目次


凡才の集団は孤高の天才に勝る

「グループ・ジーニアス」が生み出すものすごいアイデア


[目次] [著者紹介]


表紙




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はじめに

すごいアイデアを思いつくのは「天才」の特権なのか
組織の垣根を超えたネットワークがイノベーションを生む
すごいアイデアに天才はいらない


第1部 凡才を天才に変えるチームの力

第1章 コラボレーションの力は天才を超える!

──創造性を発揮するチームの特徴を明らかにする

なぜライト兄弟は空を飛ぶことができたのか
誰がマウンテンバイクを考え出したのか
「孤高の天才」という神話は本当?
ものすごいアイデアはチームにこそ宿る
即興劇団「ジャズ・フレディ」の驚異の世界
ブラックボックスの内側で
創造性を発揮するチームの七つの特徴
劣化しないギター弦はどのようにして生まれたのか

第2章 緊急対応がすごい結果を生むのはなぜなのか?

──緻密な計画と即興的な活動との最適のバランスを探る

軍隊を超えたボランティア
ハリケーンの被災者を救った即席チーム
台本思考に気をつけろ!
なぜ誰もスーパーカブの成功を予想できなかったのか
なぜ舵の利かない軍艦を操ることができたのか
即興性と計画性との最適のバランスを探る
子供は即興作業が大好き
とっさのアイデアが計画されたプロジェクトを超える
指揮者のいないオーケストラ?
予想外のイノベーションに非効率がつきものなのはなぜ?
ジャズの即興性を組織に取り入れる

第3章 チームに生まれる一体感の正体をつきとめる

──チームがフロー状態に入る環境を作り出す

なぜ人はバスケットボールに熱狂するのか
フロー体験の証言者たち
なぜフロー状態では創造性が高まるのか
グループ・フローを生み出す一〇の条件
史上最高の脚本家チーム
なぜ優秀な人材は「独立」したがるのか

第4章 集団思考の罠に気をつけろ!

──ブレインストーミングの功罪を検証する

アイデアを出し尽くせ!──ブレインストーミングの誕生
なぜ最高の人材を集めてもばかげたアイデアしか出てこないのか
アイデアは評価されてこそ輝く
ブレインストーミングのどこが問題だったのか
集団思考という罠
チームが生み出す創造性は足し算できない
チームの強み──問題が複雑になるほど力を発揮する
なぜ多様性を持つグループは天才的な働きをするのか
チームへの報奨はどう配分すればいいのか
グループ・フローを生み出すための追加ルール
「結局のところ、すごいアイデアは『孤高の天才』に舞い降りるのでは?」


第2部 ものすごいアイデアが閃くメカニズムを解明する

第5章 閃きにまつわる誤解を解く

──なぜ「アイデアは突然舞い降りる」と信じてしまうのか?

作家は本当に孤独な職業なのか
「全世界初のATM」というアイデアが閃いた瞬間
ATMは本当に独りの発明なのか
閃きが起こる五つの基本プロセス
コラボレーションに救われたハッブル宇宙望遠鏡
閃きは突然やってくる?──ゲシュタルト心理学の知見より
枠組を外すだけで閃きは訪れるのか
創造性獲得のための真の条件とは
「突然の閃き」という逸話のウソを見破る
閃きへのヒントは、与えられても自覚できない
閃きの瞬間には何が起こっているのか
なぜ問題から距離を置いたときに閃くのか

第6章 ものすごいアイデアを支える無数の閃き

──閃きが発展するプロセスを明らかにする

モールスに訪れた「閃きの瞬間」
モールス信号誕生を支えた無数の閃き
コラボレーションがアイデアの連鎖を引き起こす
『種の起源』の起源
進化論を生んだコラボレーションの長い連鎖
モールスとダーウィンの「大失敗」
失敗は次の閃きの火付け役
ヒストリオメトリー──創造性研究の成果
創造力の核となる四つの頭脳プロセス
概念転移──類推がもたらす創造力
概念結合──無関係なものを結びつける
概念結合を起こす四つの戦略
概念精緻化──見慣れたものを、見知らぬものへ
概念創造──日常的に発揮される創造力
視覚的イメージがもつ驚異の創造力
問題「解決」より問題「発見」
コラボレーションの大いなる可能性

