目次


元法制局キャリアが教える 法律を読む技術・学ぶ技術[第2版]


[目次] [著者紹介]


表紙




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PART1 知識編


第 1 章 ようこそ! 法律の世界へ

1 リーガルマインドを養おう

●どうして法律を学ぶの?
●法律を学ぶ意義はリーガルマインドを養うこと
●「法律が実現しようとする価値」を知ろう

2 法律は考えるゲームです

●法律は暗記科目であるという考えを捨てよう
●法律の読み解きは一種の楽しいゲームです
●法律の読み解きがスラスラできる「法律の頭」を作ろう

3 さぁ、学習を始めよう

●この本は3つのパーツ(編)でできています
●「知識編」で最小限のルールを知る
●「図解編」でスキルを身につける
●「法律編」でセンスを磨く
●「練習問題」で法律的思考を鍛える


第 2 章 法律の基本ルールを知ろう

1 法律のパーツを解剖しよう

●弁護士法を見てみよう
●それぞれのパーツの名前を覚えよう

2 法律の構造にはルールがある

●法律の構造は京都の町に似ています
●法律は本則と附則でできている
●本則はさらに4つのパートに分けられる

3 法律は改正法によって改正される

●法律の改正は洋服の修繕に似ています
●「お父さんのお小遣いに関する法律」を改正してみよう
●改正法の構造を知っておこう

4 改正法附則から改正の歴史がわかる

●改正法附則には施行期日と経過措置が書かれている
●改正法附則はいわば法律の「年輪」です
●商法→会社法で知る経過措置の役割


第 3 章 法律学習の基礎知識

1 法律で使う漢字の基準を知っておこう

●法律で使える漢字は決められている
●ひらがなを漢字に直すだけでも立派な法律改正!

2 この法律用語の読み方を覚えよう

●読み方がわからなければ辞書さえひけない
●憲法編
●民法編
●行政法編
●刑法編

3 この判例名を読めるようにしよう

●悪魔の「サルバライ事件」!?
●憲法で学習する読みにくい判例を見てみよう

4 法律用語の公式(1)基準点を示す用語

●基準点を示す用語とは?
●「以上」と「超える」、「以下」と「未満」
●「満たない」と「達しない」
●「以前」と「前」(「以後」と「後」)
●「〜から〜まで」

5 法律用語の公式(2)条文の構造を見抜く用語

●つなげられた言葉の関係を見抜こう
●「又は」と「若しくは」
●「及び」と「並びに」

6 法律用語の公式(3)繰り返しを避ける用語

●法律は繰り返しを避けるもの
●「適用」と「準用」
●「みなす」と「推定する」

7 よく効く法律用語集(1)日常用語でも使われる用語

●日常用語と同じでも意味は違うので注意!
●「善意」と「悪意」
●「対抗する」
●「時効」
●「第三者」
●「信義誠実の原則」

8 よく効く法律用語集(2)日常では使わない用語

●日常では使わない法律用語
●「瑕疵」
●「要件」
●「欠缺」

9 よく効く法律用語集(3)セットで覚える用語

●いっしょに覚えると理解しやすい用語がある
●「違法(不正)」と「不当」
●「無効」と「取消し」
●「作為」と「不作為」
●「自然人」と「法人」
●「条件」と「期限」
●「停止条件」と「解除条件」
●「善管注意義務」と「自己のためにするのと同一の注意義務」
●「却下」と「棄却」

10 知らない法律用語を読む技術

●用語の意味をすぐに調べてはいけない
●読み下しを練習してみよう


第 4 章 法律のヒエラルキーを知っておこう

1 法律、条例ってどんなもの?

●法律は「国会」を通じて成立したものだけ
●条例は法律に反しない範囲で定められるもの

2 政令と省令(規則)ってどう違うの?

●政令は内閣が定めた命令のこと
●省令(規則)は政令より細かいことを定めるもの

3 法律を分類してみよう

●法律にはいくつかのカテゴリーがある
●実体法と手続法
●公法と私法
●一般法と特別法

4 一般法と特別法の理解が法律理解のカギ

●一般法と特別法を見分ける「目印」とは?
●ある法律の一部が特別法になる場合もある


第 5 章 裁判のしくみや判例のことを知ろう

1 判例ってどんなもの?

