目次


T.レビット マーケティング論


[目次] [著者紹介]


表紙




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はじめに──マーケティング不在の企業に未来はない


『T・レビット マーケティング論』刊行に寄せて

嶋口充輝
恩藏直人


第1部────── 一九六〇年代

第1章 マーケティング近視眼

事業衰退の原因は経営の失敗にある
忍び寄る陳腐化の影
人口増加という危うい神話
マーケティングは販売とは異なる
R&Dに潜む危険な罠
顧客中心の企業となるために

第2章 購買意欲調査をめぐる狂騒曲

証明できない有用性
似通った結果になる理由
購買意欲調査に特有の事情
意識的な模倣という手法
似てしまったのはマネジメントの失敗である
経営幹部の意欲を引き出せ

第3章 アイデアマンの大罪

「創造性」礼賛こそ有害である
実行力なくしてアイデアは具体化しない
空理空論を振りかざす人々
アイデアを実現するために
規律の必要性

第4章 製品ライフ・サイクルの活用

戦略的・戦術的に活用されていない実態
製品ライフ・サイクルを用いた戦略立案
パイオニア企業にかかる負担
各段階の行動計画を事前に考える
事前計画が有効な理由
製品ライフ・サイクルを有効に活用するために

第5章 岐路に立つブランディング

危機にさらされるブランド
ブランドの評判をいかに保つか
ソビエト連邦におけるブランド活動
ブランドを守る意味
公正さと法律
ブランドを守るための取引停止は認めるべきである

第6章 模倣戦略の優位性

イミテーションを見てイノベーションを知る
イノベーターであり続けるのは不可能
模倣戦略の実践
創造的模倣者の価値を正当に評価する

第7章 新市場への参入は慎重に

もてはやされる将来予測の専門家
市場は存在するが、買い手がいない
公共サービス市場の難しさ
幻のレジャー市場
顧客はいるが、セールス担当者がいない
垂直統合型の「バーグロマリット」の登場
経営者は自分の判断能力を磨くべきである


第2部────── 一九七〇年代

第8章 広告の倫理性をめぐる考察

広告には規制が必要である
我々は広告に何を期待するのか
受け手のニーズを考えよ
広告とうまくつきあう方法

第9章 サービス・マニュファクチャリング

どんな産業にもサービスの要素がある
製品は工場内で、サービスは工場の外で
サービスに製造の発想を取り入れたマクドナルド
サービスを道具で武装せよ
だれもが使いこなせるシステム
顧客が何を求めているかで製品を定義する
工場の発想をサービス活動に

第10章 原材料の不足を逆手に取ったマーケティング

原材料不足はチャンスの到来
変革の時期を逃さない

第11章 サービスの工業化

サービス志向になると優位性を失う
サービス分野は肥沃な大地である
サービスの工業化の可能性を探れ
サービスの工業化を実践する
「発見」と「詳細な説明」に価値がある

第12章 市場の変化に即したマーケティング

顧客ニーズから始まるマーケティング発想
マーケティングは忘れられたのか
問い直されるマーケティングの考え方
企業の事例が語る四つの教訓


第3部────── 一九八〇年代

第13章 マーケティングの成功条件は差別化にある

価格以外で競争する方法
製品とは何か
マーケティング・マネジメントの意義
【章末】一般的な製品の奥深さ

第14章 無形性のマーケティング

無形財と有形財
無形性が顧客獲得の決め手となる
約束を「有形化」する
無形財だけに起こる難問
無形財の存在を訴え続け、顧客の認知を促す
無形財を有形にする方法

第15章 市場のグローバリゼーション

グローバル時代が到来した
テクノロジー共和国に暮らす
ハリネズミは知っている
イマジネーションの欠如こそが大敵である
逃れようのない現実を受け入れる
「地球は平らだ」と考えよ
【章末】範囲の経済
【章末】日本の近視眼化

第16章 顧客との絆をマネジメントする

契約は始まりにすぎない
顧客は製品ではなく「期待」を購入している
成約後に何が起こるか
絆がもたらす恩恵
リレーションシップ・マネジメントの実践


第4部────── 一九九〇年代

第17章 広告は夢を売るもの

広告の洪水のなかで
広告が与えてくれる癒しや楽しさ
広告は最も実害の少ない訴求手段である
顧客の心を引きつけるには


第5部────── 二〇〇〇年代

第18章 マーケティングの針路(インタビュー)

