目次


世界自動車メーカー どこが一番強いのか?

5年後のナンバーワン企業を見抜く


[目次] [著者紹介]


表紙




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はしがき

第1部 自動車業界を取り巻く状況

第1章 深刻化する環境問題と成長する途上国市場


1 環境問題は脅威かチャンスか
  ●世界的な環境規制の高まり
  ●地球温暖化を緩和するハイブリッドカーの出現
  ●地域ごとに異なるエコカーに対するニーズ
2 成長市場はどこにあるのか
  ●成長市場の構造変化──成熟化した先進国市場
  ●発展途上国アジアの魅力
  ●日本自動車メーカーにとっての脅威と課題

第2章 国際市場競争と第二ラウンドを迎えた国際再編


1 成長企業の地殻変動
  ●グローバルリーダー企業の地殻変動
  ●地殻変動の本当の原因
  ●アジアに強い企業が世界販売競争をリード
  ●アジアの強さを決める真の要因──イノベーション、クラスター、ネットワーク
2 大型国際再編は、なぜ失敗したのか
  ●米国ビッグ3を中心とした国際再編の失敗理由
  ●国際再編の狙い──合併・統合および戦略提携の使い分け
  ●焦点市場アジアを効率よく攻めた企業
3 環境対応と途上国市場対策が次の再編をうながす
  ●社会ニーズの変動と戦略ベクトル
  ●再編、提携の新しい流れ


第2部 日米欧およびアジア企業の実力

第3章 苦戦する米国企業


1 GM(ゼネラル・モーターズ)──高収益モデルにたよりすぎたツケ
  ●シェア低下が止まらない
  ●成功が失敗のはじまり
  ●トップらしからぬ商品力
  ●キャッシュカウを欠いたグローバル構造 56
2 フォード自動車──買収の失敗と乗用車のヒット不在
  ●待ったなしの北米事業のリストラ
  ●かつてグローバル戦略をリード
  ●買収した主要ブランドがお荷物
  ●乗用車のヒット不在と製品戦略の混乱

第4章 欧州企業の復活


1 ダイムラー──クライスラー合併の失敗と揺らぐ技術先進性
  ●“世紀の合併劇”ついに終止符
  ●収益改善を目指した「COREプログラム」の苦戦
  ●フルライン化とグローバル化を同時遂行
  ●揺らぐ技術の先進性
2 BMW──安定成長を支える製品展開
  ●量的な安定拡大を追求
  ●製品ラインアップの拡充
  ●水素エンジンを研究開発
3 フォルクスワーゲン──中国市場の巻き返しが課題
  ●経営改革を継続する
  ●マルチブランド型フルラインメーカー
  ●真のグローバル戦略を構築できるか
4 ルノー──深まる日産との連携
  ●欧州トップブランド
  ●カルロス・ゴーンの「コミットメント2009」と低価格車ロガンの健闘
  ●欧州に偏るグローバル拠点配置
  ●日産との連携強化
  ●新興国向けモデル、ロガンの戦略的展開

第5章 アジア企業の潜在力


1 現代自動車──求められるコスト削減とブランド力構築
  ●世界ナンバー5を目指し規模拡大を続ける
  ●最も遅れて登場した世界自動車メーカー
  ●利益の減少とトップの贈賄スキャンダル
2 第一汽車──巨大ゆえの混乱
  ●中国最大メーカーの地位
  ●多様性、広域性の制約
  ●乗用車自主開発が課題
3 上海汽車──自主開発を夢見る乗用車最大手
  ●乗用車中国最大手
  ●ゴルフも生産する一汽大衆との角逐と混成部隊GM
  ●自主開発車の成算
4 奇瑞汽車──意外に強力な自主開発体制
  ●“コピー車”を売りまくる地場随一の自動車メーカー
  ●短期間にフルラインメーカーにのし上がる
  ●強力な自主開発体制
  ●エンジンすら外注してしまう徹底したアンバンドル(垂直分裂)体制
  ●品質向上と販売体制が課題
5 タタ自動車──25万円カーと買収戦略
  ●インド最大自動車メーカー、世界第六位商用車メーカー
  ●25万円カーに社運をかける
  ●買収、提携でグローバルプレーヤー入りを狙う

