目次


「自分ごと」だと人は動く

情報がスルーされる時代のマーケティング


[目次] [著者紹介]


表紙




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はじめに——コミュニケーションのカギが変わる


第1章 細分化する社会


1 「幸せの標準」が崩壊している
 すでに「家族像」は変わっている
 「とりあえずビール」が消えていく

2 大衆→分衆→網衆

3 細分化する「その都度」社会
 コミュニティは出入り自由なもの
 テレビはいまや「20秒」の世界?

4 「マスメディア>生活者」だった20世紀のメディア環境
 そもそもメディアは、人の身体的限界を超えた“ツール”
 インターネットはお茶の間をスルーする

5 メディア環境、3つの変化
 情報量の増大
 いつでも、どこでも情報が手に入る
 誰もが情報の編集者

6 情報取扱者としての生活者

7 「生活者主導社会」が誕生
 情報が選ばれる時代
 もはや「消費者」は役割にすぎない
 生活者との関係は、toからwithへ
 企業と生活者は対等に近づいていく

コラム 生活者と生活者発想


第2章 タグ化する個人 人間とは「タグ」の集合である


1 そのプロフィールは自分のすべてか?
 自己紹介がキーワードの集合である時代
 他人からスルーされないために?

2 一貫性のない「ワタシ」という存在
 人はタグの集合
 レッテルからタグへ
 オタワの格闘家ですが、何か?

3 10年後のコミュニケーションを予想すると?
 女子高生K美さんの一日
 「今時の若いモン」は10年後の日本の鏡

4 タグ同士をひもづける情報行動「シェア」
 友だちは3段階に分かれる
 人がつながる「情報のシェア」という技
 「縁」の可能性が無限に広がる

5 シェアする技その1:「おく」
 消極的なシェアもあり
 相手に負担をかけない提案の方法

6 シェアする技その2:「コラボする」
 情報をシェアすると、コラボが実現する
 「シェア」がみんなの知恵を集める
 ブランドは誰のもの?
 「コラボする」はモニター制度とは違う

7 生活者主導社会で始まる新しい「個人観」
 生活者は「標的」ですか?
 人は場面で変わるもの

コラム マーケティングは戦争?


第3章 99%の情報はスルーされる!?


1 「届く」と「受け取る」
 誰もが情報をストックできるようになった
 「届ける」だけでは完結しない

2 受け取らない技、「スルー」
 スルーとは、いまの時代を生き抜く技

3 スルーする技その1:「気づかない」
 街のティッシュ配りに気づかない?
 人は無意識にスルーするもの

4 スルーする技その2:「見切る」

5 スルーする技その3:「放っておく」

6 情報はストックされ、スルーされる

コラム 広告は「関係価値」を創る


第4章 コミュニケーションは「自分ごと」で成功する


1 「自分ごと」を定義する

2 「自分ごと」になれば、情報はスルーされない
 「自分ごと」が辞書にない理由
 大量に情報を送っても受け取ってもらえない

3 「自分ごと」になれば、情報は「シェア」される
 「自分ごと」と「他人ごと」の差
 「広告は信じない」という生活者

4 ブランド価値を「with C」の視点で捉え直す
 ブランドが主語?
 形容詞から動詞へ

5 「自分ごと」への第一歩は「突っ込みどころ満載」
 あなたは、どちらの若者が気になるか
 誰も違和感がないと……
 「突っ込み」とは参加である

6 突っ込みを共感へ高める「エンゲージメント・テーマ」
 共感とは自分の思いではなく、みんなの思い
 共感がつながるのが、エンゲージメント・テーマ

7 「エンゲージメント・テーマ」は「インサイト」から見つかる
 なぜ、あの街頭演説が気になるか
 思いが強ければ伝わる、はウソ!?

8 「エンゲージメント・テーマ」を体験する「装置」をつくる
 「おいしい」「おいしくない」を聞いたブランド
 生活者の思いとつながる仕掛けが「装置」
 マスメディアも装置のひとつ

9 「自分ごと」を生み出すことで、広告は進化する
 連呼する時代は終わった
 いかに多くの人に参加してもらえるか

コラム 凸と凹


第5章 「自分ごと」は社会を動かす


1 あなたは「自分ごと」の伝道師
 「自分ごと」はマーケティングだけではない
 「自分ごと」のプロセス

2 ケーススタディ#1 シブヤ大学:街が「自分ごと」になる
 大学ではない「大学」
 生徒は街に来る人、先生も街の人

3 デコンストラクション#1 シブヤ大学のケース

4 ケーススタディ#2 コーセー:本社移転を「自分ごと」にする
 会社の引っ越しに、社員を参加させる
 「なんでワタシが……」。メンバーは公募でなく指名
 個人スペースが減った以上の価値

5 デコンストラクション#2 コーセー:新オフィスのケース

6 ケーススタディ#3 ライオン:「自分ごと」で子どもたちの行動習慣をつくる!

7 デコンストラクション#3 ライオン:キレイキレイのケース

コラム エンゲージメント・リング(略称:ER)


第6章 社会の主導権は誰が握るのか?


1 それでも、人は誰かとつながりたい
 他人に無関心になったか?

