目次

 組織の不条理

 なぜ企業は日本陸軍の轍を踏みつづけるのか


[目次] [解説] [著者紹介] [関連サイト]


表紙




 ↑ページトップへ

プロローグ——不条理な日本陸軍から何を学ぶか


第㈵部 組織の不条理解明に向けて

第1章 組織はこれまでどのようにみなされてきたか——経営学と経済学の歴史入門
  1 経営学は組織をどのようにみなしてきたか
  2 経済学は組織をどのようにみなしてきたか
  3 組織は資源配分制度である——組織の新しい見方
   
第2章 組織の新しい見方——新制度派経済学入門 
  1 取引コスト理論がもたらす組織の新しい見方
  2 エージェンシー理論がもたらす組織の新しい見方
  3 所有権理論がもたらす組織の新しい見方
 
第3章 組織はなぜ不条理に陥るか——不条理な組織行動を説明する理論
  1 組織の不条理を説明する取引コスト理論
  2 組織の不条理を説明するエージェンシー理論
  3 組織の不条理を説明する所有権理論
  

第㈼部 組織の不条理と条理の事例
 
第4章 大東亜戦争における日本軍の興亡——日本軍はどのように戦ったか
  1 日本軍の南方作戦
  2 日本軍勝利への道
  3 日本軍敗退への道

第5章 不条理なガダルカナル戦——なぜ組織は後もどりできなかったのか
  1 ガダルカナル戦
  2 取引コスト理論と歴史的経路依存性について
  3 なぜ日本軍は白兵突撃戦術を変更できなかったのか

第6章 不条理なインパール作戦——なぜ組織は最悪の作戦を阻止できなかったのか
  1 インパール作戦
  2 エージェンシー理論について
  3 なぜインパール作戦を阻止できなかったのか
 
第7章 不条理を回避したジャワ軍政——なぜ組織は大量虐殺を回避できたのか
  1 今村均のジャワ占領地統治の正当性 
  2 所有権理論について
  3 なぜジャワ占領地統治は効率的だったのか

第8章  不条理を回避した硫黄島戦と沖縄戦——なぜ組織は大量の無駄死にを回避できたのか
  1 硫黄島戦と沖縄戦 
  2 組織形態の取引コスト理論分析
  3 なぜ戦争末期の日本陸軍は自生的に組織変革できたのか


第㈽部 組織の不条理を超えて

第9章 組織の本質——軍事組織と企業組織
  1 組織が不条理に導かれた事例
  2 組織が不条理を回避した事例
  3 組織の本質は限定合理性である——組織の形成、淘汰、進化の本質

第10章 組織の不条理と条理——進化か淘汰か
  1 後もどりできない組織現象
  2 組織はなぜ不条理に導かれるのか
  3 組織はいかにして不条理を回避できるか

第11章 組織の不条理を超えて——不条理と戦う企業戦士たち
  1 組織の勝利主義がもたらす不条理を超えて
  2 組織の集権主義がもたらす不条理を超えて
  3 組織の全体主義がもたらす不条理を超えて
  4 組織の不条理を超えて——「開かれた組織」に向けて


エピローグ——不条理な日本陸軍から何を学べたか

  大東亜戦争関連年表
  参考文献



 ↑ページトップへ


梗概

ガダルカナル戦、インパール作戦……
不条理な行動に導く原因は、人間の非合理性にあるのではなく、
実は、人間の合理性にあった。

日本軍に内在する非合理性が導いたもの、
戦場という異常な状況でのみ発生する、過去の例外的な行動——
とされてきた不条理な行動を、最新の「組織の経済学」理論で読みなおす。 

現代の企業・官僚組織と、日本陸軍。
そこには、変わらぬ組織の病理が潜んでいる。
破綻に突き進む組織にしないために、
不完全なわれわれ人間は何をなしうるのか



 ↑ページトップへ


著者紹介

菊澤 研宗(キクザワ ケンシュウ)

1957年 生まれる
1981年 慶應義塾大学商学部卒業
1986年 慶応義塾大学大学院商学研究科博士課程修了
1993年 ニューヨーク大学スターン経営大学院客員研究員
1998年 商学博士(慶応義塾大学)
1999年 防衛大学校社会科学教室教授
現 職 防衛大学校人文社会科学群公共政策学科・総合安全保障研究科教授

著書論文:
『日米独組織の経済分析』文眞堂 1998年
『市場と財務の相互作用論』千倉書房 1992年
『組織の経済学入門』(共訳)文眞堂 1994年
『コーポレート・ガバナンス』(共著)中央経済社 1995年
“Progressive and Degenerative Problemshifts of Organization”,
Frank-Jurgen Richter (ed.), The Dynamics of Japanese Organizations,
Routledge 1996.
「日米独企業組織の所有権理論分析」『経営学会誌』創刊号 1997年
その他多数。

E-mail kikuzawa@nda.ac.jp



 ↑ページトップへ


お問い合わせは、webmaster までお願いいたします。
1996 - 2000 DIAMOND, INC. All Rights Reserved.