第6章 日本企業の実力


1 トヨタ自動車──伸びすぎた世界販売と伸びない国内販売
  ●ついに実力ランキング世界一位に
  ●ハイブリッドカーで世界をリード
  ●世界標準を握るトヨタのハイブリッド・システム
  ●焦点市場の米国で圧倒的な強み
  ●アジア全般での強みと中国・インドでの弱み
  ●伸び悩む国内販売
  ●早すぎる世界販売の拡大
  ●ポスト自動車事業の問題
2 本田技研工業──高級車と低価格車の開発に不安
  ●エンジン生産世界ナンバーワン
  ●新型ディーゼルエンジンの開発
  ●ホンダが小型ジェット機を開発
  ●国内に自動車新工場を建設
  ●「生産体質改革」運動
  ●二〇一〇年までに生産四五〇万台体制
  ●ホンダの課題は製品ラインアップ戦略
3 日産自動車──守りから攻めに転換できるか
  ●世界トップクラスの収益力
  ●かげりが出る「日産バリューアップ」プランの実現
  ●技術開発力の後退
  ●グローバル製品市場戦略から見た弱み
  ●国内競争力の弱さ
  ●攻めの経営と守りの経営──コミットメント経営の限界
4 スズキ──金のなる木を持たない弱み
  ●規模は大手に迫るものの、遅れる先端技術開発
  ●グローバル拡大を支えるスイフトの成功
  ●スズキの課題はキャッシュフローか
5 マツダ──親会社フォードが最大の懸念
  ●マツダ快進撃
  ●マツダ中期経営計画の三つの目標
  ●マツダの心配はフォードと円高


第3部 世界自動車メーカーの競争力評価と実力ランキング

第7章 日本自動車メーカーのグローバル化と競争力評価


1 生産台数の長期推移と競争力評価のフレームワーク
  ●「裏の競争力」と収益力のアンバランス
  ●ものづくり組織能力とパフォーマンスのチェーン
2 それぞれの時代の特徴
  ●一九六〇年代は国内モータリゼーションの時代
  ●一九七〇年代は輸出競争力強化の時代
  ●一九八〇年代は日本自動車メーカーの黄金時代
  ●一九九〇年代は海外生産強化の時代
  ●二〇〇〇年代は日本自動車メーカーのグローバル製品・市場展開の時代
3 自動車メーカー利益の長期推移と「輸出採算レート」
  ●日本は国内販売は赤字、輸出は黒字の構図
  ●「輸出採算レート」を境に悪化する輸出利益
4 世界自動車メーカーの生産台数点検
  ●世界自動車メーカー生産ランキング
  ●規模は重要であるが、すべてではない
  ●プラットフォーム当たり生産台数が自動車生産効率を決める
5 アーキテクチャの両面戦略
  ●アーキテクチャの両面戦略とはなにか
  ●米国自動車メーカーの両面戦略
  ●日本自動車メーカーのRV開発戦略
6 柔構造の経営システム
  ●柔構造の経営システム──為替変動と生産変動への適応
  ●日本自動車メーカーの原価低減活動
  ●7章まとめと今後の課題

