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直伝・トヨタ方式

究極のジャスト・イン・タイム、デリバリー設計


[目次] [著者紹介]


表紙




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執筆にあたって

第1章 新たなプロセス・マネジメントの必要性
 ◆本質追求型のマネジメント

  経営の本質とは何か
  あるべき姿を設定し、それに向かって実践するマネジメントが必要
  「国益、経営に寄与するものづくり、人づくり」がライフ・ワーク
 ◆これまでのマネジメント・イノベーションを考える

  百家争鳴の如し、九〇年代のマネジメント
  自社のあるべき姿に向けて、新たなマネジメントが必要
 ◆新たな「プロセス・マネジメント」の核心

  トヨタ方式は、“あるべき姿”に向かって今も進化している
  現場革新を中心とした、新たな「プロセス・マネジメント」が必要だ
  目標は「業界世界一に何年でなろう」と決めるのがよい
  改善には短期型と長期型がある
 ◆二つの競争、「目に見える競争」と「目に見えない競争」

  目に見える競争は、「差別化」で優位に立つ
  目に見えない競争は、「あるべき姿の追求」が大前提にある
  目に見えない競争は、経営資源の活用の仕方で企業間格差がつく
  目に見えない競争に勝つには、問題解決能力を身につけなければならない
 ◆問題解決能力を考える

  問題は、目的に照らして「解くに値するものか」を吟味する
  課題を見極める能力、前提条件を把握する能力、分析総合して解を導く能力が必要
  「五回のなぜ」の意義と実践方法
  処置で終わるな! 対策・再発防止が重要
  改善は、常にトータルで目的を達成しているかを見なければならない
  手段を目的と勘違いしている例
 ◆キャッシュ・フロー経営時代の到来

  経営資源の活用の仕方が、ますます問われる時代
  「顧客満足」を目指して、リードタイムを重要視したい

第2章 経営に寄与する現場改善の考え方と実践
 ◆はじめに

  生産現場の改善を通して経営に寄与する考え方と実践方法
 ◆企業の存在意義

  企業は存在すること自体が社会貢献
 ◆利益の確保と売上げを伸ばすには

  原価主義より原価低減
  社員全員で買ってもらえる製品をつくることが重要
 ◆ムダの見方、考え方

  原価を下げるとは「ムダ」を省くこと
  ムダの種類(在庫、動作、品質など)
  「目で確認しやすいムダ」と「ムダと判断できるムダ」
  在庫はムダとは判断しにくく、動作のムダはなかなか見つけられない
 ◆生産のやり方で結果は変わる

  生産のやり方の善し悪しで儲け(原価)は変わる
  安全と品質は絶対条件である
  量とタイミングは、他社に負けない短いリードタイムが武器である
  原価との争いに終わりはない
 ◆〔材料、設備、労働〕生産性の考え方と現場の重要性

  材料生産性はマネされやすい
  設備生産性もマネされやすい
  労働生産性で企業間格差がつく
 ◆在庫を徹底的に考える

  在庫の“悪さ”は現場の問題を覆い隠すこと
  在庫の“悪さ”の事例—︱後工程が在庫を持つと前工程が倒れる
  在庫の持ち方には善し悪しがある
  持つことを避けられない在庫
  在庫は三要素で決まる
  在庫削減のマネジメント
  在庫倍率で製造現場のレベルを知ることができる
  運搬ロットは、できる限り小さくして細かく運ぶ
  工程を「流れ化」するのが一番よい
  生産ロットもできる限り小さく
  「在庫を減らすことを高く評価するシステム」が必要だ
 ◆労働生産性を徹底的に考える

  労働生産性は三要素で決まる
  必要な要員しかラインに入れないマネジメント
  目のない少人化
  効率的な作業動作
  労働生産性は、ムダな動作を付加価値の高い動作に変えていくことで向上する
  見かけ上の能率向上と真の能率向上
 ◆まとめ

  労働生産性から見たまとめ
  労働生産性の目標の決め方
  ジャスト・イン・タイム生産から見たまとめ
  現場の見方について

第3章 デリバリー設計について
 ◆はじめに

  最終消費者の満足度を意識したジャスト・イン・タイム生産の必要性
 ◆在庫を持っても顧客の要求納期は満足できない

  不確実な需要予測や未納が心配で持った在庫が長期化する
  完成品で在庫を持つと高くつく
  国内でも海外でも「つくり方が業界一」であるかどうかが本質的な問題だ
  海外生産はリードタイムの長いことが弱み
 ◆デリバリー設計……在庫を極力持たずに注文生産すること

