目次


『組織マネジメントのプロフェッショナル』

競争優位を実現する自立組織とリーダーシップとは何か


[目次] [著者紹介]


表紙




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まえがき

第1章 なぜ、自立組織が必要なのか?

 自立組織を必要とする経営環境を理解する

 1 ソリューションビジネスへの変革

  ◎自立組織とは何か
  ◎WHAT — HOW — DO — CHECKのサイクルを回す
  ◎顧客の問題を理解してWHATを提案する
  ◎「何をお探しですか?」はソリューションとはいわない
  ◎WHATは第一線がつくる能力

 2 顧客満足経営への変革

  ◎儲かる顧客満足、儲からない顧客満足
  ◎顧客リピート率が上がれば収益性も上がる
  ◎3点死守のビジネスと5点創造のビジネスの違い
  ◎第一線の人たちが5点創造に加わる
  ◎メーカーの顧客接点収益化のバリューチェーン

 3 ほかにもある自立組織のニーズ

  ◎仮想敵国型マネジメントから顧客関係重視型マネジメントへ
  ◎意思決定の精度重視からスピードと試行錯誤重視へ
  ◎組織のフラット化は結果であって目的ではない

 4 自立組織を実現する条件

  ◎7つの基本要件
    (1)WHAT構築能力のある第一線リーダーの育成
    (2)ビジョンやバリューの浸透と共感
    (3)顧客価値の理解と先行指標の提供
    (4)コーチング的マネジメント
    (5)少ないルールと多いリソース
    (6)仕事への積極的なコミットメント
    (7)組織品質の測定と管理
  ◎組織図を変えても自立組織はできない

第2章 組織の序列と機能を流動化する

 年功序列型組織からサッカー型組織へ

 1 人事組織は普遍的・基本的問題

  ◎組織の問題は永遠
  ◎序列の流動化と機能の流動化
  ◎仕事が変わることへの抵抗感を減らす

 2 序列固定化の弊害

  ◎6つの弊害がある
    (1)実力の伴わない上位ポストの人材固定化
    (2)動機維持のための不適切な人材登用
    (3)内向き、上向きで環境変化への対応が鈍化
    (4)第一線の顧客指向性の低下
    (5)序列やポストの報酬化によるコスト増大
    (6)内部競争熾烈化で成果よりポリティクス

 3 序列が柔軟なチーム組織にするための工夫

  ◎6つの工夫
    (1)登用ポストオフの基準を客観化する
    (2)気づきのプレッシャーで自己判断させる
    (3)人間評価基準と測定の方法論を伝授する
    (4)ポストの総枠だけを決めてラインの個別判断に任せる
    (5)ファシリテーションで誘導する
    (6)ステータス・オークションで風土を醸成する

 4 序列流動化の方法論

  ◎序列流動化の9つの方法
    (1)役員定年制
    (2)役員任期制
    (3)HPI(ハイポテンシャル・インディビジュアル)プログラム
    (4)サクセッション・プログラム
    (5)GEのセッションC
    (6)相対評価による強制流動
    (7)プラン公募型チーム制度
    (8)タスクリーダー制による組織責任者の廃止
    (9)組織重複

 5 機能固定化の弊害

  ◎機能固定化の6つの問題点
    (1)課題形成能力が減退する
    (2)アメリカの古いスペシャリスト組織の弊害
    (3)経営課題を意識しない自己満足に陥る
    (4)環境変化に組織図や制度がついていけない
    (5)組織や制度の形骸化が起きやすい
    (6)計画的でない成果や気づきが起こりにくい

 6 機能が柔軟なチーム組織の特徴

  ◎3つの段階がある
    (1)第1段階:部員間に柔軟な協力がある
    (2)第2段階:目標と使命を共有している、仕事の担当に柔軟性がある
    (3)第3段階:チーム自らが課題設定をする

 7 仕事分解と目標管理の4タイプ

  ◎目標管理の4タイプとは
    (1)【目標分解プロセス管理型】:目標固定、役割固定
    (2)【目標約束型】:目標固定、役割柔軟
    (3)【機能分担型】:目標柔軟、役割固定
    (4)【成果申告型】:目標柔軟、役割柔軟