第8章 世界自動車メーカーの生産性競争力


1 日本は生産性で追いつかれたのか
  ●なぜ、生産性比較が重要なのか
  ●日本メーカーの生産性は米国より二倍よかった
  ●GMのトヨタ生産システムに対する評価
2 日・米・韓国企業の生産性分析(一九八五年〜一九九六年:グループ経営概念の導入)
  ●グループ経営概念を導入すると、サプライヤーシステムを取り込める
  ●トヨタ自動車グループをGMと現代自動車に近づける
  ●トヨタ自動車の内製率は三〇%に対し、GMは四三%程度 176
3 トヨタ、GM、現代の生産性を比較する(一九八五年〜一九九六年)
  ●トヨタ自動車の組立生産性はGMの二倍、現代自動車の一・三倍
  ●ドル建ての付加価値生産性では、トヨタ自動車の伸びが一番大きい
  ●組立生産性と付加価値生産性は結びつけられる
  ●一九八五年では付加価値生産性は同水準、組立生産性は二倍、原因は付加価値率と製品単価
  ●一九九六年でトヨタ自動車はGM北米に追いついた
  ●ドル建て製品単価変化率の要因分解
4 トヨタ、現代の生産性比較(二〇〇一年〜二〇〇五年:連結決算)
  ●現代自動車の総利益生産性はトヨタ自動車(連結)を上回るという驚くべき結果
  ●連結決算と単独決算
  ●近年の現代自動車の動向(品質向上と輸出増加)
  ●トヨタ自動車と現代自動車の生産性比較(二〇〇一年〜二〇〇五年)──組立生産性は逆転されていない
  ●付加価値(総利益生産性)は現代が逆転
  ●現代自動車の課題
5 生産性と国際競争力
  ●真の収益力体質とは長期間黒字を維持すること、その根源は生産性
  ●日米自動車摩擦が、日本自動車メーカーのグローバル戦略を変えた
  ●トヨタの円高対応とホンダの円高対応は違っていた
  ●日本自動車メーカーは他産業に比べて五年早く平成不況対策を実施した

第9章 世界自動車メーカーの実力ランキングと国際再編力


1 世界自動車メーカー生産のシェア
  ●米国企業の場合──二〇〇〇年以降にシェア急落
  ●欧州企業の場合──提携・合併組が負け?
  ●日本企業の場合──企業によって明暗
2 世界自動車メーカーの製品開発と研究開発
  ●日本自動車メーカーの製品開発の展開
  ●世界自動車メーカーの研究開発費
3 世界自動車メーカーの実力ランキング
  ●世界自動車メーカーランキング、トヨタ自動車:一位、本田技研工業:二位、日産自動車:三位
  ●二〇〇二年版ランキング表と二〇〇七年版ランキング表の評価変更点
  ●ホンダの実力ランキングは世界三位から二位へ
  ●スズキの実力ランキングは一〇位
  ●マツダの実力ランキングは二〇〇二年の最下位(一六位)から一二位へ上昇
  ●現代自動車の実力ランキングは九位。事業活動実績より実力評価を低く見た
4 世界自動車メーカーの国際再編マップ
  ●「戦略の米国メーカー」「ブランドの欧州メーカー」「オペレーションの日本メーカー」
  ●自動車メーカー国際再編マップの変化
5 日本自動車メーカーの戦略構築
  ●世界のリーダーへ向けての戦略構築(トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車)
  ●三菱自動車は自動車事業の「選択と集中」
  ●スズキはグローバルメーカーに向けた戦略と事業バランス最適化戦略
  ●マツダ、富士重工業、ダイハツ工業はアライアンス&ネットワーク戦略


第4部 日本自動車産業の将来と課題

第10章 日本自動車メーカーの将来と課題


1 「次世代エコカー」をめぐる国際競争の行方
  ●次世代エコカーの焦点市場はどこだ
  ●ハイブリッドカーの包囲網、トヨタ包囲網が広がる
2 二つの「焦点市場」における国際競争シナリオ
  ●米国の「次世代エコカー」の競争シナリオ──「クリーン・ディーゼルカー」の普及可能性
  ●アジア競争の行方──低価格のエントリーカーがつくれるのか
3 日本自動車メーカーの「実力」──今後の展望と成功条件
  ●日本ビッグ3は世界一の「実力」まで上りつめた
  ●欧州との競争──それは「次世代エコカー」競争とともに「グローバル戦略」の優劣争い
  ●速すぎるグローバル化と非効率の罠
  ●日本型グローバル経営の有効性と限界
4 最強であり続けるための課題
  ●グローバル化の急拡大により内部統制システムの整備が重要になる
  ●戦略とコーポレート・ガバナンスの同時強化で持続的な成長を確保しろ

