目次


日本経済 完全復活の真実


[目次] [著者紹介]


表紙




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1章◆ 景気回復は本物か

[1]CD景気


助走はすれど、ジャンプはまだ
株価は何かを予兆しているのか
この変化はどこまで本物なのか
チャイナ+デジタルで「CD景気」
2010年上海万博まで中国はこのまま進む
デジタルは家電化へ向かえば成功する
構造改革のほとんどは「これから」の話

[2]光と影の経済


通常の不況なら企業の自己調整力で克服できるが
なぜ平成不況では企業が動かなかったか
7年間で171もの金融機関が破綻
「政府には頼れない」と企業がようやく気がついた
完全なる夜明けまではあと2〜3年

2章◆ 知られざる平成デフレ

[1]デフレが日本を二極化する


経済学の教科書でも「デフレ」はたったひと言
90年代日本は戦後世界で初めての体験をした
個人消費が復活しなければ景気の足腰は弱い
97年夏、突然に発泡酒が売れ始めた理由
橋を挟んで「デフレ通り」と「ブランド通り」
景気が悪くても労働争議や学生運動が起きない不思議
人々の精神をのんびりさせるデフレのプラス効果
個人の金融資産はデフレ下で500兆円増加した
借金のある中小企業・自営業は苦しい

[2]三つのデフレ


かつて世界中を襲った「真正デフレ」の恐怖
ルーズベルトが最後にとった策は「戦争」だった
「循環的デフレ」ならケインズ政策で対処できる
今回の「緩慢なデフレ」にはなぜ打つ手がないのか

[3]小泉改革の逆説


財政政策・金融政策は今の日本には効かない
思いきって「損切り」した企業は再び輝く
およそ100年前にもグローバリゼーションの時代があった
企業自身が構造改革をしていく以外にない
「小泉改革の逆説」で経済が動き始める

3章◆ 吉野家とグローバル経済

[1]世界経済はここまで変わった


我々は知らないうちにグローバル経済に足を突っ込んだ
これまでにないリスクを抱えた世界経済
中国の台頭は日本にとって脅威か? チャンスか?
中国からの部品調達とは、すなわち安い労働力の輸入である
切っても切れない関係がグローバリゼーションの本質
グローバル・キャピタリズム(世界資本主義)で何が起きたか
やりすぎたアメリカへの反動としての「9・11」
19世紀後半、汽船の登場が人・モノ・資本の動きを変えた
戦争のない「特殊な平和」が背景にある
「25年デフレ」のなかで人々は豊かに暮らした
世界的な価格水準の収斂現象が起きつつある

[2]避けようのない大波


反グローバリゼーションは後ろ向きの反応
ポジティブに受けとめればそのメリットを享受できる
少子高齢化のなかで3%成長をどう維持するのか
日本国内で普通のタオルを作ってもしかたがない
まだ日本には質の高い需要が多彩にある
2006年デフレ終結後に日本がめざす道

4章◆ IT革命はもう一度起きる

[1]パーフェクト・ネットワークへ


73年第一次オイルショックの衝撃と危機感
社会主義陣営は石油があったゆえにハイテク戦争に負けた
「C&C」は情報革命の核心を言い表わしていた
アマゾン、ヤフー、そしてドットコム・ブーム
まるでカンブリア紀だった第一次IT革命
ネットワークは自己増殖的にその価値を増大する
通信速度は5年間で千倍以上に
「収穫逓増の法則」とパーフェクト・マーケット
トヨタ「レクサス」はグローバル・マネジメントの象徴
成功するビジネスモデルがいくつも出る時代

[2]いま起きつつある革命


経済史の節目でネットワーク技術の革新が起きた
イギリスの運河ブームはこうして生まれた
鉄道、電力、自動車がパラダイムを変えてきた
インターネットこそ最終的なネットワークの形
ブロードバンド化とユビキタスでは日本が先行
すでに動き出している第二次IT革命
匿名性をどう保証していくかという課題

5章◆ 「名古屋モデル」に見える日本再編

[1]グローバリゼーションと名古屋


日本の貿易黒字の7〜8割を稼ぐ名古屋圏企業
「これからのトヨタの人間は海外で死ね」
グローバリゼーションをプラス材料にしたのが強さの秘密
単なる「地域活性化のモデル」では終わらない
製造業のイノベーションを通じて全体の消費を伸ばす
もともと貯金の多かった名古屋人にとってデフレは幸運

[2]日本の再編


東京圏集中の限界と浮上する道州制構想
名古屋の台頭は道州的経済への一つの萌芽ではないか
東京・大阪・名古屋を中央塔とした多様性の国へ
EUにも流れる地域主権と民主主義の思想
地域活性化と「日本再編」がこれからのテーマになる

6章◆ フリーターと雇用革命

[1]非正社員はなぜ増える?


フリーターは約500万人、年収は正社員の4分の1
フリーターだけでなく増えている「非正社員」
働き手は自由を求め、企業は新規採用を手控える
未だ大きなコストであり続けている人件費
なぜ日本の失業率は5・4%を超えて上昇しないのか
大学を出て「まじめに勤務」派は半分しかいない
勘違いをしているのは、むしろ親たち

[2]階層格差社会


年収5000万円もいる新しいエリート層の出現
企業も即戦力としての中途採用を重視
平成不況の果てに見えてきた階層格差社会
生産性を上げるために労働力の重層化が欠かせない
フリーター問題を上辺だけの議論で済ませてはならない
既婚女性が働かないのは社会的ロス
フレキシブル化する労働力を成長へとつなげよ

あとがき



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著者紹介

斎藤精一郎(さいとう・せいいちろう)
立教大学社会学部教授。1940年生まれ。
東京大学経済学部卒業後、日本銀行を経て現職。
91年からNTTデータ経営研究所所長。
著書に『経済学は現代を救えるか』(文藝春秋)『10年デフレ』『日本経済非常事態宣言』(いずれも日本経済新聞社)『斎藤教授の日本経済入門』(ダイヤモンド社)『痛快! 新しい金融学』(集英社)など。


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