第1章　早すぎることはない「死」の準備──家族の話し合いと信頼から始まる

失われ行く、死者と出会いの場面
死のプロセスが簡略化されるほんとうの理由
お葬式は誰のためにするのか
お墓選びは死後の住まい選びか
寺檀関係を結ぶということ
先祖の願いに耳を傾ける
納得のできる死に方とは


第2章　寺ビジネスの全貌──1.1兆円市場の厳しい現実

形骸化する檀家制度
“コア顧客”の檀家は高齢化、過疎化で縮小
一等地の不動産で副業収益上げる都会の寺
かつての寺の機能が外部に代替される

[コラム] 檀家三〇〇軒が採算ライン──税制面の優遇は盛りだくさん

お坊さんはつらいよ──生活支える読経アルバイト
住職の世襲制が定着し、意欲のある参入者を排除

[インタビュー] 「僧侶を究めれば葛藤も」女性住職が見た寺の世界

[コラム] 主要宗派を揃い踏みさせた若手僧侶の仏教への思い

改革寺の挑戦──没落寺ばかりではない！　経営盤石な“元気印”を一挙紹介
開かれた寺標榜し二〇年で檀信徒五倍　角田山妙光寺──新潟県
悩み持つ人々が集うスピリチュアルケア　千光寺──岐阜県
老人ホームを建設し交流の場を創造　法泉寺──福岡県
周囲の反対押し切り温泉掘って活性化　福智院──和歌山県

緩む宗派のタガ──愛想尽かした末寺が“反乱”、疲弊するフランチャイズ制度
ブランド力の低下で“上納金”にも不満
信者減少、末寺離脱で「本末崩壊」の足音

[コラム] 団塊世代が自分探しに訪れる兵庫・龍門寺の禅道場の神髄


第3章　葬儀ビジネスの全貌──不満の正体、価格の不透明さに迫る

三割、四割引は当たり前！──熾烈な価格破壊の舞台裏
業界最大手ですら「市場シェア一％」
既存業者を脅かす外資の「明朗会計」
結婚式の専門家が葬儀ビジネス参入
「食うか、食われるか」吹き荒れるＭ＆Ａの嵐

[コラム] 大戦中の大合同で誕生した霊柩車輸送のガリバー企業

[コラム] 都内で6火葬場を経営する東証1部上場企業の子会社

葬儀価格の「傾向と対策」──市川 愛（葬儀相談員）
一二万円で販売される原価五〇〇〇円の棺桶
キックバック横行でふくれ上がる葬儀料金

墓地も火葬場も足りない！──首都圏で急増する「墓難民」


第4章　墓ビジネスの全貌──儲けのからくり

霊園開発のからくり──宗教法人も名義貸しで協力、石材店の粗利はなんと四割!?
小さな石材店ほど儲けは大きい
住民の反対運動でうまみが減る霊園開発

消費者を手玉に取る石材店の墓石販売の手口
霊園開発費用を上乗せし同じ石でも価格に差


第5章　損をしない死に方と見送り方──ノウハウとチェックポイント

旅立ちへの準備──危篤状態からでは手遅れ、今から始めたい九つの備え

[コラム] 急増する成年後見制度の利用、「任意」は本人が支援内容を決定

宗教を選ぶ──自分にあった神仏を選ぶ

葬儀──東京近郊の平均で三〇五万円、葬儀社を選べばさらにお安く
言葉巧みに高額葬儀を押し付ける大手
細かい項目まで見積もる葬儀社は良心的

お布施──金額と読経の長さは比例するのか

お寺の探し方──死後もつきあう大切なパートナー選び
お寺を見れば、住職がわかる

[コラム] 戒名の秘密──多くの日本人は実は出家している

お墓──タバコ型からゴルフ型まで変貌を遂げる本当の“終の棲家”
墓にかかる総費用は二三区で三一〇万円

[コラム] 骨から作るダイヤモンドも登場、静かなブームの手元供養

正しい墓の選び方──どこにどんな墓をつくるのか今だからこそじっくり考えよう
安くても供給量や遺骨など条件厳しい　公営霊園
選択肢は幅広い。ポイントは絞り込み　民営霊園
交通至便がメリット。金銭面では高めに　寺院墓地

[コラム] 永代供養の「永代」はどれくらいか

最大のカギは信頼できる石材店探し　墓石の選び方
「家」にこだわらず後に憂いを残さない　永代供養墓
墓不足背景に増加。ネットで進化著しい　納骨堂
樹木葬から散骨、宇宙葬まで種類豊富　自然葬
住職の理解が不可欠。費用も覚悟がいる　改葬の方法
いろいろなお墓がある　その他

[コラム] バチ当たりか、人助けか──拡大する墓参り代行ビジネス

法事のつとめ方──悲しい場であり、喜ばしい場でもある


おわりに　人生最大のイベントを意義あるものにするために
今すぐにでもできる「死」の準備
人生最初で最後、最大の楽しみ