2 テーマは24時間、365日
 キャンペーンは企業の都合、生活者に関係ない
 キャンペーンよりコミュニティづくり

3 生活者が参加・選択する「余地」を残せるか?
 ブランドは生き物。使う人と一緒に変わるもの

4 対応、運用の総合力こそがマーケティング力である
 生活者の声を聞くのは、面倒なことか
 生活者との共演力も、企業の力

5 生活者も企業も、もっとソーシャルになっていく?
 企業は生活者をコントロールできない
 生活者との対話から、企業同士の創発も生まれる


おわりに——この本は、あなたに換骨奪胎されるためにあります

参考文献



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執筆者紹介

川名 周(かわな・あまね)
博報堂エンゲージメントビジネス局長代理/博報堂DYグループER推進事務局リーダー。
1985年博報堂入社。以来20年間、マーケティングセクションにおいて、さまざまな業種の広告主に向けた新商品開発、広告戦略立案、ブランド戦略構築等に関わる。2006年i-事業推進室を経て、2009年より現職。あわせて2007年より、博報堂DYグループ エンゲージメント・リングTM推進事務局リーダーを務める。日本マーケティング協会マーケティングマイスター、日本創造学会員、駿河台大学メディア情報学部非常勤講師。

藤井 久(ふじい・ひさし)
博報堂クリエイティブセンター エグゼクティブクリエイティブディレクター。
1985年博報堂入社。CMプランナーから、1999年クリエイティブディレクター。飲料、クルマ、通信、ゲーム、精密機械、銀行、輸送、食品、化粧品、保険、トイレタリー、新聞社、電気機器など、ありとあらゆる業種の広告キャンペーンを担当。カンヌ、ACCをはじめ、数多くの広告賞を受賞。2008年より現職。

波多野昌樹(はたの・まさき)
博報堂第二MD計画管理室長。
1985年博報堂入社。以来20数年間、マーケティングセクションで広告主に向けた多様な業務に関わる。90年代半ばからは、非マスメディアを使ったマーケティングコミュニケーションの開発業務や実験に数多く従事。2006年エンゲージメントデザイン部を立ち上げ、次世代コミュニケーションモデル「エンゲージメント・リングTM」の開発に参画。2009年から現職。

山下史郎(やました・しろう)
博報堂DYメディアパートナーズ メディア・コンテンツソリューション局MCマーケティング部長。
1981年博報堂入社。マーケティング・プランナーとして商品開発、ブランド開発、コミュニケーション戦略などを担当。1996年から研究開発職としてブランディング、CRM、インタラクティブ領域等でのナレッジ開発・ビジネス開発に関わる。2006年から博報堂DYメディアパートナーズにおいて、クロスメディア効果測定手法開発など新領域のナレッジ開発、i-ビジネスセンター・クロスメディアビジネスセンターメンバーとして、デジタルメディア関連のコミュニケーション開発に関わる。2009年から現職。日本説得交渉学会員。

田中双葉(たなか・ふたば)
博報堂DYホールディングス イノベーション創発センター マネジメントプラニングディレクター。
1989年博報堂入社。10年間の営業職の後、1999年に研究開発局へ。2001年、生活者とメディア環境の変化をふまえた新しいコミュニケーション手法「ライブマーケティング」を開発、関連グローバルリサーチおよびプランニング業務に従事するとともに、数多くの講演・執筆を行う。2009年より新設された現部門にて博報堂DYグループのイノベーション推進に取り組む。著書に『ライブマーケティング〜「見せる」広告から「まきこむ」広告へ』(東洋経済新報社、2003年)。

久地楽雅也(くじら・まさや)
博報堂エンゲージメントビジネス局 チーフエバンジェリスト/シニアストラテジックプラニングディレクター。
1987年博報堂入社。以来、マーケティング、コミュニケーション、ブランディングの多種多様、異種異様なプラニング業務に携わる。2006年i-事業推進室を経て、現職。エンゲージメント・リングTMのワークスタイルとプラニング手法を、社内外へ啓発する活動を進めている。

森下茂雄(もりした・しげお)
大広クロス・コミュニケーション局 第2コミュニケーション・デザイングループ ディレクター。
1998年大広入社。マーケティングセクションにて8年半、さまざまな広告主の商品開発や戦略提案などブランドサポートに関わる。2007年1月より現職。ワンストップ型プランニングおよび制作全般のディレクションを担う。2006年より兼務として大広独自コミュニケーションプランニングメソッド開発およびレクチャー、WOM関連ツール研究開発などにも従事。

浜田茂(はまだ・しげる)
読売広告社 ストラテジックプランニング局 局長代理。
広告会社のマーケティング部門を経て、1997年読売広告社入社。前職を含めて約20年にわたり、さまざまな業種のコミュニケーション戦略の立案やブランド開発等に携わる。2006年から博報堂DYグループ内の次世代型コミュニケーション開発プロジェクトに参加。

編集協力

加藤昌治(かとう・まさはる)
博報堂DYホールディングス

リサーチ・原稿協力

HDYエンゲージメント研究会
佐藤卓哉(大広 クロス・コミュニケーション局)
梅田 亮(大広 クロス・コミュニケーション局/ビジネス・ナレッジ局)
富永正久(読売広告社 クリエイティブ局)
小幡朋州(博報堂DYホールディングス 経営企画局)

取材協力

博報堂 原田曜平・板井麻美子・末広英之・岡 弘子・久持夕子

著者紹介

博報堂DYグループ エンゲージメント研究会
博報堂DYホールディングス、博報堂、大広、読売広告社、博報堂DYメディアパートナーズの5社からの選抜メンバーにより構成される企業グループ内プロジェクト。メンバーは経営企画、研究開発、営業、制作、ストラテジー、プロモーション、インタラクティブ、メディアプラニング、コンテンツ開発などさまざまな職種から構成されている。2007年に博報堂DYグループの次世代型コミュニケーションモデル「エンゲージメント・リングTM」を社内外に発表。「エンゲージメント」概念を博報堂DYグループとして発展させるべく、そのモデル化、プラニングWAY確立、ツール開発、ビジネスメニュー開発、ワークショップ、ファシリテーション、グループ内研修等に取り組んでいる。
http:// engagement-ring.jp/


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