第11章 日本自動車部品メーカーの将来と課題


1 自動車部品メーカーを取り巻く脅威
  ●地球環境ニーズへの対応
  ●グローバル化の進展と課題
  ●技術革新を先取りする
  ●モジュール革命の浸透
  ●「ティア1」メーカーの出現
2 自動車ニーズの変動と新たな系列再編の動き
  ●自動車市場を取り巻く環境変動
  ●カーエレクトロニクス市場の拡大
  ●日産自動車の系列解体と再編
  ●トヨタ自動車の系列再編
  ●本田技研工業の“系列強化”の動き
  ●欧米自動車部品企業の再編動向
3 次世代自動車をめぐる自動車部品事業の新展開──カーエレクトロニクスの再編事例
  ●カーエレクトロニクスの新動向と事業開発の動向
  ●日立製作所の自動車関連事業
  ●成長事業、オートモティブ事業への資源集中
  ●M&A、グループ経営の活用
4 自動車部品産業の未来と新しい産業組織の形成
  ●カーエレクトロニクス市場をめぐる三つの「戦略グループ」とネットワークの再構築
  ●「自動車メーカー主導型」の事業展開──次世代自動車の中核部品を死守
  ●「巨大サプライヤー(ティア1)」の攻勢──合併・統合および戦略提携の動き
  ●「総合電機メーカー」の攻勢──総合技術力、経営資源の集中が生きる
5 自動車部品メーカーが目指すべき企業像
  ●自動車メーカーの開発、生産のパートナー
  ●自動車メーカーに注目される「ニッチ」メーカー


参考文献

企業名索引

項目索引



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著者紹介

土屋勉男(つちや・やすお)
現在、明治大学政治経済学部客員教授。(株)三菱総合研究所顧問、NPO日本シンクタンク・アカデミー副理事長を兼務。
1972年東京工業大学大学院理工学研究科修了。同年三菱総合研究所に入社。同所で取締役本部長、常勤監査役、上席研究理事等を歴任。2007年4月より現職。専門領域:自動車戦略、ものづくり経営、コーポレート・ガバナンスなど。主な著書:単著『日本ものづくり優良企業の実力(新しいコーポレートガバナンスの論理)』(東洋経済新報社、2006年11月)、共著『アジア自動車産業の実力』(ダイヤモンド社、2006年1月)など。

大鹿隆(おおしか・たかし)
現在、東京大学21世紀COEものづくり経営研究センター特任教授。(株)三菱総合研究所客員研究員を兼務。1972年東京工業大学工学部卒業。同年住友電気工業株式会社に入社。1980年三菱総合研究所に入社。経営開発部長、北陸先端科学技術大学院大学客員教授などを歴任。2004年1月より現職。専門領域:経営戦略論、生産戦略論、自動車産業論。主な著書:共著『アジア自動車産業の実力』(ダイヤモンド社、2006年1月)、主な論文:「日本自動車産業の実力について」(日本造船学会誌、2001年3月)など。

井上隆一郎(いのうえ・りゅういちろう)
現在、青森公立大学経営経済学部、大学院教授。(株)三菱総合研究所客員研究員を兼務。
1979年東京大学経済学部経済学科卒業。1984年三菱総合研究所に入社。アジア市場研究部長、政策・経済研究センター長など、また法政大学大学院および大阪大学大学院客員教授を歴任。2006年4月より現職。専門領域:経営戦略論、生産戦略論、アジア産業論、自動車産業論。主な著書:共著『アジア自動車産業の実力』(ダイヤモンド社、2006年1月)、共著『産業再生と企業経営』(大阪大学出版会、2007年9月)など。


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