 8 序列から機能へ、固定から流動へ

  ◎組織が進化する5つのフェーズ
    Phase1 組織階層の序列化で、ピラミッド型組織に
    Phase2 序列の制度化と目的化で年功序列型組織に
    Phase3 序列の流動化で相撲型組織に
    Phase4 序列重視から機能重視で野球型組織に
    Phase5 機能の流動化でサッカー型組織に
  ◎序列と機能が固定化しないキャリア開発が必要

第3章 ダイバーシティーとコミットメント

 多様性はなぜ必要か、それを束ねる求心力とは何か

 1 ダイバーシティーはなぜ必要か

  ◎多様性への対応が重要
  ◎ダイバーシティー先進国アメリカの取り組み
  ◎多様化した顧客に、多様化したWHATを提供する
  ◎過剰適応は変化対応力を弱める
  ◎新卒男子社員だけで優秀な人材が確保できるか
  ◎企業の社会的責任をきちんと果たしているか

 2 ダイバーシティーの阻害要因

  ◎使用者側の不安
  ◎年功序列・終身雇用契約
  ◎日本的経営の強さは多様化しても維持できるか
  ◎古いタイプの組織コミットメントはすでに崩壊している
  ◎少子高齢化でキャリア・人生支配モデル崩壊へ

 3 新しいコミットメントとは何か

  ◎組織コミットメントはなぜ必要か
  ◎多様であるべきこと、均一であるべきこと
  ◎ビジョン、ワークスタイル、クオリティースタンダード、バリュー、コンピタンシー
  ◎具体的基準から抽象的基準へ

 4 コミットメントの多様性

  ◎外因的コミットメントと内因的コミットメント
  ◎外的要素と内的要素
  ◎衛生要因と動機づけ要因

 5 求められる均一性

  ◎変化しにくい動機、基本的コンピタンシー、価値観が求心力をもたらす
  ◎求心力を生む均質性

第4章 自立組織のリーダーシップ

 自立組織に求められるリーダーシップとは何か

 1 自立組織では何が違うのか

  ◎第一線のチームリーダーに求められるリーダーシップとは
  ◎中間管理職はHOW専門職である
  ◎自らWHATを構築できる第一線のリーダーが必要
  ◎HOWとWHATの能力の違いは、頭の使い方の違い

 2 人的要件の多様性

  ◎スキル、知識、経験は何歳になっても更新が必要
  ◎コンピタンシーの中枢、思考特性・行動特性はキャリアの前半が重要
  ◎若いときの訓練次第でWHAT構築能力は身につく

 3 人材タイプによる重要要件

  ◎WHATをつくる能力はコンピタンシー
  ◎アントレプレナーや変革型経営トップには、強烈な動機が必要
  ◎プロフェッショナルとはWHATを提案できる人

 4 WHAT構築能力とは何か

  ◎WHAT構築能力は、アウトプットすることでしか身につかない
  ◎オープンエンドの質問に答える能力
  ◎WHYを5回以上繰り返すゼロベース思考

 5 WHAT構築に必要なもの

  ◎7つの要件
    (1)原体験・成功体験
    (2)継続的検証
    (3)アンチテーゼ
    (4)ユーザー発想
    (5)異質との交流
    (6)これからの問題意識
    (7)やりたいことの成功イメージを描く

 6 自立組織リーダーの要件

  ◎必要な9つの特性
    (1)自らチームのWHAT構築を常時行っている
    (2)独自性と顧客価値検証にこだわっている
    (3)できないことをできることに変えている
    (4)自分の信じるテーマについて常に発信する
    (5)一貫したポリシーで行動を自己管理している
    (6)抽象的メッセージを自分の言葉で伝達している
    (7)命令より質問や考えさせることを多用している
    (8)新たな専門的スキルを常に更新している
    (9)手ごたえを感じながら動ける仕組みをつくる
  ◎経営トップのリーダーシップを問う前に自らのリーダーシップを問え

第5章 あなたはビジョナリーリーダーになれるか

 ビジョンを構築し人を引っ張るビジョナリーリーダーの能力とは

 1 ビジョナリーリーダーの能力とは

  ◎ビジョンを語れるリーダーが不足している

 2 ビジョナリーリーダーに求められるもの

  ◎4つの重要能力がある
    (1)ビジョンという概念的WHATを構築する能力
    (2)概念的メッセージを伝達する能力
    (3)自律的行動を引き出し後押しする能力
    (4)一貫性を維持し自己管理する能力