●判例とは過去の裁判例のこと
●判例は結果だけを見るものではない
●どんな判例をどう学べばよいのか

2 判例(判決文)を読んでみよう

●判決文の構造はどうなっているの?
●注目すべきは「主文」を導く「理由」です
●「最大判」「最判」って何?
●「法廷意見」と「少数意見」
●少数意見を読まないなんてもったいない!

3 裁判が扱う「法律上の争訟」とは?

●裁判が扱うのは「法律上の争訟」だけ
●「被告」となっても「被告人」となるな!
●民事訴訟と刑事訴訟は何が違うの?

4 裁判のしくみはどうなっているの?

●仏の顔と裁判は3度まで(三審制)
●「最高裁で口頭弁論」が新聞記事になる理由とは?
●「調停前置主義」と「不服申立前置主義」

5 あなたもなるかも! 裁判員制度

●裁判員制度とは?
●裁判員はどうやって決めるの?
●選ばれたら辞退はできません
●裁判員制度で裁判が身近になる!?


PART2 図解編


第 6 章 法律の全体像をつかむ図解術

1 「流れの図解」で理解を深めよう

●図を書くとどこが理解できていないかわかる
●「流れの図解」と「比べる図解」
●全体像を整理、理解するのが「流れの図解」

2 長い条文は( )を飛ばして読もう

●まずは( )を飛ばしてシンプルに読む
●ただし「以下〜という」には要注意!

3 ( )が重なっている条文を簡単に読むには?

●( )の深さを計りながら読む
STEP1 ( )に番号をつけよう
STEP2 1重目の( )を飛ばして読もう
STEP3 2重目の( )だけを飛ばして読もう

4 1条を図解するとその法律の全体像がわかる

●1条はその法律の要約文になっている
●刑事訴訟法の1条を図解してみよう

5 一部改正法の概要は提案理由からわかる

●一部改正法には目的規定がない
●一部改正法は提案理由を見てみよう
●提案理由は衆議院のホームページから入手しよう

6 目次から規定の流れを図解しよう

●六法をひくときは目次を使うのが便利です
●目次から法律の全体像をイメージしよう
STEP1 法律の目次が載った六法を用意する
STEP2 目次を見つける
STEP3 目次の流れを考える
STEP4 法律全体の流れを図解してみる
STEP5 探している条文の位置がわかる

7 ややこしい手続規定は図解でスッキリ覚えよう

●図解で手続や要件の規定がラクに暗記できる
●法律が成立するまでの手続を図解してみよう

8 複雑な階層構造を図解で整理しよう

●階層構造も図にすればわかりやすい
●民法の親子関係を図解してみよう

9 入り組んだ事実関係をスッキリ図解しよう

●事実関係も図解ができます
●自分の好きな記号で図解すればよい
●時間差のある事実関係をスッキリ図解しよう

10 論旨展開チャート図で論文試験を攻略しよう

●論旨展開は論文試験の重要ポイント
●論旨展開の練習をしよう
STEP1 論文試験の解答の骨格をつかむ
STEP2 論旨展開チャート図を考える
●答案例を書いてみると……


第 7 章 法律への理解を深める図解術

1 「比べる図解」で理解を深めよう

●比べる図解の狙いは?
●似た内容の微妙な違いを明らかにする
●比べる図解で「要件」を理解する

2 似た法律用語を「違い」から理解する

●似た法律用語を並べてみよう
●「違っているところ」に注目しよう
●「違い」が生じた理由を理解しよう
●「普通養子」と「特別養子」を比べてみよう
●2つの養子制度は目的が違っている

3 制度や手続の「微妙な違い」を図解しよう

●株主総会の招集手続の違いを図解で理解する
STEP1 株式会社のバリエーションを図解する
STEP2 総会の招集手続を図にする

4 要件を図解発想で学習する(1)「かつ」要件と「又は」要件

●「要件」は法律学習の大きなポイント
●「かつ」と「又は」に注意しよう
●「又は」、「かつ」とはっきり書かれていない場合がある
●「又は」と書かれていない「又は」要件
●「かつ」と書かれていない「かつ」要件

