目次


入門 サステイナビリティ学

循環経済と調和社会へ向けて


[目次] [著者紹介]


表紙




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序 文


第1部 気候変動の緩和策と適応策

第1章 ポスト京都議定書の国際的枠組み──佐和隆光

1 安倍イニシアティブの衝撃
2 石油はノーブルユーズに特化
3 アメリカの京都議定書離脱の意味するところ
4 気候変動対策を巡る二つの立場
5 ロシアの批准と議定書の発効(2005年2月)
6 EUの提案とその意味
7 中国、インドの参加のインセンティブ
8 キャップ・アンド・トレード
9 3種の気候変動対策
10 日本が自由主義国家なら経済的措置の優先を
11 環境税の経済影響
12 環境税の二酸化炭素削減効果への疑念を払拭する
13 努力する者が報われる社会を
14 CSRとSRI
15 結び:21世紀は環境の世紀

第2章 気候変動の影響と温暖化対策の主流化──三村信男

1 はじめに
2 IPCC第4次報告書の示す温暖化の影響
3 二つの温暖化対策
4 適応策の考え方
 4-1 適応策とはどういうものか
 4-2 適応力を左右する要因
 4-3 適応策をめぐる課題
5 温暖化対策の主流化

第3章 企業行動から見た温室効果ガス削減対策と持続可能な社会──一方井誠治

1 温暖化の進行と変わり始めた欧州の環境経済戦略
  IPCC第4次報告
  イギリスの「スターン報告」
  欧州排出量取引制度
  変わり始めた欧州の環境経済戦略
2 日本の温室効果ガスの削減状況
  温室効果ガスの排出量トレンド
  京都議定書目標の達成手段
3 日本企業の温室効果ガス削減対策の状況
  京都大学先端政策分析研究センターによる調査
  調査結果
4 日本企業の温室効果ガス削減の動機と費用
  京都大学先端政策分析研究センターの調査
  削減動機
  削減費用
5 京都議定書目標達成の日本の見通し
6 環境と経済が統合された持続可能な社会への道
  社会がめざすべき四つの方向
  社会を変える三つのポイント
  気候変動対策についての二つの考え方


第2部 低炭素社会構築のための技術戦略

第4章 低炭素社会における都市──花木啓祐

1 気候変動の見通し
2 大幅な温室効果ガスの削減の必要性
3 中国の二酸化炭素排出
4 低炭素社会の必要性
5 低炭素社会の実現に向けたわが国の都市の戦略
6 低炭素社会における二酸化炭素削減見通し
7 低炭素社会の実現に向けて

第5章 中国国内・国外の太陽光発電の現状──昌金銘

1 はじめに
2 再生可能エネルギー発展の時代到来
3 世界の太陽光発電産業の新たな進展および応用特徴
4 中国の太陽光発電産業発展の現状
5 太陽光発電産業の発展を妨げる五つの要素

第6章 中国の二酸化炭素回収状況の現状──方夢祥、晏水平、仲偉龍、駱仲泱、岑可法

1 温室効果は中国に対しての潜在的脅威
  温室効果の潜在的脅威
  中国のCO2排出の現状
  中国のCO2排出抑制に関する考え
2 中国のCO2回収技術の紹介
  燃焼後の燃焼ガスからのCO2回収技術
  酸素富化燃焼技術
  燃焼前CO2回収技術
3 CO2回収後の利用状況
4 中国のCO2回収技術に存在する問題

第7章 持続可能な発展とGIS──柴山守

1 はじめに
2 GISと『アジェンダ21』
3 グローバルな環境変化へのGIScienceの挑戦
4 GISから地域情報学への展開


第3部 広域循環経済への指針

第8章 循環型社会の構築:日本の経験とアジア循環への視点──中国の循環経済との比較を通して──盛岡通

1 日本の循環型社会形成の試み
  適正処理から循環形成へ
  ダイオキシン対策は燃やすことへの転換を迫った
  大量廃棄から発したマテリアルフローへの関心
  ゴミゼロ社会をめざした3Rイニシアティブはゴミの発生回避に成功したか
2 日本の経験から学び取れること:アジアの循環型社会形成のために
  技術開発の方向
  分別回収に対応する排出側の丁寧な行動から始まる上流側施策
  上流側への展開は政府部門の大局的判断がカギ
  資源循環のための技術開発
  地圏の自然再生
3 産業政策としての資源循環
  資源循環政策は製品、プロセス、組織運営からなる
  プロセス管理は製品出荷当たりの環境負荷を下げることとして展開
  顧客に対して提供する環境品質の概念は拡大して経営の主流に
4 アジア循環型社会を構築するうえで重要な中国の取り組み
  中国の「循環経済」と「調和社会」をつくる試み
  中国から循環型社会の構築を進めるうえでの課題

