目次


リアルオプションの思考と技術


[目次] [著者紹介]


表紙




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序 章 リアルオプションが日本企業を救う!
 P-1 リスク社会をどう生き抜くか

  1人ひとりの判断がその後を大きく左右する
  決断できなければ、経営者ではない

 P-2 リアルオプションは日本のお家芸

  数々の格言が示唆する判断の極意
  アメリカ奇跡の復活を演出した立て役者
  アメリカの精鋭たちが見抜いた「曖昧さ」の裏側
  人生至るところにある岐路も、リアルオプションが光明を灯す

 P-3 正しく認知されていないリアルオプションの真髄

  大切なのはリアルオプションを駆使できること
  リアルオプションを使いこなせるために

第1部 適応力のマネジメント

第1章 リアルオプションの必要性
 1-1 損切りできない日本型経営

  失われた10年——トリガーなき先送り
  原爆が投下されるまで先送りされた決断

 1-2 損切りによる適応

  損切りにより適応した日産ルノー、IBM、ノキア
  リアルオプションで損を切る

 1-3 時代遅れの投資戦略で失敗したアメリカ

  強みが弱みに変わったことを感知できない(大量生産システム)
  MBAの誤った投資教育
  本業に投資できない自滅型の経営者

 1-4 投資による適応

  変化に適応するダイナミックな組織を設計しようとするアメリカの姿勢
  投資こそが復活の原動力
  真の適応力は長期視野から生まれる

 1-5 適応力の必要性

  精神論や外国のモノマネだけでは環境には適応できない

 1-6 リアルオプションを用いた適応へのマネジメント

  適応のために情報を収集する
  リアルオプション・ポートフォリオのリバランス(調整)
  リアルオプションが日本を救う

第2章 リアルオプションとは何か?
 2-1 柔軟性の発見

  投資とは
  投資によって生まれる機会がリアルオプション
  リアルオプションはデリバティブ
  投資の「オプション価値」

 2-2 リアルオプションを利用する簡単な例

  リアルオプションを利用する

 2-3 リアルオプションのタイプ

  損切オプション
  投資オプション
  切替オプション

第3章 リアルオプション思考の技術
 3-1 「機会」を見えるようにする技術

  目に見えない機会を視覚化する
  機会を視覚化するための4つの道具
  「機会」が見えてくる

 3-2 「機会」を利用する技術

  新たな機会をつくり出す
  見方を変えて機会を利用する

 3-3 不確実性を考える技術

  不確実性との戦い
  フィルトレーションという環境
  情報は常に更新される

 3-4 柔軟性を考える技術

  柔軟性のもつ「適応力」
  柔軟性のいくつかのタイプ

 3-5 「機会」の価値を評価する技術

  「機会」を正しく評価する
  機会の正しい評価なくして、機会の正しい利用は望めない
  機会の価値のとらえ方

第2部 戦略的な柔軟性——6つのケーススタディ

第1章 ソニーの深謀の裏側(ビジネス編(1))
 1-1 リアルオプションをDNAとしてもつ企業

  多くのリアルオプション的戦略が潜在している

 1-2 ソニーのリアルオプション・プランニング

  未来に対する条件付きの意思決定

 1-3 1つの挫折で、重要なことを学ぶ

  VHSとベータの闘い

 1-4 コロンビア映画買収は高い買い物ではなかった

  ソニーのもつリアルオプション的体質

第2章 トヨタの底力の謎(ビジネス編(2))
 2-1 ルールを変えてオプションをつくり出すトヨタ生産方式

  「カンバン」方式が生まれたワケ

 2-2 トヨタ的リアルオプションの発想

  コンセプトとタイミングの真理

 2-3 生産現場にリアルオプション・アプローチを応用したトヨタ

  動的計画法とフィルトレーション

