目次


こころを動かすマーケティング

コカ・コーラのブランド価値はこうしてつくられる


[目次] [著者紹介]


表紙




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はじめに


序章 予想もしなかった日本コカ・コーラへの入社


取締役上級副社長として出社した日、いきなりの課題
もう出来上がっている会社に、入っても意味はない
変革のリーダーになる、日本人のトップを入れよ
一〇〇万台の自動販売機と二万人のスタッフが商品を売ってくれる
この若い上司は、果たして本気なのか


第1章 コカ・コーラのマーケティングシステム


瓶詰め=ボトリングと販売は別の会社が行うというシステム
日本を代表する企業が、コカ・コーラのボトラー社に
一二〇年以上変わらない商品が、なぜ今も売れ続けるのか
難しい日本のマーケットで、いかにシェアを大きくするか
ボトラー社とのよい緊張関係があるからこそ


第2章 原点は人に喜んでもらうこと


アメリカという国への興味をかき立てた同志社創設者、新島襄
マーケティングを標榜していた会社
床に座り込み、這いつくばる。まずはそんな営業の仕事から
営業の仕事をマーケティング発想で変えていく
垣間見たアメリカという国、アメリカ人の生活
念願のプロダクトマネージャーに
金融機関への転身。そして、外資系メーカーとの出会い


第3章 顧客は見えているか


二四時間、いつでもどこでも、顧客のことを考えよ
「商品さえよければ」「営業力さえあれば」売れるという発想の危険
一週間後に決まっていたCM撮影。しかし、許可はできない
だから飲料の業界を知らない人は困るんだ、というお叱りの声
感動したCMをつくった演出家に、いきなり仕事を頼む
ターゲットとなる男性の心に届くものは、果たして何か
行き着いた画期的な広告プランを襲った悲劇
六〇〇人のボトラー社幹部に、いかに自分の気持ちを伝えるか
四四〇〇万通という記録的な応募があった懸賞プレゼント


第4章 現場に足を運んでいるか


モノが売れていく現場にこそ、マーケットの本質はある
何をやるか、だけではなく、何をやらないか、も戦略
誰に一番飲んでほしいのか、でネーミングに入れた一文字
調査データは三日分。以降、調査は行わなかった
絶対、妥協はしない。締め切り間際までこだわったモデル選び
生産が間に合わない、うれしい悲鳴。そして、週二〇〇本のヒット記録


第5章 飛び抜けた商品を提供できているか


似たような商品で勝負しようとしていないか
「平均点」のマーケティングは失敗する
マーケティングとは、「明日」のために行うもの
素早く一位を獲得したらその地位は簡単には変わらない
成功体験が失敗を招く


第6章 最後までやり抜いているか


キャリアの中で、あれこそ最大の危機だったという経験
会社が売却され、それまでの約束が白紙に戻る
これからはアトランタ本社で日本の広告をチェックする、という方針変更
人間関係だけで仕事をしているのか。挑発に燃えた営業
ビジネスプロセスの起点は「お客さま」であるべき
「Qoo(クー)」のきっかけは、営業からの声だった
よくぞここまで変わってくれた。経営トップの感激


第7章 人の心を動かしているか


コカ・コーラのシステム全体の「構造改革」に取り組む
社長代理的なポジションとともに、マーケティングに戻る
再び大きくシェアを落としたジョージアに挑む
たかが缶コーヒー、されど缶コーヒー
小手先、表面的なクリエイティブを避けるために
広告やマーケティングは「費用」ではなく「投資」
もう一度だけチャンスが欲しい、と言った広告代理店


第8章 関係者を巻き込んでいるか


どうしてこの商品をつくりたいのか、常にまわりに語れるか
壁に直面したとき、マーケターの真価が問われる
いよいよコカ・コーラブランドのマーケティングを
広告だけでは売れない。統合マーケティングの強さ


第9章 常識にチャレンジできるか


無難にやり過ごす発想から、新しい価値は生まれない
社長就任パーティで行った、プレゼンテーション
機能の統合という世界の先端モデルへ
社員へのサプライズにこだわった「こころざし読本」
新商品の提案は、A4の紙一枚、説明は三分で
日本で約二五〇万台のうち、約一〇〇万台を有する
おサイフケータイとのコラボレーション
人に、環境にやさしい自動販売機をつくるという取り組み


終章 マーケティングとは経営そのものである


成功している企業というのは、実は現場が強い
NTTドコモのブランド改革のお手伝いをする
日本企業には、まだまだできることがある
変化に対応するとは、ニーズに応えることではない
マーケティングに絶対の原理はない


おわりに



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著者紹介

魚谷 雅彦(うおたに・まさひこ)
日本コカ・コーラ株式会社会長。1954年、奈良県生まれ。同志社大学卒業後、ライオン入社。83年、コロンビア大学でMBAを取得。89年にヨーロッパの食品メーカーに転じるが後に買収され、クラフト・ジャパンに転籍。91年、同社代表取締役副社長。94年、日本コカ・コーラに入社、取締役上級副社長に就任。「ジョージア 男のやすらぎキャンペーン」をはじめ、「爽健美茶」「紅茶花伝」などの発売など手がける。2001年、日本人としては26年ぶりとなる代表取締役社長に就任。06年より現職。07年より、株式会社ブランドヴィジョンを設立し、NTTドコモの特別顧問を兼務。ドコモブランドの強化をサポートしている。

URL=http://www.brandvision.co.jp


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