第7章 おしゃべりとアイデアの素敵な関係

──会話が閃きの発展に与える影響を探る

会話はイノベーションの揺りかご
「馬の尻の穴」──会話が類推を推し進める
会話で膨らむ創造性
ピカソとモネ──コラボレーションが芸術を深める
会話でアイデアは連鎖する
即興性を持つ会話は解決策をもたらす
何気ない会話が作り出した医療ロボット
グループ・フロー状態での会話で進化するアイデア
たった一言で状況を打開する
文脈依存性と創造性の相関関係
豊富な解釈可能性
多義性がイノベーションの母体となる
再び、即興劇に学ぶ──多義性がイノベーションに昇華する


第3部 凡才のネットワークが天才を凌駕する

第8章 組織の壁をぶち壊せ!

──即興的イノベーションを組織で実現する方法を探る

なぜ「計画しない組織」が存在できるのか
イノベーション・ラボ──組織横断的なチーム
イノベーション・ラボの快進撃
なぜ組織を超えたチームづくりが必要なのか
コラボレーションを促進する組織への一〇の秘訣

第9章 コラボレーション・ウェブを形成せよ!

──アイデアをつなぐネットワークの可能性を明らかにする

モノポリーが辿った数奇な運命
モノポリー誕生にまつわるホラ話が魅力的なわけ
「テレビ誕生」についてのよくある伝説
物語の真相──テレビ誕生にいたる閃きのリレー
クラスター──特定の地域が育むコラボレーション・ウェブ
IBMとソニーはなぜ負けたのか
ライト兄弟の末路──ウェブは独占できるのか
コラボレーション・ウェブの五つの特徴
eメールの誕生──トムリンソンの小さな工夫
結局「誰」がeメールの考案者なのか
ウェブでの結びつきを最適化する
リナックス──開放的なウェブがイノベーションを起こす
オープンソースモデルを理想的なウェブに転換するために

第10章 顧客を巻き込んで発想せよ!

──ユーザーの閃きを取り込む仕組みを作る

誰が「グーグル・アース」をマッシュアップしているのか
顧客をウェブに巻き込む
ユーザーの手直しを歓迎せよ
「ティッシュ」はユーザーが生んだ!?
レゴブロックは顧客とのウェブで進化する
ウェブを支えるインターネットの進化
顧客とのウェブがイノベーションを起こす!
コアユーザーが巻き起こす怒涛のイノベーション
フリスビー──気まぐれからスタートしたコラボレーション
若者文化──コラボレーション・ウェブの宝庫
アイデアマーケットでウェブの成長を加速せよ

第11章 コラボレーション経済圏を創出するために

──誰もが創造力を発揮するために制度上の障害を検討する

晩年のエジソン──ウェブの形成は阻害できない!
変革すべき制度上の側面七つ
誰もが創造力を解放できる世界へ


謝辞──この本もまた、コラボレーションによって生まれた

訳者あとがき

注記

索引



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著者紹介

キース・ソーヤー(Keith Sawyer)
ワシントン大学(セントルイス)の心理学・教育学部教授。マサチューセッツ工科大学でコンピューター科学を専攻し、卒業。その後、コンピューターゲームの設計、経営コンサルタントを経て、1990年、シカゴ大学で再び学究生活に。フロー概念で著名な心理学者、チクセントミハイ教授に師事し、1994年心理学の博士号を取得。創造性およびイノベーションの科学分析を専門とし、特にジャズグループおよび即興劇団を通じた創造性研究で知られている。『Explaining Creativity(創造性を解明する)』をはじめ、著書・論文多数。



[訳者]

金子宣子(かねこ よしこ)
津田塾大学卒。東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)、日本IBM勤務を経て翻訳家。訳書に『ソロス』(ダイヤモンド社)、『3つの原理』(同)、『ザ・フィフティーズ』(新潮社)、『ヨーロッパ合衆国の正体』(同)などがある。


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