 2-4 ハイブリッドカーで見せたオプション性

  将来を見据えて、今を考える
  シェア獲得にリアルオプションを生かす

第3章 リアルオプション・アプローチによる財政再建(国家経営編(1))
 3-1 財政再建にも生かしたいリアルオプション

  リアルオプション的アプローチを指針に

 3-2 リアルオプション的な財政再建の考え方

  競争力を強化し、収益力を高めるために
  日本経済復活のためのルールをつくる

 3-3 「均衡予算」か「機能的財政」か

  リアルオプションの視点から見た財政再建
  成長オプションをつくり、タイミングよく行使する

 3-4 リアルオプションから見た「夢の列島改造論」

  リアルオプション的戦略の必要性

第4章 PFIをリアルオプションで戦略的に活用(国家経営編(2))
 4-1 民間資金・ノウハウ等を取り入れた公共サービス

  PFI(ピー・エフ・アイ)とは何か?
  第3セクターに代わる方式
  PFIとプロジェクトファイナンス

 4-2 PFI方式にはリアルオプションが埋め込まれている

  神奈川県立近代美術館新館のPFI事業の例
  オーストラリアの有料道路PFI事業の例

 4-3 PFIを成功に導くリアルオプション・プランニング

  成功するPFIの条件
  市民満足度を最大化する仕組みをデザインする

第5章 リアルオプションで株に成功する(パーソナル編(1))
 5-1 リアルオプションの原点

  リアルオプション的発想で物事を判断する

 5-2 楽観的長期視野が成功の秘訣

  時を待ち、タイミングを待つ
  株式はリアルオプションそのもの

 5-3 リアルオプションの公式を当てはめると

  リアルオプションは株式投資に役に立つ

第6章 結婚という人生最大の選択に勝つ!?(パーソナル編(2))
 6-1 「告白」には不可逆性がある

  リアルオプションは最適合を提示する

 6-2 「結婚」に至るまでのリアルオプション

  「婚約」オプションと「一緒に暮らす」オプション

 6-3 人生をリアルオプションで測る限界

  さらにいくつかのさまざまなリアルオプション

第3部 リスクとのつき合い方

第1章 企業経営とリスクマネジメント
 1-1 企業経営における計量革命:ROEを超えて

  巨額の投資マネーが突きつける計量革命
  ROEの欠点を補正する

 1-2 企業経営とビジネスリスク管理

  リスクという物差しを企業経営に導入する
  COSO(コーソー)のリスクマネジメント手法
  戦略的リスク経営の構造
  経営リスクマネジメント(ERM)

 1-3 企業リスクマネジメントの事例

  一般的になりつつある企業リスクマネジメントの手法
  日産自動車のリスクマネジメント
  伊藤忠商事のリスクマネジメント

 1-4 戦略的事業リスクマネジメントとは

  最小損失・最大利益を実現する

第2章 予測財務諸表によるリスクの把握
 2-1 徹底してリスクを追求することの難しさ

  リスク管理の大前提はすべてのリスクを把握すること

 2-2 財務諸表を用いたリスクの洗い出し

  財務諸表には企業活動のすべてが数値化されている

 2-3 リスクを分類・整理する

  市場リスクとは
  競合リスクとは
  技術的リスクとは
  ハザードリスクとは
  信用リスクとは
  制度リスクとは

 2-4 財務予測とリスク

  財務予測とは
  財務予測の意義
  不確実性とは
  予測財務諸表と不確実性
  予測財務諸表からリスクを求める方法

 2-5 リスク評価

  リスク評価とは
  リスク・マッピング

 2-6 企業経営における予測の意義

  株価は予測できる?
  市場が効率的であれば株価は予測できない
  株価を予測できない理由
  ジョージ・ソロスには予知能力がある?
  偉大な経営者の予測はよく当たる
  「下着をみせて歩く人はいない」
  偉大な経営者から学ぶべきもの
  すべての予測には不確実性が伴う

