目次


道路は、だれのものか

交通革新モデル〔駐車デポジットシステム〕のインパクト


[目次] [著者紹介]


表紙




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まえがき


プロローグ 〔クルマと人と都市〕の関係を問い直す。


第1章 街をクルマから取りもどす


渋滞による経済損失は、年間一一兆円
「名古屋型」を標準とする日本の都市の姿
エコカー・パラドックス
温室効果ガス排出量の一〇%はマイカーから……
世帯当たりCO2排出量、東北農村部は東京の二倍!
過度な“クルマ依存”からの脱却
需要側から交通をマネジメントする、ということ
都心発着の移動をまずターゲットに
乗りたくなってしまう公共交通にしていく
交通エコポイントは環境貢献の「見える化」
建設費は地下鉄の一〇分の一
乗客にも歩行者にもやさしい公共交通の主役
乗って楽しく快適な「次世代式バス」
都市の重要な“装置”としての公共交通
世界で進むカーシェアリングとサイクルシェアリング
アメとムチの政策をパッケージングする


第2章 「道路は無料(タダ)」ではすまない時代


道路はクルマだけのものではない
便利な自動車が「時間」の価値を奪うという皮肉
ロードプライシングで無駄な外部不経済を解消する
なぜロードプライシングは拡がらないのか
問われる行政のリーダーシップ
混雑したエリアに課金し、社会的に最適な交通量をめざす
八都市で大規模な社会実験を行なったEU
魅力的な都市のあり方を追求するシンガポール
ロードプライシング発祥の地、ロンドンの挑戦
半分以上がクルマから公共交通へ転換
道路整備の財源確保を目標としたオスロ
四五%の市民の反対を乗り越えたストックホルム
合意形成と十分な準備がないと必ず失敗する
わが国初の取り組み──鎌倉市の教訓
環境改善をめざした巨大都市・東京の試み
腰を据え、市民との対話を繰り返す
欠かせない、課金収入の使途の明確化
法的規制の問題をどうクリアするか


第3章 世界が注目する日本発の交通革新モデル


地域経済活動に貢献する自動車は減らさない
都心ににぎわいをもたらし経済効果を高める
デポジットと交通を結びつけるアイデア
課金・返金の仕組みはどうなっているのか
地域を活性化する地域通貨としての役割
ロードプライシングに比べて高い賛成率
商業者からも多くの賛成が得られる
駐車デポジットシステムの社会的公平性
いろいろな課金額に応じた行動変化を探る
公平性、効率性、受容性の三つの観点から評価する
五〇〇円課金、三〇〇円返金が最もバランスがよい
日本初の社会実験で得られた成果
都心部来訪者は二六%増加
変化していく将来の街の姿をイメージさせる
どういう街にしたいのかというポリシーが重要
社会インフラとしての駐車デポジットシステム


第4章 ITパワーが切り拓く交通システム革新


クルマはITのかたまり
三種類の実現方式について可能性を検討する
駐車デポジットシステムを本格的にどう運用するのか
課金処理は納得を得られるタイミングが必要
課金には車両認識装置の全車装着が理想
安全性確保や危険防止を目的とした全車装着
コストを引き下げるマシン間通信への期待
全車捕捉は衛星測位+マシン間通信がベスト
クラウド・コンピューティングが実現する一括処理
「一〇〇%に達しなくてもよい」という割り切り方
駐車デポジットシステムの発展形態
安全で快適、環境によい移動を実現するITS
車両情報の大いなる活用
グリーンITSによるCO2排出量削減
ITS/TDMパッケージによる交通施策
ITSを活用した交通まちづくり


第5章 クルマと人が共存するグリーンシティをつくる


「道路は無料(タダ)」時代の終わりの始まり
社会的費用は原因者が負担
所有税から利用税への変更で先行するオランダ
道路行政から総合交通行政への転換
中心のない街から“顔”のある魅力ある街へ
交通静穏化は都市居住環境向上の鍵
自動車に頼らなくても生活できる都市
低密度拡散型都市からコンパクトシティへ
公共交通利用のバリアーを緩和するP&R(パーク・アンド・ライド)
P&R駐車場が整備しにくい日本の事情
みんなが得をする駅前大規模店舗活用型P&R
P&R型まちづくりによるコンパクトシティ
スマート・コミュニティとEV・PHVタウン
交通まちづくりによるグリーンシティの創造


エピローグ 交通グリーンシティ革命

刊行によせて



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著者

森川高行(もりかわ・たかゆき)
名古屋大学大学院環境学研究科教授。京都大学工学部交通土木工学科卒業。マサチューセッツ工科大学(MIT)博士。京都大学助手、名古屋大学助教授、MIT客員准教授を経て現職。専門は、交通計画、消費者行動論、ITS。主な著書に、「交通行動の分析とモデリング」(共編著、技報堂出版)、「道路投資の便益評価_理論と実践」(分担執筆、東洋経済新報社)など。競争的研究資金を得て、交通政策、ITS、次世代自動車などに関する数多くの研究プロジェクトのリーダーを務める。


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