目次


シャープの「ストック型」経営

最強のモノづくりを支えるマネジメント


[目次] [著者紹介]


表紙




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まえがき

プロローグ——◎「ストック型」経営とシャープ

  1 【フロー型】経営モデルの弊害
  2 【ストック型】経営モデルの特徴
  3 顕在化するシャープの見えないストック

第1章——◎経営理念とリーダーシップの継承

  1 いたずらに規模のみを追わず
  2 歴代社長が継承する企業文化
    (1)創業者早川徳次の経営哲学
    (2)佐伯旭社長が継承発展させたシャープの個性
    (3)辻晴雄社長の液晶革命
    (4)町田勝彦社長のオンリーワン戦略
  3 ストックによる絶対優位の構築
    トップによる価値観の擦り込み
    長期的に築かれる「仕組み」

第2章——◎オンリーワン戦略

  1 オンリーワンを支える土壌
    「面白い」ものをつくれ
    不可能を実現する組織風土
    失敗は責めない
  2 オンリーワンを支える「技術の融合」
    技術の融合はオンリーワン戦略の原動力
    技術の融合に組織の垣根は無用
    縦横に生じる技術の融合
  3 競争優位を築くオンリーワン戦略
    シェアナンバーワンとオンリーワンの違い
    シェア重視経営の罠
  4 オンリーワンによる日本でのモノづくり
    オンリーワン戦略で生き残る日本の製造業
    汎用品ビジネスには手を出さない
  5 オンリーワン事業の成功事例
   (1)太陽電池
    長く陽の目を見なかった事業
    投資判断を可能にした技術力
    太陽電池事業の将来性
   (2)半導体レーザ
    ニッチな領域のナンバーワン
    コア・コンピタンスは装置の運転
    巨大な実験室のような工場
    ナンバーワンの理由は日本人気質

第3章——◎技術戦略と組織マネジメント

  1 ブラックボックス化の背景
    完全防備の最新工場
    TFTカラー液晶技術流出の教訓
    製造装置は技術ノウハウのかたまり
  2 ブラックボックス化の手法
    (1)製造装置を自社でつくる
    (2)原材料をオープンにしない
    (3)設計技術を隠す
  3 システム液晶開発におけるブラックボックス戦略
    携帯電話の進化を促すシステム液晶
    システム化によるブラックボックス
    カスタム製品で規模の争いを避ける
  4 風土と人材のブラックボックス
    人材に勝るブラックボックスはない
    飾らない風土がつくるブラックボックス
    見えざるストックこそブラックボックス
  5 商品とデバイスの「スパイラル戦略」
    スパイラルな進化を生むシステム
    スパイラルは現場で起こる
    バリューチェーンは切り離さない
  6 スパイラルを活性化するリーダーシップ
    商品とデバイスの「垂直統合」
    スパイラルで乗り越えた円高危機とバブル
  7 緊急開発プロジェクト
    学習する進化の仕組み
    【参考】液晶電卓開発ストーリー
    (1)テーマの選定
    (2)メンバーの選定
    (3)継続と進化の原動力
    緊プロとトップマネジメント

第4章——◎現場の挑戦
 オンリーワン商品誕生の舞台裏
  1 液晶テレビ「アクオス」
    トップの就任挨拶が開発のきっかけ
    総力を結集したモノづくり
    「アクオス伝道師」の活躍
    ライバルメーカーの出現と競争戦略
    パネルの受託生産とテレビの差別化
    モノづくりによる差別化
    マーケティングによる差別化
    シャープの技術者魂
    液晶テレビ開発の重大な意味
  2 プラズマクラスターイオン技術
    入社10年後に叶った夢
    逆転の発想が画期的な技術につながる
    試験所で優れた効果を証明
    緊プロで一挙に加速
    効能を説く新しい白物家電
    さらに広がる応用商品
    他業界への拡大戦略
    成熟商品を成長商品に
  3 カメラ付き携帯電話
    アイデアを実現する力
    ザウルスの技術を「写メール」へ応用
    「写メール」大ヒットの理由
    スパイラルと人間関係がつくる新製品
    携帯の進化とシャープの戦略


第5章——◎モノづくりを極める

  1 「クリスタルバレー」の生産戦略
    日本におけるモノづくりのメリット
    大型液晶テレビ時代の幕開け
    競争と生産戦略
    液晶テレビのグローバル生産戦略
    コスト戦略と生産技術革新
    新鋭工場に生きる新しい智恵
  2 「極・製造業」の思想
    モノづくりへのこだわり
    オンリーワンを叶える生産技術
    常にリードし続ける
  3 モノづくりは人づくり
    モノづくり塾+実践で人材育成
    見える工場づくり(生産知の形式知化)
  4 日本でモノづくりを極める
    リーダーの決意
    強い製造業の復活の条件

第6章——◎シャープ「強さ」の証明

  1 【ストック型】経営モデルの優位性
  2 シャープの【ストック型】経営モデル
    (1)問題解決の先送りをしない
    (2)個人的な能力に依存せず、システムとしての競争優位を確立
    (3)規模拡大・シェア拡大を重視しない
    (4)短期環境変化に対して安定的な企業システム
    (5)環境の構造変化に適応する企業システム
    (6)本業重視
    (7)社員重視の経営風土と学習する組織
    (8)経営理念の浸透と継承
  3 シャープが目指す将来像
    大型液晶パネル競争
    技術の融合とスパイラルの継続
    リーダーの育成
    さらに広がる液晶のアプリケーション
    ポスト液晶の経営戦略
    ブランド戦略と企業イメージ
  4 シャープから何を学ぶか

エピローグ——◎モノづくりを支えるもう一つの「ストック」

あとがき

引用文献/参考文献



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著者紹介

柳原一夫(やなぎはら・かずお)
慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授。1941年秋田県生まれ。63年慶應義塾大学工学部機械工学科卒業、65年同大学院工学研究科修士課程修了、68年同博士課程修了。74年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助教授、87年同大学院教授、現在に至る。専攻分野は「経営情報システム」「マネジメント・システム」。著書に『最強の「ジャパンモデル」』(共著、ダイヤモンド社)。論文に「新日本型経営モデルについて」(慶應経営論集第17巻第3号)、「長寿型企業の研究」(慶應経営論集第15巻第2号)、「日本における産業の空洞化について」(慶應経営論集第13巻第2号)など。

大久保隆弘(おおくぼ・たかひろ)
経営コンサルタント。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学教育学部卒業、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。中外製薬(株)経営企画室、日本板硝子ビジネスブレインズ(株)等を経て、経営コンサルタントとして独立。現在、民間企業、独立行政法人等にて、経営戦略、組織変革、技術経営、人材開発などのコンサルティングに携わる。著書に『最強の「ジャパンモデル」』(共著、ダイヤモンド社)、『企業維新』(共著、ダイヤモンド社)、『ヤマトは我なり!』(ダイヤモンド社)、『経済学が面白いほどわかる本』(中経出版)、『早朝会議革命』(日経BP社)など。


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