目次


猪瀬直樹[戦う講座](2) 持続可能なニッポンへ


[目次] [著者紹介]


表紙




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まえがき

第1章 地方が元気な国づくり

  ◎——討論の前に
  国と地方の関係
  ゲスト——北川正恭・逢坂誠二・渡辺幸子・上山信一・小林慶一郎

市バスの運転手や清掃職員の年収が一千万円以上!?
シャープに九十億円の補助金を出した三重県
過疎の町からレジャー産業で巻き返してきたニセコ町
「市民が主役のまち」を提唱した多摩市は人口が増えてきた
中央集権の弊害から脱却し、自立性のある地方分権へ
大阪市の行財政改革は内部告発からはじまった
歳出一覧を冊子にして全戸配布
市民が自ら補助事業を選択できる公募型補助金を導入
情報公開により、既得権益団体への補助金をカット
組織の肥大化と統治機構の弱さから改革が進まなかった
税収の多い自治体にも地方交付税は必要か
民営化しなくてもマネジメント力で財政再建できる
三位一体改革による税源移譲で、地方の権限が大幅拡大
地方債の発行は許可制から協議制に変わる
ナショナル・ミニマムをどう構築するか
地方分権のポイントは自己決定と自己責任

  ◎——猪瀬直樹のニュース・チェック!
  徹底した情報公開が地方を再生させる

第2章 農業は今後の有望産業

  ◎——討論の前に
  日本の食を支えてきた農業政策
  ゲスト——石破 茂・安住 淳・武内 智・南部靖之・阿部正人

民間企業が農業に参入してきた
外食チェーンのワタミが農場経営
人材派遣会社パソナはビルの地下に田畑をつくった
岩手県の丸正建設はリンドウ栽培に乗り出した
農業を取り巻く現状
政策面からの改革をなすべきときだ
規制の壁を乗り越えるだけのメリットがある
農業高校、工業高校が減り、仕事探しに戸惑う若者
農業は生産の時代から経営の時代へ
日本産のナシやリンゴがアジアで高値
株式会社が農地を持つには、農地法の改正が必須
定期借地権式のリースを認めた法改正
新しい農業のビジネスモデルをつくる

  ◎——猪瀬直樹のニュース・チェック!
  団塊の世代が地方を耕す

第3章 ニート問題─日本の若者に夢はあるか!?

  ◎——討論の前に
  ニート・フリーター対策──武部勤自民党幹事長が語る
  ゲスト——渡邉美樹・南部靖之・小杉礼子

いま、新卒予定者の四割が就職活動をしていない
人生のゴールは、いい大学に入ること?
就職氷河期にぶちあたった団塊ジュニア世代
人に迷惑をかけなければ何をしてもいいのか
働くこと、社会参加の意義をどうやって教えていくか
ニート、フリーターになるプロセス
若者が未来に夢を持てる社会的な基盤づくり
子どもに寛容になり過ぎた団塊世代の父親
「価値ある人となれ」に込められたメッセージ

  ◎——猪瀬直樹のニュース・チェック!
  元祖フリーターは健在

第4章 耐震偽装問題の実状に迫る!

  ◎——討論の前に
  建築基準法と建築確認制度
  ゲスト——和田 章・米田雅子・吉岡達也・清水克利・内田 誠

「震度5強の地震で倒壊の恐れあり」に衝撃が走った
姉歯元建築士が耐震偽装にいたった業界内の力関係
木村建設の東京進出の背景には、公共事業の減少があった
構造設計士が受け取る設計料は非常に安い
建築確認の民間開放は適正な方法で実行されなかった
建築確認だけでなく施工検査も形骸化していた
国によるマンション住人の救済処置は不充分
建替費用の大部分は自己負担、苦しい決断に悩む住民
行政が思い切った救済処置を打ち出せない理由は?
ディベロッパーの格付け制度など情報公開を
構造設計のプロによるピアチェックが再発を防ぐ
超高層建造物については、特別な審査制度が機能している
住宅性能表示制度によって構造性能などを評価
住宅性能表示と保証保険のセットで、万が一に対応

  ◎——猪瀬直樹のニュース・チェック!
  耐震強度偽装事件とJR福知山線脱線事故

第5章 政策金融と特別会計

  ◎——討論の前に
  政府系金融機関の役割
  ゲスト——太田誠一・馬淵澄夫・小林慶一郎・高瀬淳一

郵政民営化と政策金融機関、特別会計の改革はワンセット
民業を圧迫する政策金融の機能は民間に移行すべき
貸付残高二十五兆円の公営企業金融公庫は廃止の方向
日本政策投資銀行と国際協力銀行は統合・縮小の方向
民間の地域金融機関は中小・零細の金融の担い手になれるか
小泉総理は政府系金融機関を「ひとつにする」と明言
先送りになっていた政策金融の改革は動き出すのか
特別会計は「母屋でおかゆ、離れですき焼き」の構造
事業収益、税収でうるおう特別会計の実態
特定財源の一般財源化をどう実現するのか
二〇〇七年以降、六千億円の道路特定財源はどこへ行く?
あまった特定財源は国民に戻すべきか
暫定税率の転用に国民の理解が得られるか
消費税を年金の財源にする目的税導入はあるか