すべてがマーケティング、マーケティングがすべて
マーケティングは飛躍しない
顧客は金で買うことはできない
有形財と無形財
顧客は商品やサービスではなく「期待価値」を買う
すべては差別化できる
知識より「思考」、創造より「イノベーション」


補遺──────

第19章 資本主義時代に成功するビジネスパーソン像

資本主義の未来
時代が求める人物像
他人志向がもたらす明るい未来
現代のビジネスリーダーに求められる価値観
官僚主義の壁
イノベーションの火を絶やすな
内部志向と他人志向の新たな可能性

第20章 企業の社会的責任にまつわる危うさ

企業が利潤以外の動機を持つ時
孤独な群衆
新たな封建制度へと向かって
権力の衣をまとう企業
企業は事業に専念すべきだ
企業が生き残る道
利潤追求を貫く方法

第21章 冷戦の雪解け

冷戦と国防支出
雪解けは国防予算の縮小につながるか
景気後退の可能性はあるか
楽観的な態度を取る理由
予算削減に踏み切るための条件
軍需産業の受け止め方
減税への期待
政府のリーダーシップ
企業が果たす役割
冷戦の緩和への備えを怠るべきではない
【章末】今回のアンケート調査について

第22章 技術から科学への主役交代

技術を基盤としてきたデトロイト経済
サイエンス・シティの構想
デトロイトの強み
地域ぐるみの生き残り策
経営者たちの見解

第23章 産業界がジョンソン大統領を支持する理由

産業界ではイデオロギーの変化が起こっている
「大きな政府」を支持する流れ
産業界はなぜ政府に協力的なのか
ジョンソンはこうして支持を取りつけた
インテリ専門家に対する経営者たちの苦手意識
ケネディが残した遺産
ジョンソンが進める静かな革命

第24章 社会から孤立するアメリカ産業界

断固として規制と戦う産業界
産業界を覆う近視眼的な見方
市場の声に耳を傾けよ
産業界に変化をもたらす明るい兆候

第25章 プロフェッショナル・マネジャーの条件

経営者の引き抜きに慎重を要す理由
プロフェッショナル・マネジャーは万能か
プロフェッショナル・マネジャーと呼べる人材
マネジメントは教えられるのか
適切な処方箋は何か

第26章 恐竜企業の生き残りのカギは買収による多角化

専業・垂直統合型は恐竜と化す
投資家は多角化企業を好む
買収による多角化
アンバンドリングによるリスク分散
自社に適した多角化戦略


セオドア・レビットの主な業績



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著者

セオドア・レビット(Theodore Levitt)
元ハーバード・ビジネススクール名誉教授。1925年ドイツに生まれ、ナチスの勃興と共に一家はアメリカに移住、オハイオ州デイトンに落ち着き、1940年に市民権を得た。1951年にオハイオ州立大学で経済学のPh. Dを取得した。
ノースダコタ大学で最初に教鞭を執り、一貫して教職に携わったが、1959年からハーバード・ビジネススクールの教壇に立ち、1985年から1989年は『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌編集長も兼任した。1990年に退職。
2006年6月28日に81歳で永眠。

訳者

有賀裕子(あるが・ゆうこ)
東京大学法学部卒。ロンドン・ビジネススクールMBA。主な訳書に『GMとともに』『組織は戦略に従う』『戦略の原理』(以上ダイヤモンド社)、『知識資本主義』(日本経済新聞社)、『コトラー新マーケティング原論』(翔泳社)、『ブルー・オーシャン戦略』(ランダムハウス講談社)など多数。

Harvard Business Reviewとは

 ハーバード・ビジネススクールは1908年、当時のハーバード大学の理事長であるチャールズ・エリオットの提唱によって創設されました。企業のトップ・マネジメント候補者を養成するという目的の下、実学に力点を置き、「ケース・メソッド」という企業事例をテキストにした演習をすべてのカリキュラムに取り入れています。このようなハーバード・ビジネススクールの教育理念に基づいて、1922年、Harvard Business Reviewは、同校の機関誌として創刊されました。アメリカ国内では30万人以上のエグゼクティブに購読されているほか、日本、ドイツ、ロシア、中国などで翻訳出版されている、ワールドワイドなマネジメント誌です。

DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビューとは

 ハーバード・ビジネススクールと提携したダイヤモンド社は、同校の機関誌Harvard Business Reviewの日本語版として1976年に『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』誌(隔月刊)を創刊しました。2000年10月からは月刊誌となり、経営戦略をはじめ、マーケティング、財務・会計、金融工学、IT(情報技術)、ゲーム理論、組織戦略、経営学など、時代の先端を行くテーマを取り上げています。


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