第3章 守りのフレキシブル・リスクマネジメント
 3-1 リスクを最小限にとどめる

  リスクを小さくするいくつかの方策

 3-2 リスク削減のための保険活用とその問題点

  保険を効果的に使うためには

 3-3 リスクを他者に移転する

  デリバティブによってリスクを移転する
  デリバティブによるリスク移転のいろいろ

 3-4 リアル・オプションによるリスクの回避

  リアル回避のリアルオプションのいろいろ

第4章 攻めのフレキシブル・リスクマネジメント
 4-1 リスクを保有する

  企業が積極的にリスクを取る意味
  企業が取るべきリスクの考え方
  企業が取るべきリスクは何か

 4-2 投資によりコールオプションを獲得する

  コールオプションの魅力
  リアル・コールオプションは投資によりつくる
  リアルオプションのつくり方

 4-3 リアルオプションをつくり、リスクを利益に変える

  技術リスクをコントロールする多段階オプション
  市場リスクに適合する延期オプション

 4-4 損失をもたらす投資を成長のテコにする

  市場リスクと競合リスク
  拡張コールオプションの価値

 4-5 モジュール投資により究極のリスクに適合する

  モジュール投資で切替オプションをつくる
  モジュール投資へのアプローチ

第4部 「機会」の価値評価

第1章 リアルオプション価値評価の基礎
 1-1 DCF法やNPV法による評価の限界

  DCF法は「企業価値」を求める計算法
  DCF法は万能な評価方法ではない

 1-2 リアルオプションを整理する

  どんなリアルオプションがあるかを把握する
  インフルエンス・ダイヤグラムで整理する

 1-3 複数のリアルオプションの相互作用を考える

  リアルオプション・ポートフォリオの2つの要素を検討する
  リアルオプション・ポートフォリオの価値を評価する

 1-4 リアルオプションの損益パターンを把握する

  単独リアルオプションを評価する準備

第2章 オプションの理論価値を計算する
 2-1 オプションの価値とは

  オプション価格の4つの特徴
  オプション価値を判断する参照価格

 2-2 ブラック・ショールズの方法

  オプションを評価するブラック・ショールズの公式
  オプションを行使する将来コストを計算する
  ブラック・ショールズの独創的なアイデア

 2-3 ブラック・ショールズ公式をリアルオプション評価に利用する

  計算に必要な5つのデータ

 2-4 拡張オプションの価値を計算してみる

  ライセンス供与による海外企業との提携問題の例

第3章 ダイナミック・リアルオプション評価法
 3-1 リアルオプション評価法が満たすべき条件

  実践的なリアルオプション評価法とは
  ダイナミック・リアルオプション評価法とは

 3-2 ダイナミック・リアルオプション評価法による中止オプションの評価

  中止オプションの価値の計算例
  意外と簡単なダイナミック・リアルオプション評価法

 3-3 ロングスタッフ・シュワルツのアイデア

  正味利益を最大とする時点を探す
  ロングスタッフ・シュワルツの方法

 3-4 中止オプションの価値を計算する

  ロングスタッフ・シュワルツの方法を用いた計算例

 3-5 複数オプションへの対応

  複数オプションのいろいろ



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著者

川口有一郎(かわぐち・ゆういちろう)
1955年生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授。91年工学博士(東京大学)の学位を取得。96年英国ケンブリッジ大学土地経済学科の客員研究員を経て、99年から明海大学不動産学部教授、2001年から2003年にかけて東京大学空間情報科学研究センター、京都大学経済研究所、および慶應義塾大学大学院メディア研究科の客員教授を歴任し、2004年から現職。2000年に新しい実学「不動産金融工学」の体系化を図った。日本不動産金融工学学会(副会長2000年〜)、アジア不動産学会(理事1999年〜)、アメリカ都市経済・不動産学会、および日本ファイナンス学会にて研究活動をしている。著書には『実践リアルオプションのすべて』(監訳、ダイヤモンド社)、『投資決定理論とリアルオプション』(共訳、エコノミスト社)、『入門不動産金融工学』(ダイヤモンド社)、『不動産金融工学』(清文社)、『Cities in The PacificRim- Urban Plannings and Real Property Markets』(共著、E&FN Spon)、『International Real Estate Market-An Institutional Approach』(共著、Blackwell)などがある。


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