目次


心に響く99の言葉

東洋の風韻


[目次] [著者紹介]


表紙




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はじめに


こころを育む


1 冥の照覧 みょうのしょうらん  見えないものを、見る
2 不楽本座 本座を楽しまず  今の状況を大切に
3 迷花言不帰 花に迷うて、ここに帰らず  自由闊達の幸せ
4 そねむ心は自分より 以外のものは傷つけぬ  人に振り回されるな
5 捨念清浄 しゃねんしょうじょう  捨ててしまえば
6 荷風送香気 荷風、香気を送る  蓮の香りのように
7 善悪の両者に汚されない  評価を求めない
8 本来美なるものはなく  美醜に固執しない
9 五根五力 ごこんごりき  自分を変化させる力
10 心外無法 しんげに法なし  心の中の垣根とは
11 錐尖の芥子 きりさきのけし  自己の心を観察する
12 至誠に悖るなかりしか しせいにもとるなかりしか  「ものを知る」とは何か
13 行けたらといつか思った  今日ここにいる理由
14 笑而不答 笑って答えず  説明は万能か
15 雨の日は雨を愛さう  そのままを受け止めよ
16 心ノ奥ハ イツトナク ケガルゝ  殊勝な心の裏側
17 心一境性 しんいっきょうしょう  心を散漫にさせない方法
18 秋冷窓紗を侵す しゅうれいそうしゃをおかす  品性を養うには
19 七世代先 しちせだいさき  過去の上に現在がある
20 心如工画師 心はたくみなる画師のごとし  色眼鏡で見ていないか
21 感情思想の洗練  個性の尊重はいいが
22 為法来 求牀座 法のために来るや、牀座を求むるや  密やかな心の動き
23 浄頗梨 じょうはり  自分はごまかせない
24 現行熏種子 げんぎょうくんしゅうじ  自己を形成するもの
25 還著於本人 かえってもとの人につく  毒は仕掛けた人に効く


生きる


26 堂々男子は死んでもよい  心に誇れるものがあれば
27 阿頼耶 あらや  過去を背負って生きる
28 無  有ることは憂きこと
29 廻り道  傷つき乱れた心を調える
30 天鼓自鳴 天のつづみは自ずから鳴る  自ずから行為しているか
31 慎ましく食べ、慎んで喋る  慎ましやかに生きたい
32 願自在 がんじざい  地道が成功をつくる
33 一点の素心 一点のそしん  心温かきことに出会う
34 握拳はない にぎりこぶしはない  真実一途な人が道を極める
35 慈眼 じげん  第三の眼で見る
36 行為による  人間のよしあしとは
37 迢々百尺楼 ちょうちょうたり百せきの楼  一段上がれば景色も変わる
38 動止 どうし  新しい情報もまた喧騒
39 遠くの遠くを  教養と社会性で豊かな人間に
40 一日清〓 いちにちせいかん  身の丈の生活を心掛ける
41 徳を養う  他人に目がいってしまう自分


人生よ


42 後の半截 のちのはんせつ  人生は後の半生で決まる
43 捨 しゃ  取り込むばかりが能じゃない
44 ひとまたぎの距離  人はたやすく変化する
45 掌の中の風 てのなかのかぜ  望めば切りがない
46 百年三万六千日  味わい深く生きるには
47 花は半開  しみじみ味わう
48 花発多風雨 花ひらけば風雨多し  明日はもう会えないとしたら
49 武火文火 つよびとろび  何事も火加減が大事
50 君看衣裏珠 君、えりの珠を看よ  隣の芝生は青いのか
51 長途一躓 ちょうといっち  小さな失敗にとらわれない
52 ひとりはいつも独り  たまには群れるのをやめる
53 霜葉紅 霜葉は紅なり  人生の晩秋も紅葉のごとく
54 退いて見る  見落としたことに契機あり
55 花還世上塵 花もまた世上の塵  比較することに意味があるか
56 紀路も伊勢路も遠からず  ただひたすらに歩めばいい
57 よどみに浮ぶうたかた  すべては変化の中にある


人と人


58 海の沈黙 地のざわめき 空の音楽  人の一面だけ見ていないか
59 千手千眼 せんじゅせんげん  人とどう交わればいいのか
60 不障増上 ふしょうぞうじょう  周囲の協力があって自分がある
61 少分一切 少分の一切  「すべて」と言いきれないもの
62 お静かに  人を送り出す時の言葉
63 随意坐 意にしたがってざす  心を通わせられる仲とは
64 不覚到君家 覚えず君が家に至る  ほんとうの友とは何か
65 音沙汰の途絶えて噂遠花火  人の縁とは微妙なもの
66 山はひつそり  毀誉褒貶に惑わされない
67 ことばのおほき  お喋りもほどほどがよい
68 三輪清浄 さんりんしょうじょう  物のやりとりは心のやりとり
69 老若男女  社会を構成するもの
70 依法不依人 法によりて人によらず  私たちは危ない存在なのだ
71 名香一裹 めいこういっか  一筆認めることで届くもの
72 合掌  相手をたがいに認め合う
73 平等の態度  つねに同じ心持ちで臨む


いのちの根源


74 天覆地載 天は覆い地は載せる  大いなる自然の中に生きる
75 あるがまま雑草として芽をふく  ただただあるがままに
76 携手撫風光 手をたずさえて風光をぶす  自然の中の人間として
77 大和 大いなる和  ともに多様性を尊重する
78 森は海の恋人  すべてはつながっている
79 衆生 しゅじょう  いのちあるものすべて
80 生死 しょうじ  生と死は対立しない
81 八百万の神 やおろずのかみ  それぞれに価値がある
82 自然に仕える  人は自然の一員にすぎない
83 仏も吾もなかりけり  ボーダーレスの世界
84 山川不与人倶老 さんせん、人とともに老いず  悠々たる天地の間で
85 目にはさやかに見えねども  自然に寄り添う感覚
86 魂は暗がりに宿る  芯のしんからの潤いを
87 旅の途中  すべてはみな、旅の途中
88 自然は自己のひろがり  自然と人間は別物ではない


静寂・沈黙・空間


89 みちおほち  無限空間の中の自分
90 しんじつ一人として雨を観るひとり  自己と真正面から向き合う
91 大きな真実は大きな沈黙をもっている  言葉を超えた世界への誘い
92 満窓涼気分与君 満窓の凉気、君に分与せん  私たちは、持ち過ぎである
93 心遠地自偏 心遠ければ、地、自ずから偏なり  町なかでも町はずれ
94 山静似太古 山静かにして太古に似たり  喧騒の後に静寂を
95 除夜ノ鐘ノ音 幾ツヲ聞ヒテ  静かに一年を閉じる
96 天地衾枕 天地はきんちんなり  天と地との間に在る
97 沈黙によって魂を洗う  喧騒と饒舌の時代こそ
98 涼風が立つ  成熟した言葉遣いによる広がり
99 はたもだせるか  沈黙の意味とは何か



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著者

多川俊映(たがわ・しゅんえい)
一九四七年奈良市に生まれる。六九年立命館大学卒業。八九年興福寺貫首に就任。現在、世界遺産の境内の史跡整備を進め、江戸時代に焼失した中金堂の再建を目指している。
著者は『はじめての唯識』『貞慶「愚迷発心集」を読む』(ともに春秋社)、 『いのちと仏教』(日本経済新聞出版社)、『阿修羅を究める』(共著、小学館)など多数。


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