 3 概念的WHAT構築能力とは

  ◎まずやりたいことを思いつくこと
  ◎やるべきこと、やれることは後から考える
  ◎顧客シミュレーション能力
  ◎成功イメージ構築能力

 4 やりたいことを思いつく能力とは

  ◎WHATをよく思いつく人はどんなタイプなのか
    (1)外向直観機能タイプ
    (2)内向直観機能タイプ
    (3)外向思考と内向思考
    (4)内向・外向の感覚・感情

 5 概念的メッセージ伝達能力とは

  ◎概念的メッセージを伝える5つの方法
    (1)自分の言葉で直接全員に熱く語りかける
    (2)たとえ話やデフォルメした表現を使う
    (3)具体的事例をたくさん出す
    (4)矛盾した事例を逃げずに真っ向から説明する
    (5)質問し、わかっているかを確かめる

 6 自己管理能力はなぜ必要か

  ◎ビジョナリーリーダーには思考特性・行動特性、それを支える強い動機がある
  ◎動機が強い人ほど自己管理能力が強くないと暴走する
  ◎大きな成功後あるいは晩年に暴走する経営者が少なくない
  ◎若いうちから自己管理能力を自ら磨く

第6章 IBMに見るプロフェッショナル人材のつくられ方

 【対談】株式会社日本IBM人材企画部長 平林久典氏VS高橋俊介

 1 IBMが考えるプロフェッショナル人材像

  ◎サービスへの事業構造変革
  ◎営業プロセスの革新
  ◎ダイナミック・チーム・オペレーション
  ◎ビジネス・プロセスの変革とプロフェッショナル専門職制度
  ◎スキルテンプレート
  ◎プロフェッショナル制度の概要
  ◎プロフェッショナル研修体系
  ◎日本IBMのスキル育成体制
  ◎社員が相互に学び合う環境づくり
  ◎スペシャリストの認定
  ◎IBM Certified Profession(ICP)認定
  ◎業務目標管理、スキル育成とプロフェッショナル制度
  ◎今後のキャリア育成

第7章 人材輩出企業リクルートの秘密

 【対談】株式会社リクルート人事担当執行役員 村井満氏VS高橋俊介

 リクルートの事業創造、人材育成戦略

  ◎価値観はオープン&フェアネス
  ◎リクルートの事業構造
  ◎3つの人事評価
  ◎New−RING
  ◎キャリアWeb
  ◎社員研修制度
  ◎リクルート・フェロー制度
  ◎IO(イオ)制度
  ◎OPT(オプト)制度

第8章 顧客指向組織を構築する青梅慶友病院

 【対談】医療法人社団慶成会青梅慶友病院理事長 大塚宣夫氏VS高橋俊介

 この世の楽園——青梅慶友病院の顧客指向経営

  ◎入院3年、4年待ちの患者がいる人気病院
  ◎自分の親を安心して預けられる施設
  ◎最晩年を最も豊かに過ごせる場所
  ◎組織運営の仕組み
  ◎品質評価委員会が各病棟のサービスをチェック
  ◎「職員読本」で行動基準を明確化
  ◎人材の選別・育成の重要性
  ◎人事評価
  ◎評価は給与にも全面的に反映される

あとがき



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著者

高橋俊介(たかはし・しゅんすけ)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授
組織・人事に関する日本の権威の一人。プリンストン大学大学院工学部修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ザ・ワイアット・カンパニーに勤務後、独立。人事を軸としたマネジメント改革の専門家として幅広い分野で活躍中。主な著書に「自由と自己責任のマネジメント」「自立・変革・創造のマネジメント」「キャリアショック」などがある。



株式会社ビジネス・ブレークスルー(http://www.bbt757.com/)
大前研一総合プロデュースのビジネス専門チャンネル。
ビジネスの基礎からテーマ別講座まで、大前研一をはじめとした一流の講師陣が最先端のビジネス情報、経営ノウハウを提供。4000時間の日本で質量ともに最も充実したマネジメント系コンテンツを持ち、新人から経営トップまで目的に応じて継続的に学べる豊富なサービスを提供している。


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