目次

マネー

なぜ人はおカネに魅入られるのか
原書名 Mysterium Gelt—Emotionale Bedeutung und Wirkungsweise eines Tabus


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表紙




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はじめに

第㈵部 人間心理とマネー
 第㈵部のポイント

第一章 欠乏の恐怖
 集団心理学の概念
  元型/影/陰陽とユング心理学/影は敵ではない
 人間心理のモデル図

第二章  始めに偉大なる母性ありき
 グレートマザー
 グレートマザーの元型と最初のマネーシステム
  お金の定義/牛——史上初の運転資本/どこにでもある宝貝/
  その他の「原始的」なお金/初期のコイン
 グレートマザーの抑圧
  インド‐ヨーロッパ語族の侵略/メソポタミア文明/ギリシャ文明/
  ユダヤ教/キリスト教/プロテスタント/男の英雄的行為と女の抑圧/
  例外——グレートマザー信仰が残った土地
 グレートマザー元型の抑圧とマネー

第三章 陰と陽の結びつき
 ジェンダーと陰陽のエネルギー
 元型的人間と物質的世界
神秘の数字
 元型的人間の影
  共鳴し合う影と影/共通項としての恐怖/結論/モデル図を検証する


第㈼部 深層心理でマネーシステムを探検する
 第㈼部のポイント

第四章 お金の狂気——魔術師のいたずら
 バブルの崩壊現象
 当局の反応
 エコノミストの反応
  エコノミック・マン/否認/経済病理説
元型へのアプローチ
  神話の意味/アポロとディオニソスの兄弟
アポロとディオニソスの神話と現代社会

第五章 中世ヨーロッパのマネーシステム
マネーと切り離せない関係
  中世ヨーロッパのデマレージ/エジプトのデマレージ/それで?
黒聖母が残したもの
  現在の私たちにとってなぜ黒聖母が重要なのか?/秘義と公義/
  なぜ黒聖母は黒いのか?/エジプトにつながるもの
中世ヨーロッパの経済効果
  ヨーロッパの最初のルネサンス/デマレージ、それは見えない原動力か?/
  経済拡張/庶民による庶民のためのルネサンス?/
  女には半分だけのルネサンス/大聖堂時代の謎
繁栄の終わり方
  反動の一三〇〇年/経済崩壊と人口崩壊/デマレージ制度の乱用/
  マネーシステムの中央集権/戦争と火薬革命/お金はなぜ不足するか?/
  無意識の実験に対する結論

第六章 エジプトのマネーシステム
エジプトのデマレージ
古代エジプトの経済
絶対者イシスとファラオ
  本題に戻って
女性のステータス
  夫婦の契りも金銭で/女性の法的地位/女性の仕事/女性の支配者
グレコ・ローマン時代
デマレージを課した二文明の共通点
性差について/太古の元型と現代の元型/研究計画


第㈽部 情緒的刷りこみと私たちのマネー
 『マネー崩壊』のコンセプト

第七章 グレートマザーと現代のマネー探検
「陽のお金」の進化過程
  実物貨幣/当局が発行する標準貨幣/「認可」通貨
元型のモデル図から見た通貨の進化
元型的人間と国家通貨システム
「強い陽」で構成される国家通貨システム/グレートマザーの元型を抑圧した影響/
「陽の影」の共鳴現象
歴史的起源——情緒的な刷り込みは中世後期に?
どんな情緒のあり様がいちばんいいのか?/証人席にホイジンガを召喚
情報遺伝子としてのマネー
現代のマネーシステムの良い影響/現代のマネーシステムの病理/
社会形成におけるマネーシステムの役割
よみがえる黒聖母

第八章 私たちは今どこにいるのか?
意識の進化
  ジャン・ゲブサーの研究/ゲブサーを元型の進化へ統合する/三万年の教訓
私たちは今どこにいるのか?
  トラディショナリスト/モダニスト/文化創造者サブカルチャー/
文化創造者の波は地球規模? 
サブカルチャーと元型のモデル図
  モダニズムに対する挑戦状/再びマネーの話/現在の危機が意味するもの

第九章 私たちの未来、私たちのマネー
元型の名称の修正
パラドックス
マネーの未来

エピローグ——未来の物語

  訳者あとがき

  術語集
  注解



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梗概

お金という化け物の正体に迫る

なぜこれほど人の心を揺さぶるのか? 金融市場が周期的に壊滅状態となるのはなぜか? 歴史と深層心理から魔物の正体に迫る。

前著『マネー崩壊』で著者は、進行するマネー革命の本質を掘り下げ、お金の未来を示した。『マネー崩壊』を執筆しながら著者は、未来選択にはお金の正体を知ることが重要であるとの思いを深くし、研究を深めていった。
本書は、人の心の内部からマネーシステムを見、お金に対する集団的意識を探るという、まだだれも取り組んだ者のない新しいアプローチで書かれた、野心的、冒険的な、研究と思索の書である。

(「はじめに」より)
貧富の差、守銭奴、頽廃、不道徳、犯罪……。
お金は欠点だらけである。
私はこの本で、そんなお金に絡む人間の深層心理へと読者を案内する。
そして、お金が社会を突き動かす強力な起爆剤になり得る理由も述べる。



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著者紹介

ベルナルド・リエター (Bernard A. Lietaer)
1942年生まれ。ヨーロッパ統合通貨 ECU の設計と実施の責任者の一人。ベルギー中央銀行で、組織とコンピューター部門の幹部、電子決済システムの総裁を歴任。
『ビジネスウィーク』誌にトップ・トレーダーとして紹介された通貨トレーダーであり、ラテンアメリカ各国政府や多国籍企業のコンサルタントとしても4大陸で活躍。またベルギー最古のルーヴェン大学で教授を務め、国際金融を講じた。
現在、カリフォルニア大学バークレー校の持続可能資源センター研究員、ソノマ州立大学集団心理学客員教授。
著書:『マネー崩壊』(日本経済評論社)ほか。


訳者紹介

堤 大介(つつみ だいすけ)
1947年、新潟市生まれ。72年、慶応大学経済学部卒(南北問題専攻)。新聞記者歴25年。
「ピクニック企画」編集長。ジャーナリスト。
シリコンバレーに住まいを構える。著訳書多数。



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