目次


「満足社会」をデザインする第3のモノサシ

「持続可能な日本」へのシナリオ


[目次] [著者紹介]


表紙




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はじめに

第1章 「持続可能性」というモノサシ

地球の扶養能力と人間活動を“均衡”させる

持続可能な均衡状態・定常状態の世界とは?
“小日本主義”を見直す

豊かな文化を生む“定常状態の世界”

環境負荷が低く、人間の喜びや幸福・満足につながる人間活動

“ジャパニーズ・クール”と呼ばれる日本文化のカッコよさ

世界に広がる日本のコンテンツ
オタク文化が日本を救う?!
キャラクターは大衆にとって「ブランド」と等価
コンテンツの市場規模は総広告費の2.5倍

高付加価値を生む日本の第2次産業

世界に冠たる日本のモノづくりの哲理

高まる農への関心

食料自給率向上のために
社会的交流としてのグリーン・ツーリズム
農山漁村の文化のイベント化
都市人が農村に畑をもつ
田舎暮らし人気

生活価値観の核は“健康と環境”

LOHAS(ロハス)型ライフスタイルへのシフト
米国のLOHASの担い手「生活創造者」
“健康”と“環境”はワンセット

米国を上回る日本のLOHAS層

エゴとエコが両立するLOHASへ——環境マーケティングの潮流

第2章 「動脈系」社会から「静脈系」社会へ


右肩下がり時代はもう始まっている
動脈系から静脈系へ

動脈系の「ウインドウズ」を追い上げる静脈系の「リナックス」

独占より共有
「お金だけの道を選べば将来自分は後悔する」——ストールマン
世界で最も成功した無償ソフト「リナックス」
リナックス開発者、トーバルズの静脈系的な生き方

日本が生んだ世界的オープンソースソフトウェア「トロン」

ウインドウズ、リナックスよりはるかに広いトロンの応用分野
ICタグを動かすOSとして無限に広がるトロンの活用分野
必要な文科系と理科系のイマジネーションの相互乗り入れ

静脈系のお金「地域通貨」を使ったボランタリー経済へのシフト

“お世話さま”“お互いさま”の関係を生む「地域通貨」
負の利子を生むお金で貨幣の回転を早くし地域を活性化
総務省の「ITを活用した地域通貨の導入・普及」計画
中小企業を地域通貨のネットワークで支えるスイスの「ヴィア銀行」

ピラミッド型からネットワーク型へ

進化を迫られる日本的経営
動脈系の行きすぎが起こす不祥事の続発
「日本的経営」は静脈系モノサシとして有効か
個の自己実現型社会への転換

第3章 「豊かさ」の質を問いなおす“第3のモノサシ”HSM

GDPの開発とGDP批判

GDP値と幸福や満足との乖離
GDPの開発者であり、批判者でもあったクズネッツ
GDP成長主義への危惧
70年代に登場した指標「MEW」「NNW」とその限界
国連の「環境・経済統合勘定(SEEA)」とその日本版の発行

本格的にGDPを改良した指標 ISEW/GPI

環境と福祉・厚生をGDPと統合
真の進歩指標「GPI」
「SEEA」、「NNW」、「ISEW」、「GPI」と「GDP」との比較
日本の「GPI」の計測結果
閾値仮説とは?
滋賀県が計測した日本の都道府県別 GPI
都道府県別GPIの見方
地域別GPI計測値を正しく活用するために

持続可能な「人間満足度尺度」(HSM)の開発

日本発、「HSM」(Human Satisfaction Measure)というモノサシ
HSM尺度づくりステップ(1)
HSM尺度づくりステップ(2)
HSM尺度づくりステップ(3)—6分野のカテゴリーの選定
6カテゴリーの選択理由と、データ選定

HSM値計測結果

(1)HSM Ver.1の算定結果
(2)HSM Ver.2へ
◎HSM Ver.2-(1)、環境カテゴリー『1人当たり「CO2排出量」』バージョン

CO2排出量の限界

「エコロジカル・フットプリント」の利点

HSM Ver.2-(2)、環境カテゴリー『エコロジカル・フットプリント』バージョン

HSM(人間満足度尺度)とHDI(人間開発指数)の持続可能性指標としての特徴の比較

共通点と相違点
HSMとHDIの回帰分析による計量的比較
HSMとHDIとの比較の結論

第4章 “スウェーデン”というモノサシ


公平・公正・平等・機会均等国家としての高いパフォーマンス
スウェーデンのトリプル・ボトムラインを日本と比較する
18歳から選挙権・被選挙権をもつ高いデモクラシー

経済的側面

「経済」(動脈系)にはペシミズム論も
先進的な経済ポリシーやシステム

社会的側面

「高福祉社会」の雛型としてのハッピーリタイアメントの例
スウェーデン企業連盟(SN)やホワイトカラーの労働組合(SACO)の主張
「ニート」は生産年齢人口の12.2%も
スウェーデンの新年金制度にもリスクが—
若者の高い「デモクラシー社会への満足度」
国際紛争を想定し民主主義のメカニズムで解決するディベート教育

環境的側面

日本の20年先を行く環境政策と国民の意識の高さ
500万人のコミュニティ活動家を活性化する
全土に22カ所ある市民が生んだ「エコビレッジ」
進む「再生可能エネルギー」へのエネルギーシフト
ヴェクショー市の「脱・化石燃料宣言」
バイオマスコジェネレーションプラントの先進性
企業の環境担当者のネットワーク「スウェーデン環境マネジャーズ協会」
スウェーデン環境技術ネットワーク
日本も自治体単位でスウェーデン方式の導入は可能

独立独歩国家のゆくえ

ゆらぐスウェーデンの非同盟中立主義
ジレンマを止揚するスウェーデンは日本の“灯台”

第5章 持続可能な日本 サステナブル・ジャパンの構築


日本のサステナビリティが危ない

経済的側面

国民の心配事の第一は日本の財政破綻
企業全体の意識改革でモラールと業績は向上
市場の変革の担い手はボトム“若者と女性”
もっとディベートを——民主主義のメカニズムで解決する

社会的側面

NPOの財政基盤の強化
育児中の男女に時短を
先進国1高い幼児死亡率の解消
若者の希望を失わせている中途半端な成果主義
オタク文化は若者の憤懣のはけ口
20歳から被選挙権を

環境的側面

人間の生命線、食料とエネルギーのほとんどを輸入している日本
化石エネルギーから再生可能エネルギーへの「エネルギーシフト」
京都議定書議決国としての責任

索引



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著者

大橋照枝(おおはし・てるえ)
1963年、京都大学文学部哲学科社会学専攻卒業。(株)大広マーケティングディレクター、國學院大學栃木短期大學助教授を経て、現在、麗澤大学国際経済学部教授。2001年、博士(学術)。
主著:『パーソナル消費時代のマーケティング戦略情報システム』(TBSブリタニカ、1991年)、『未婚化の社会学』(NHKブックス、1993年)、『デジタル時代のパーソナル・マーケティング』(NTT出版、1996年)、『静脈系社会の設計 — 21世紀の新パラダイム』(有斐閣、2000年)、『環境マーケティング大全 — エコ・エコノミーの実践のために』(麗澤大学出版会、2002年)、『心はつかめる!「幸福の法則」マーケティング』(宝島社新書、2003年)。


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