第9章 循環経済の理論およびその政策意義の研究──生態経済学の視点から──諸大建

1 循環経済は物資の循環によってさらに価値ある経済を創造する
  詳説
  誤りの弁別
  政策意義
2 自然資本はすでに経済成長と福祉の発展を制約する制限要因
  詳説
  誤りの弁別
  政策意義
3「リデュース、リユース、リサイクル」 が循環経済の運営原則
  詳説
  誤りの弁別
  政策意義
4 政府・企業・個人の行為に根本的変化を求める循環経済の発展
  詳説
  誤りの弁別
  政策意義
5 経済成長の物資規模は自然の受容可能な範囲内に安定すべき
  詳説
  誤りの弁別
  政策意義
6 資源の生産性を高め低い自然資本のコストで高い人造資本サービスを得る
  詳説
  誤りの弁別
  政策意義
7 物資規模が制限されるなか社会福祉を最大化するには、物資の高保有者から低保有者への転換が必要
  詳説
  誤りの弁別
  政策意義
8 各発展段階または発展水準ごとに物資減量化戦略が必要である
  詳説
  誤りの弁別
  政策意義
9 循環経済は資源節約型および環境友好型の科学技術革新の発展を求める
  詳説
  誤りの弁別
  政策意義
10 循環経済は市場を基礎としたシステムの体制革新を求める
  詳説
  誤りの弁別
  政策意義

第10章 中国の都市生活ゴミ焼却処理の現状および発展──李暁東

1 中国における都市生活ゴミの基本的現状
2 中国における都市生活ゴミ処理の発展過程
3 中国における都市生活ゴミ焼却処理の現状分析
  焼却処理技術発展のための政策環境
  中国における都市生活ゴミ焼却処理の現状
4 中国における都市生活ゴミ焼却処理業の発展

第11章 循環経済と再生可能エネルギー技術──駱仲泱

1 序:21世紀の生態システム
2 循環経済
3 循環経済へのエネルギーの反映:再生可能エネルギーの利用
4 バイオマス・エネルギーの総合利用
  バイオマスからの液体燃料精製
  バイオマス発電
  バイオマスガス化技術
5 太陽エネルギーの総合利用
  太陽光・熱ハイブリッドシステム
  ナノ流体窓型太陽集熱器
  チャンバー型太陽集熱技術
6 総括


執筆者略歴



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監修者紹介

佐和隆光(さわ・たかみつ)
1942年生まれ。立命館大学大学院政策科学研究科教授、京都大学経済研究所特任教授。経済学博士。65年東京大学経済学部卒業。スタンフォード大学研究員、イリノイ大学客員教授、京都大学経済研究所所長等を経て現職。専攻は計量経済学、統計学、環境経済学。
著書に『経済学とは何だろうか』『地球温暖化を防ぐ』(以上、岩波書店)、『資本主義は何処へ行く』(NTT出版)、『この国の未来へ』(ちくま新書)等が、訳書に『第三の道』『悪意なき欺瞞』(ダイヤモンド社)等がある。

編者紹介

京都サステイナビリティ・イニシアティブ(KSI)
21世紀の最重要課題である「持続可能性」について考究する科学、すなわち「サステイナビリティ学」の構築を目指して、2006年4月に発足した京都大学における教育研究組織である。サステイナビリティ学がすぐれて学際的であることに鑑み、KSIは、1研究科(地球環境学堂)、7研究所(経済研究所、人文科学研究所、東南アジア研究所、化学研究所、エネルギー理工学研究所、生存圏研究所、防災研究所)に籍を置く、地球環境の保全に関わる精鋭の研究者の集合体である。本書に収められた浙江大学での国際シンポジウムの開催をはじめ、学際的かつ国際的な教育研究活動を密度濃く繰り広げている。

立命館サステイナビリティ学研究センター(RCS)
サステイナビリティ学の教育研究の推進を目指し、学部横断的な組織構成、文理融合的な教育研究、持続可能な社会の構築に資する理論的かつ実証的研究の推進を担うべく、2007年1月に開設された。「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」のパチャウリ議長、ポツダム気候インパクト研究所のフュッセル研究員を特別招聘教授として迎え、2007年12月には、日中印三国の専門家会議を京都にて開催し、「低炭素社会シナリオ2050:日中印の役割」と題する共同声明に漕ぎ着けた。その他、国際的な研究ネットワークの構築に基づく国際協同研究に積極的に取り組んでいる。


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