目次


交渉人 勝海舟

対話と圧力、駆け引きの名手


[目次] [著者紹介]


表紙




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はじめに


第1章 難局での肚の据え方


知恵には尽きるときがある
慰め合っていたのでは同じ失敗を繰り返す
大胆かつ無用意に打ちかかっていけ
逆境でも最高に元気で生き抜く
時間と空間を超えて“海”のほうから見てみよう
海からは異次元のものが飛び込んでくる
海舟、『海防意見書』を提出
泣いたら父がたたっ切る
実力を蓄えて好機に自分を売り込め


第2章 逆風を順風に変える法


手加減をするのはかえって失礼
扱いにくいが役に立つ部下、海舟
だれからも一目置かれる語学力
「ロシアのコワレ船をワシが叩きこわす!」
幕府は勅許を得ないまま条約に調印
安政の大獄の暴風が荒れ狂う
強がってみせたが、実は恐怖の航海だった
太平洋横断で腕試しをさせてくれ
どんなことにも反対する連中がいるものだ
部下をなだめている自分が一番腹を立てている
悪戦苦闘、ついにサンフランシスコに入港
アメリカだからといってとくに変わったことはない
ひとつ上から見れば遠くまで見える


第3章 “外圧”をはね返す交渉術


ロシア軍水兵が対馬へ不法上陸
日本を開港させて乗っ取りを企む?
凜然(りんぜん)と使命に生きた皇女和宮
海舟、異例の昇進を果たす
幕府の海防計画実現には五百年かかる
枠組みだけでは実務はできない
坂本龍馬の殺気を一喝
陸路に変更された将軍の上洛
宿願、海軍操練所開設を将軍に認めさせる
外国艦隊の砲撃に防衛線は壊滅
キレもの同士が出会ったとき


第4章 「正論」には落とし穴がある


「おれのような大不忠・大不義のものが必要だ」
みんなで話し合うという虚構
物事にのみこまれるな、こっちがのみこめ
外国艦隊の下関砲撃をくいとめる
大きな時代変革には犠牲が必要か
慶喜が陣頭指揮に立った蛤御門の変
初対面で西郷隆盛を感服させる
「十年に十一度クビになったわい」


第5章 交渉は“毒”がなければ成功しない


坂本龍馬による薩長同盟周旋
薩摩は昂然と出兵を拒否
やはり海舟でなくてはできない
“毒”を自在に使いこなす
慶喜を罵倒した海舟の真意
形勢が悪くても卑屈にならない
成算のない交渉はどう進めればいいか
言い訳をするのはおれの流儀ではない
外国がそんなに日本に親切にするものか
一方的な契約解除に小手先細工は通用しない
海舟流対外折衝術の要諦
虚々実々、だが最後に相手を動かすのは誠意しかない


第6章 機先を制する交渉術


龍馬、「船中八策」を練り上げる
手を放すだけでは責任は免れない
龍馬暗殺の首謀者はだれか?
奏功した早暁のクーデター
機先を制した第二次肩すかし作戦
「反乱軍」を鎮圧できると考えていた慶喜
不覚、ついに薩摩の挑発に乗る
慶喜はなぜ海舟を起用しなかったのか?
柔軟な態勢には死に物狂いの強さがない
薩長軍が敗れたときは、天皇を中国地方へお遷しする
錦旗の効果は大きく、裏切りが続出


第7章 交渉相手との間合いをはかる


あせる者に大事業はできない
覚悟を示した静寛院宮の嘆願書
相手に気合いのあるときは、すらりと身をかわせ
脱走兵の銃撃を辛くも免れる
緩急自在の説得力で多数意見を誘導せよ
軍艦で敵を撃破することはたやすいが
言葉では「哀訴」だが、実は脅迫
交渉には余力を残して当たれ
豪胆、山岡鉄舟の登場
絶対に突破できない壁を突き抜ける秘策
ずいっと通れば相手がひるむ
最後の成否は天に任せる


第8章 つねに最悪の事態を想定する


勝・西郷会見で磁力が通じた
官軍の行動は「万国公法」に背くものだ
殺気をものともしない冷静な交渉術
「おれが暗殺されたらこれを読んでくれ」
大きい仕事は雷のようにやれ
圧倒的な強敵を味方につける術
慶喜を外国へ亡命させる密約
意識の低い相手とは付き合わないほうがいい
慶喜は海舟の活躍に不満だった?
騒動は空腹のときに起こりやすい


第9章 海舟流・処世の秘訣


榎本艦隊脱走は馴れ合いか
慶喜を江戸へ呼び戻そう
彰義隊無残、上野戦争十時間の攻防
敵からも味方からも疑われる
理解者からの激励が勇気を生む
「それは勝の独り芝居ではないか」
子分のないほうがいいのだ
真面目と本気を忘れてはいないか
三十年の歳月を経て慶喜、皇室に招かれる
処世の秘訣は「誠」の一字


参考文献

あとがき



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著者

鈴村 進(すずむら・すすむ)
作家。1930年生まれ。名古屋大学法学部卒業。会社役員を経て、「自己を鍛え職責を果たす」をテーマに執筆、講演活動を展開。主著に『上杉鷹山「奇跡」の経営』『しがみつかない─「徒然草」のススメ』『中村天風「勝ちぐせ」のセオリー』『人間通─毛利元就』(以上、三笠書房)、『山岡鉄舟に学ぶ人間の器』『石田梅岩─人生の足場をどこにすえるか』(以上、大和出版)など多数。


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