5 要件を図解発想で学習する(2)要件を補う判例の読み方

●条文に書かれた要件を覚えるだけでは不十分
●判例と要件の関係をつかもう
●法定地上権を例にとって考えてみると……
●法定地上権の成立要件は?
●法定地上権の成立要件を補充する判例

6 改正は新旧対照表で比較する

●新旧対照表で学習する意味を知ろう
●実際の新旧対照表を見てみよう
●新旧対照表の読み方
●新旧対照表を手に入れよう

7 テキストを自分流にアレンジする

●ひと手間加えて「おいしく」しよう
●自分が手を入れたものは忘れない


PART3 法律編


第 8 章 民法の読み方・学び方

1 民法ってどんな法律なの?

●民法は市民どうしのルールを定めた法律
●民法の生い立ちは?
●民法の構成は?

2 民法の考え方の基本(1)民法の基本原則

●民法には3つの基本原則がある
●3つの基本原則の意味は?
●基本原則といえど絶対ではない

3 民法の考え方の基本(2)任意規定と強行規定

●民法には任意規定と強行規定がある
●なぜ民法は必要なのか?
●民法は誰もが納得するルールでなければならない

4 民法にはどんなことが定められているの?

●民法の5編の内容を理解しよう
●総則を知ろう
●物権は物に対する支配権
●債権は人に対する権利
●親族と相続に定めてあるものは?

5 民法の規定を考える(1)債権(契約)

●契約が債権の編に規定されている理由は?
●どうして典型契約が必要なのか?
●典型契約はどう役立つのか?
●典型契約を学ぶ意義は?
●無名契約もあります

6 民法の規定を考える(2)物権(質権・抵当権)

●質権と抵当権から民法の考え方を探る
●質権と抵当権を比較してみよう
●質権には不動産質の特例がある

7 民法の規定を考える(3)債権(契約)

●買戻しの特約から民法の考え方を探る
●買戻しの特約を民法が定めている意味は?
●買戻しに当って利息を払わなくてもいい理由は?

8 民法の規定を考える(4)物権(物権総則)

●不動産登記から民法の考え方を探る
●民法は勤勉でちゃんと登記する人を保護します
●不法占拠者には登記がなくても権利を主張できる

9 民法の規定を考える(5)物権(物権総則)

●登記の役割の全体像は民法に書かれていない
●登記には公信力がない
●民法は登記を信じた者をなるべく助けたいと考えている
●登記の役割のまとめ


第 9 章 憲法の読み方・学び方

1 憲法は国の基本法

●「国の基本法」ってどんな意味?
●国の基本法としての憲法の性格から憲法改正を考えよう
●憲法の構造を知っておこう
●憲法は自由の基礎法です

2 憲法学習の基本スタンスを学ぼう(1)

●憲法の条文はあまり多くを語りません
●高倉健と憲法
●学説を通じて学ぶ意味は?

3 憲法学習の基本スタンスを学ぼう(2)

●判例は憲法の考えを伝えてくれる
●憲法に関する判例は貴重
●条文、判例、学説の3つで学習する

4 憲法の生い立ちを知っておこう

●日本国憲法はどうやって生まれたの?
●8月革命説とは?

5 憲法が定める人権(1)自由権と社会権

●権利の種類を考える意味とは?
●人権の種類
●自由権は最初に意識された権利
●社会権はどうやって誕生したの?
●自由権と社会権の関係は?

6 憲法が定める人権(2)幸福追求権

●憲法13条は新しい人権のよりどころ
●新しい人権の条件とは?
●新しい人権にはどんなものがあるの?

