金の少なさだけを自慢する。日本では無借金経営が善とされてきた。しかし、成長するための正しい借金なら歓迎すべきなのだ。未曽有の低金利で借り時の今、正しい借金について考えてみたい。Part 1借金はとにかく悪いもので、少なければ少ないほど良い。ゼロならばその企業の経営者は誇っていい。そんな認識の日本の経営者は多いが、それは誤解なのだ。借金への誤解蔓延する日本ない方が正しい企業経営!?6/16号 1特 P28 イラストレーターCS5 経営者もメディアもハマる?借金にまつわる誤解借金がゼロに近いほど良い企業株式でお金を集めた方がお得借金が多いと手元の現金が少ない正解ではない!借週刊ダイヤモンド 2018/06/16 28iStock/gettyimages〝脱〟日本の借金観成長するならカネ借りろ!