目次


人を動かす劉備 合理主義の曹操

三国志に学ぶ水煮経営論


[目次] [著者紹介]


表紙




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【序】「三国志」に秘められたマネジメントの知恵


第一部 現代ビジネスマンの偶像——知られざる曹操

第一章 マネジメントを決定づける文化

価値観と審美眼によって評価は変わる
マネジメントにおける羅針盤は文化である
なぜアメリカ式のマネジメントではダメなのか
それぞれの文化の中にそれぞれのマネジメントがある

第二章 曹操の英雄像を再考する

かつて曹操は腹黒い英雄だった
政治的背景が物語の人物評価を変える
伝統的価値観に逆行する近現代の中国式管理思想
真の「中国式マネジメント」は修身から始まる
「中国式マネジメント」は廃れゆく運命か

第三章 漁夫のマネジメント

成功するには「運気」が必要
力と権謀を尊ぶ「漁夫のマネジメント」
『三国志演義』は漁夫たちの物語
成功の方程式を狂わせる「運気」

第四章 曹操が生きた時代と現代のマネジメント環境

天災と政治的混乱が招いた乱世
皇帝をあやつり人形にすることで権力を掌握した薫卓
混乱の中で頭角を現す曹操

第五章 曹操の立身伝を検証する

道徳を学べなかった幼少時
不良少年だった青年期
出世の階段を上る功利主義者の実像

第六章 冷酷で孤独な覇者・曹操

すべての敵を葬らなければ訪れない安寧
道徳を通して本当の知恵を手に入れることの難しさ
「道徳の利用」に長けた曹操
「泡のごとく浮かんでは消える英雄たち」の悲歌

第七章 赤壁の大敗は誰のせいか

戦いを前に人生を憂える
心に抱える不安を詠い、不安に酔う
評価ではなく同情を求める「短歌行」
人生の選択をギャンブルに求める

小人から真の君子への転換——太公望呂尚が見つけたマネジメントの活路


第二部 対峙する二傑——曹操が競い、劉備が育てる

第八章 異なる二つのリーダー像

曹操自身が認めたライバル・劉備
歴史の表舞台に押し上げられた劉備
劉備と曹操の交情の真実
曹操の残忍さに震撼する劉備の心
リーダーシップを備えるための六つの方法
複雑な性格がリーダーシップを覆す
道徳教養の低い者がトップに立つ危うさ

第九章 劉備のリーダーシップの源泉

赤兎馬の二人の持ち主、呂布と関羽
赤兎馬に乗って関羽が示した忠誠
どうすれば忠誠心のある部下を得られるか
人材を道具として駆使する曹操
的盧馬と心を通わす劉備

第十章 マネジメント視点から見る赤壁の戦い

『三国志』で語られない曹操の大敗
赤壁の戦いの真実
リーダー曹操の難点とは
優れた人材の忠誠心につきまとう不安

第十一章 部下が忠誠を尽くすリーダーとは

諸葛亮はなぜ劉備を選んだか
劉備はなぜ部下に慕われるのか
人々が慕う劉備の人間性

第十二章 庭師のマネジメント

「人間本位」の本義
人が人として生長するプロセス
自立した人格を形成する「庭師のマネジメント」
人を愛する者は人に愛される
現代的マネジメントの陥穽


第三部 古くて新しいマネジメント・モデル

第十三章 現代的マネジメントを超えて

欲望は人間の本性なのか
すべての欲望は依存に帰結する
欲望を満たす「お碗」とは
欲望を基礎とする成果主義

第十四章 真の中国式マネジメント

目立った功績がないゆえに優れていた漢の文帝
曹操と劉備が志向した政治
無為のマネジメント
仁愛のマネジメント
漁夫と庭師のマネジメント
劉備最後の過ち
漢王室復興の本当の意味
中国の歴史における分と合
中国を統一できなかった始皇帝
漢朝によるマネジメントの転換
古くて新しいマネジメントが真の豊かさを生み出す


訳者あとがき



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著者

成君憶(チェ・ジュンイ)
中国の経営コンサルタント。アジア・パシフィック人力資源研究協会の創立に参加し、副秘書長を務めた。中国の古典や文学の手法でマネジメントの真髄を説くことで、経営管理分野の文学派と文化学派と見なされている。代表作には『水煮三国志』『水煮西遊記』(ともに邦訳は日本能率協会マネジメントセンター)、『愛情経済学』『風呂——危機時代の組織変革』(未訳)などがある。

訳者

深川千夏子(ふかがわ・ちかこ)
ビジネス、歴史ジャンルの雑誌、書籍の編集者。


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