発刊に寄せて

はじめに

本書について


第１部　医療制度の危機

第１章　誰のための医療制度か
　カナダ、アメリカ、日本……太平洋を巡って
　六つの国での経験
　　　真のニーズはどこに？
　対立から、解決に向けた協調へ

第２章　健康とは何か
　定義するのは難しい
　健康とは身体的なものに限らない
　　　個人の健康と公衆衛生
　治療から予防へ

第３章　医療費が増える理由
　請求書を押しつけられているのは誰か
　医療の管理は、医療費の管理
　ファイザーの医療保険プラン改革
　今日の医療制度はもはや時代遅れ


第２部　ヘルスケア業界の課題

第４章　処方薬はなぜこんなに高いのか
　薬は本当に高いのか
　研究開発費を上乗せしているのか
　医者の育成にもお金はかかる
　ブランド薬とジェネリック

第５章　製薬業界の広告は多すぎるか
　ＤＴＣ広告のメリットとデメリット
　批判に対する答え

第６章　アメリカではなぜ薬が高いのか
　「タダ乗り」は本当に「タダ」か
　薬価統制とイノベーションの関係
　輸入をすれば万事解決か
　　　輸入薬の安全性
　　　安易な輸入が引き起こす本当の問題

第７章　ヘルスケア業界に競争を
　医療業界の自由競争
　ゼロサム・ゲームは不毛である
　　　被害者意識の増幅
　価値を競う「プラスサム競争」に移行せよ
　　　(1)専門化
　　　(2)価格の透明性
　　　(3)請求の簡素化
　　　(4)情報開示
　　　(5)医療専門家の供給拡大
　競争による真のメリット

第８章　治療から予防へ発想を転換する
　なぜ病気保険と呼ばないのか
　　　「払うのは他人」という幻想
　現状はあまりに不平等
　皆保険の財源は本当にないのか
　予防／ウェルネス投資の経済効果
　新しいシステムを支える五つのＩ
　　　(1)国民皆保険
　　　(2)個人の裁量
　　　(3)イノベーション
　　　(4)情報化
　　　(5)インセンティブ
　　　自分が責任を持って決定する
　フロリダ・プロジェクト
　　　患者最優先があるべきヘルスケアの姿
　　　事実を受け入れ、過去と訣別せよ

第９章　消費者に裁量を
　消費者自身が考え、選択する
　新しいサービスが生まれやすくなる
　高額医療保険はセーフティネットとなる
　ＨＳＡ方式は消費者にとって得か損か
　患者と医師との信頼関係を取り戻す

第10章　イノベーションを妨げるもの
　増える脅威、減る資源
　ワクチンの未来が閉ざされている
　研究開発は使命である

第11章　情報技術を活用する
　「あってはならないこと」には払わない
　意思決定のコントロールではなくサポートを


第３部　次世代に向けた改革

第12章　感染症への挑戦
　感染症研究所の設立
　社会的投資の意義
　ＨＩＶ／エイズに立ち向かう
　二つのパートナーシップ・プログラム
　ウガンダの奇跡
　プログラム実施の条件
　思いがけない副産物
　実践にこそ意味がある
　　　前進あるのみ

第13章　いまこそ行動のとき
　一〇の提言
　(1)自分の健康には自分で責任を持つ
　　　心臓病を防ぐために、いますぐできること
　(2)被用者医療保険プランを改革する
　(3)医療過誤賠償責任制度に代わる医療専門裁判所を設置する
　　　心からの謝罪ができる環境を
　(4)消費者向け広告（ＤＴＣ広告）を改善する
　(5)保健医療貯蓄口座（ＨＳＡ）を導入する
　(6)貿易協定を活用して「タダ乗り」を防ぐ
　(7)イノベーション奨励策を講じる
　(8)電子カルテを定着させる
　(9)企業市民活動を促進する
　(10)世界保健部隊を創設する

第14章　未来との約束
　健康づくりが奨励される社会へ
　根本から考え、腰をすえて取り組む
　もはや先送りにはできない


おわりに

訳者あとがき

用語解説

巻末注