7 人権を制限する「公共の福祉」について知ろう(1)

●人権も公共の福祉により制限されることがある
●「公共の福祉」とは何だろう?
●(1)「社会のため」が正体とする説
●(2)「内なる制約」と「社会のため」が正体とする説
●(3)「内なる制約」こそ正体とする説

8 人権を制限する「公共の福祉」について知ろう(2)

●「公共の福祉」による制限が憲法上認められるか?
●比較衡量論とは?
●二重の基準の理論とは?
●基準の役割

9 精神的自由、とりわけ表現の自由に対する制限を考えよう

●表現の自由はとりわけ大事な自由です
●検閲は絶対に許してはならない
●検閲に当たるかどうかの基準は?

10 「行政権は、内閣に属する」の意味を考えよう

●行政権は内閣に属する
●総理大臣のリーダーシップの限界
●独立行政委員会は違憲じゃないの?


第 10 章 行政法の読み方・学び方

1 行政法という法律はありません

●行政に関する法律すべてが行政法
●行政法を分類しよう
●行政法学(行政法に関する一般理論)とは?

2 行政法の学習方法は?

●行政救済法の学習が中心となる
●行政法の効果的な学習方法
●行政法の学習のコツ(1)
●行政法の学習のコツ(2)

3 行政庁ってどんなもの?

●建物が行政庁ではありません
●行政委員会というものもある
●なぜ行政委員会が認められるのか

4 行政不服審査法を知る(1)「異議申立て」と「審査請求」

●「早い、安い」の不服申立て
●処分庁への不服申立てが「異議申立て」です
●提訴の前に不服申立てをしなければならない場合とは?

5 行政不服審査法を知る(2)審査請求中心主義

●審査請求中心主義とは?
●人は、なかなか反省できない動物なのです
●異議申立てができるのはどんな場合?

6 行政事件訴訟法を知る(1)行政事件訴訟の役割

●行政事件訴訟法の目的は?
●行政事件訴訟を起こせる者は?
●普通じゃない訴訟がある

7 行政事件訴訟法を知る(2)事情判決

●事情判決はおとなの判断です
●事情判決の具体例を見てみよう
●事情判決の意味するところは?

8 行政手続法を知る(1)対象となる手続を知る

●対象となる手続は4つです
●処分
●行政指導
●届出
●命令等を定める手続

9 行政手続法を知る(2)「聴聞」と「弁明の機会の付与」

●不利益処分に神経を使う理由とは?
●意見陳述の意味は?
●「聴聞」と「弁明の機会の付与」(1)
●「聴聞」と「弁明の機会の付与」(2)
●聴聞を必要とする処分


第 11 章 情報の集め方・使い方

1 法律条文に関する情報を調べる(1)

●六法は最新版を選ぼう!
●資格受験生向けの六法を選ぶ場合のポイント
●一般の六法を選ぶ場合のポイント

2 法律条文に関する情報を調べる(1)

●インターネット上に無料の電子六法があります
●総務省の「法令データ提供システム」で決まり!
●法令データ提供システムのページにいってみよう
●大きく2つの検索の方法があります
●完全無料です

3 法律の解説に関する情報を調べる

●逐条解説書などを利用する
●辞書を手元におこう
●法律雑誌を使う
●インターネットで新法、法改正情報を知る

4 判例に関する情報を調べる

●六法や書籍で判例で知る
●インターネットの判例集から知る

5 国会図書館を使いこなそう

●一歩進んだ国会図書館ホームページの利用術
●国会の法律議論が検索できる(「国会会議録検索」)
●法律の過去を暴く(「日本法令索引」)



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著者

吉田 利宏(よしだ・としひろ)
1963年神戸市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、衆議院法制局に入局。15年にわたり、法律案や修正案の作成に携わる。特殊法人等改革基本法案、祝日法や公職選挙法の改正案、情報公開法案の修正案などの作成に参画。2002年3月農林水産担当参事で退職。現在、早稲田大学エクステンションセンター講師。資格試験や最新行政法に関する図書などの執筆、監修、講演活動を展開。著書には『スキマ時間で受かる行政書士』(ダイヤモンド社)、『政策立案者のための条例づくり入門』(学陽書房)、『食べても平気? BSEと食品表示』(集英社新書)など多数。


※本書に記載されている法律等は、2007年1月時点の内容になっています。最新の法律条文等をお調べの際は、専門書等をご確認ください。


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