目次


トヨタはどうやってレクサスを創ったのか

“日本発世界へ”を実現したトヨタの組織能力


[目次] [著者紹介]


表紙




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序章 レクサスとは何か——「日本発世界」への挑戦を可能にした組織能力

レクサス日本導入の意味

レクサス前史——北米での成功とその後のジレンマ

プレミアムブランドの条件


第1章 未来への危機感——トヨタには、なぜレクサスが必要だったのか


リーディングカンパニーが抱いた危機感
 既存市場の縮小とプレミアムカーの需要
 なぜレクサスは、日本になかったのか

レクサス日本導入のメリットとリスク
 果たしてトヨタにプレミアムブランドをつくれるのか

徹底したフィジビリティ・スタディの行方
 トヨタの引力に抗しながら社内の議論を引っ張る力

日本発グローバル・ブランドへの挑戦
 日本の文化に根ざした欧州でも評価される車への思い
 レクサス日本導入への四つの課題

任せながら人を育てる方針管理
 チャレンジの奨励が生む変革の連鎖
 あえて議論を回し行動への意志を共有する


第2章 創造への挑戦——モノづくりカンパニーのブランド論


21世紀の車造り

二律双生、イエットの思想へのこだわり
 トヨタ車とはここが違う
 先端技術と匠の技との融合

日本の文化に根ざした高級感─Jファクターの追求
 「おもてなしの精神」をどう形として表現するか
 高級の本質を究める手段I.D.E.A.L.というコンセプト

ブランドコンセプトを練り上げたBR組織
 ブランドの再構築三つの非常識への挑戦
 問題解決に特化した部門横断の特命組織
 社内の抵抗に屈せずレクサスの理念を押し通す

同時多発的な兼務組織の仕掛け
 納得させられれば動く組織文化
 仲良く喧嘩するトヨタとレクサスの関係

技術者たちのこだわりとコミットメント

フォロワーからの脱皮のために
 ブランドとは何かを模索する旅
 高級ブランドを追求するデザインと製造の切磋琢磨

壮大なモデルチェンジを実現したコラボレーション
 フラッグシップカー開発への冒険
 欧州プレミアムカーに対抗するサプライヤーを巻き込んだ総力戦

理想と現実の狭間に揺れたCEの苦悩と決断


第3章 現実との葛藤——巨大組織トヨタの中のレクサス


朝から晩までレクサスを考える頑固者たち
 強力な組織の引力に対抗できる国内レクサスチームの人選
 レクサスの独自性をつくり出した横の連携

バーチャルカンパニー的な組織運営
 生産現場でのブランド統一体制
 ブランド戦略を練り上げた現場主導の会議体

クロスファンクショナル(機能横断)という組織文化
 腹に落ちるまで議論するだから、実行は早い
 組織が縦に動く力と個人が横に動く柔軟性

トヨタ流営業からの脱却
 人海戦術と局地戦から統一ブランドとしての戦いへ
 レクサスブランドに合った店舗づくりと販売手法の改革

販売会社との阿吽の呼吸
 地域に根ざした売りのプロたちとの強固な信頼関係


第4章 夢へのこだわり——ブランド構築へのリーダーシップ


強大なトヨタの引力に逆らうブランド・フィロソフィ

理想を語り込むリーダーシップ
 高い目標を掲げ上にも下にもビジョンを伝える

本質を考え抜き、遠くを見据える
 ロマンを共有するためのメンバー全員ミーティング

「敵はトヨタ」の真意
 長期的な視点を強調し販売店も膝詰めで説得

ブランドブックに込められた思い
 徹底した議論から生まれたレクサス ブランド・ステートメント
 営業・開発の思いが交錯しながらたどりついた『高級の本質』

“おもてなしへのこだわり”の具現化
 競争を超える販売店舗の横の連携

心の琴線に触れるコンシェルジュ・サービス

「あなたの友人に紹介したいと思いますか?」


第5章 ビジョンと対話——プレミアムブランドを支える人づくり


未経験者が挑んだレクサス流人材開発
 新しい発想による知識ゼロからの人づくり
 レクサスの顔となるGMの選抜と教育の考え方
 意識や価値観を重視したコンピテンシー
 知識・技能、コンピテンシー、役割という人材要件の三本柱
 問題解決、ホスピタリティ、組織行動がコンピテンシーの3領域

徹底して理念を語り込んだGM面談

GMから始まった独自の開業前研修
 商品知識、おもてなし、そして、店舗のマネジメント

2300人の“チーム・レクサス”が誕生した瞬間

ブランドを支える終わりなき人づくり
 GMの要件とプロセス重視への意識改革
 ES(従業員満足度)の重視と褒める組織風土の奨励

販売会社はレクサスをどう見ていたか


第6章 トヨタのDNA——「日本発世界」に向けたマネジメントモデル


「仕事ベースの組織」と「人ベースの組織」

創造と革新をもたらす五つの組織能力
 [第1の組織能力]人々のつながりによって仕事を成し遂げる能力
 [第2の組織能力]創造と革新を人々のつながりを行き来させる活動の中から形成する能力
 [第3の組織能力]リーダーの洞察と情熱で人々のつながりのエネルギーレベルを上げる能力
 [第4の組織能力]誰と誰とがつながると仕事が成し遂げられるかを誰もが考える能力
 [第5の組織能力]誰がつながっても仕事が成し遂げられるような問題解決の共通基盤を持つ能力

組織のフラット化のデメリットを補うトヨタの工夫
 米国におけるフラット化組織移行時のマネジメント革新
 日本企業のフラット化・成果主義の導入と混乱
 フラット化しながら人を育てる仕組を維持したトヨタ
 人づくりの重視を徹底するリーダーの役割と評価

組織のエネルギーレベルを上げるリーダーシップ

チーム効力感を高めるメカニズム
 個人の効力感を連結してチームの効力感を高める三つの方法

「見える化」は人々がつながるための最大の発明
 分権化の弊害組織の方言をどう取り除くか

トヨタの中にレクサスが生まれた必然
 現場に根付いた仕事改善の知恵
 仕事の横展開を容易にするトヨタ的な統合の仕組み


終章 未来への課題——グローバル企業へと継承するもの


プレミアムブランド確立への第一歩

環境変化を先取りする経営への挑戦

日本型マネジメントモデルの発信



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著者

〓木晴夫(たかぎ・はるお)
慶應義塾大学大学院経営管理研究科・ビジネススクール 松下幸之助チェアシップ教授1973年慶應義塾大学工学部管理工学科卒業、75年同大学院工学研究科修士課程、78年同博士課程修了。84年ハーバード大学ビジネススクール博士課程卒業、同大学より経営学博士号を授与される。85年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助教授となり、94年教授となる。
専門は組織行動学、情報組織論。主な著書に『ネットワークリーダーシップ』(日科技連, 1995)、『組織行動のマネジメント』監訳(ダイヤモンド社, 1997)、『アントルプレナー創造』共著監修(生産性出版, 2001)、『組織マネジメント戦略』監修(有斐閣, 2005)、『実践!日本型ケースメソッド教育』共著(ダイヤモンド社, 2006)などがある。


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