  ◎——猪瀬直樹のニュース・チェック!
  社会主義金融九十兆円の放漫経営

第6章 財政再建と政治課題

  ◎——討論の前に
  国の借金事情
  ゲスト——中川秀直

財政再建の抵抗勢力は野党ではなく霞が関
政策金融機関をどう再編成していくか
民業補完を大前提に政策金融機関をひとつにする方向
低層の公務員宿舎を高層ビルにして高収益を生む
政府資産の六割は有効利用、圧縮の対象になり得る
小さな政府への改革によって新たな成長をめざす
経済政策の一環としての日銀の量的緩和

  ◎——猪瀬直樹のニュース・チェック!
  刑務所も民間に任せればよい

第7章 赤字大国ニッポンの財政再建

  ◎——討論の前に
  日本の財政状況
  ゲスト——柴山昌彦・木原誠二・浅尾慶一郎・小林慶一郎

政策金融機関の機能を官でしかできないものに集約
役割を終えた長銀、日債銀、興銀
政策金融機関の貸付残高九十兆円は三年で半分になる?
特別会計から高級ハイブリッド車を三百十七台も買った
イギリスやイタリアのようなPFIで資産運用
国有財産を一括管理すればリスクを分散できる
金融資産の活用に複雑な問題が絡んでいる
外為特会の出資金で財務省の役人が海外留学!
国有資産を証券化して、高い利回りで売り出す
増税ぶんのお土産なくして消費税アップは通らない
地方交付税の仕送りがあるから地方公務員の給料は高い

  ◎——猪瀬直樹のニュース・チェック!
  風景でも見える無駄遣い

第8章 検証!道路公団民営化

  ◎——討論の前に
  日本の高速道路延長の歴史
  ゲスト——尾立源幸・大宅映子・ロバート・フェルドマン・小林慶一郎

道路公団民営化のほんとうのスタートは四月一日
民営化推進委員会「そして誰もいなくなった」の真犯人は?
小泉構造改革のテストケースをつくった
ファミリー企業にどう手を突っ込むか
民営化会社が財務諸表を出すようになった
努力次第で四十五年より早く借金を返済できる
道路公団民営化「骨抜き」報道のウソ
第二名神は「着工しない」
地元負担四分の一によって道路建設にブレーキ
道路特定財源の一般財源化は可能なのか
天下りと談合の深い関係
天下りの問題を解決する公務員制度改革
「逆マネーロンダリング」で道路建設の資金を得ていた
最後に残った消費者代表二人が、民営化を勝ち取った
民営化後も継続的な情報公開が求められる
高コスト体質を根本から見直して利益を生み出す
これから改革の花を咲かせるために必要なこと

  ◎——猪瀬直樹のニュース・チェック!
  日本橋に青空を取り戻すための費用対効果なき一兆円

あとがき

用語索引



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編著者

猪瀬直樹(いのせ・なおき)

作家。1946年、長野県生まれ。
87年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で96年度文藝春秋読者賞受賞。以降、特殊法人等の廃止・民営化に取り組み、2002年6月、小泉首相より道路関係四公団民営化推進委員会委員に任命される。その戦いを描いた『道路の権力』(文春文庫)に続き『道路の決着』(小学館)が06年4月に刊行されたばかり。
2000年9月より政府税制調査会委員、01年4月より東京大学客員教授、06年1月から地方分権21世紀ビジョン懇談会のメンバーとして活躍中。著作集『日本の近代』(全12巻 小学館)はじめ『ペルソナ三島由紀夫伝』(文藝春秋)、『こころの王国』(文藝春秋)、『ピカレスク 太宰治伝』(小学館)、『ゼロ成長の富国論』(文藝春秋)、『猪瀬直樹[戦う講座]㈰この国のゆくえ』など著書多数。

●猪瀬直樹のサイト http://www.inose.gr.jp
●猪瀬直樹編集のメールマガジン「日本国の研究・不安との訣別/再生のカルテ」 
 http://www.inose.gr.jp/mailmaga/index.html 


朝日ニュースターの人気番組「猪瀬直樹 月刊ニュースの深層」を単行本化!
●朝日ニュースターとは
朝日ニュースターは朝日新聞社やテレビ朝日など、朝日グループのニュースチャンネル。
通信衛星(CS)を利用して24時間放送しており、全国各地のケーブルテレビ局やスカイパーフェクTV!、スカイパーフェクTV!110などを通じて有料視聴することができる。約409万世帯(2006年4月現在)が視聴可能で、さらに視聴可能世帯が増え続けている。
主な番組はニュース、ニュース解説、討論、ドキュメンタリー、情報番組などで、およそ7割を自社制作している。番組には国会議員や内外のジャーナリストなど多くのスペシャリストが出演し、無駄な演出を省いたストレートな討論が好評を得ている。
 http://www.asahi-newstar.com
●「猪瀬直樹 月刊ニュースの深層」とは
2005年4月から放映を開始した。猪瀬直樹をキャスターに迎え、異なる意見を持つ複数の論客を招き、多角的な視点から徹底的に討論。2006年4月からは「月刊ニュースの深層 ラストニュース」に改題して、さらに深くテーマを掘り下げて放映している。

放映時間
06年4月〜「       ラストニュース」
初回放送 第4土曜 夜10時05分—11時00分
再放送  第4土曜 深夜3時05分—4時00分
     翌日曜  午後6時05分—7時00分
     翌月曜  午後2時10分—3時05分
     翌々木曜 午後2時10分—3時05分


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