  まず顧客の要求納期を知ること
  企業にとって都合のよい工程から注文生産を成り立たせる活動がデリバリー設計
  デリバリー設計の根本は、顧客の要求納期を満足すること
 ◆顧客の納期の考え方

  技術的に決まる納期
  相場で決まっている納期
  即欲しい、待ったなしの納期
 ◆理想のリードタイムを追求する……LL(エルエル)比

  受注から製造、納入までのリードタイムを超短縮する
  LL比を一にすることが改善の最終目標である
  「顧客の納期に間に合わない」場合にも、二種類の原因がある
 ◆デリバリー設計の前提条件

  顧客の要求リードタイムの二分の一から三分の一の短さでつくりたい
  しかも注文量だけ生産できること
 ◆デリバリー設計のメリット

  顧客にとって大きなメリットがあり、しかもすべての産業で生かせる方法である
  生産効率を高くすることができる
  急で大幅な増産にも対応しやすくなる
  思わぬトラブル(品質、設備など)による未納という致命的な事態を回避できる
  技術進歩のタンジェント(速さ)が飛躍的に高まる
  デリバリー設計は無言の営業活動である
 ◆デリバリー設計の深化

第4章 デリバリー設計の事例
 ◆A社 眼鏡レンズ加工業
 ◆B社 非民生精密機器製造業
 ◆C社 大型免震ゴム製品製造業
 ◆D社 自動車用部品製造業
 ◆E社 空圧機器製造業
 ◆F社 自動車用部品製造業(試作品製作)
 ◆G社 電線製造業
 ◆H社 精密機械部品製造業
 ◆デリバリー設計の条件が満足できない場合の対応策について

第5章 改善の進め方
 ◆改善タンジェントの高い企業文化が重要

  改善内容の善し悪しではなく、どのような改善であってもまず反対する文化
  とりあえず聞くことは聞くが、実施はせず時が過ぎるのを待つ文化
  トップ(上司)の指示だけを実施する文化
  トップ(上司)の意見でも部下の提案でも、よい改善は実施する文化
  社内だけではなく、誰が言っても、よい改善はすぐ実施する文化
  初代海外駐在員の仕事は「誰が言っても、よいことはサッサと実行する企業文化」をつくりあげることである
 ◆「まず、やってみること」を尊ぶ企業文化を目指して

  改善の種
  改善の芽
  改善魂
 ◆改善を、よりスピーディに進めるために

  どのような現場にしていくか、というフィロソフィーを持っている
  ムダがわかるための教育訓練等の仕組みがある
  改善アイデアを具体的な実施案に落とし込める人材(スタッフ、管理・監督者他)がいる
  改善案を実施できる組織(実行部隊)がある
  改善を受け入れる度量のある現場がある
 ◆人材の育成—︱経営者、管理者の役割

  人は少数だからこそ精鋭に育つ
  あるべき姿から見て、どのレベルまで改善しているかを指導する
  「改善のやり方を改善できる」スタッフの育成
  改善スタッフは、まず短距離型に育て、次に長距離型に育てるのがよい
  新人が入ってきた直後の「仕事の教え方」で、一人前になれるかどうかが決まる
  スポーツ界には、鍛えることを前向きに捉えている選手が増えてきている
 ◆人材の育成—︱改善スタッフの方々に期待したいこと

  反面教師もよい教師、と考える心構えを持ってもらいたい
  専門家と専門バカ
  「他人のマネをするのはよいが、自分のマネはするな」
  「一椀つくれば一つのことを学び、一〇〇椀つくれば一〇〇の悟りがある」
  目標未達成の場合は、三つの要因で謙虚に反省すべき
  どの方法(手段)が、長所が多く欠点が出にくいか(目的を達成できるか)で、判断すべき
  スタッフの仕事は、芸術品ではなく、誰がつくっても安定してものをつくれるようにすること
  スタッフは、改善の焦点を絞る能力を身につけよ
  サイクルタイム(最短の作業時間)を計るにも動作のムダを見抜く力が重要だ
 ◆改善を進めるためのマネジメントについて

  顧客にとってよい仕事をすることが、経営トップ、管理者、本人の三者共通の使命である
  「行動する」ことから、意識が変わる
  三放しは許されない
  生産性の高い改善をしなければならない
  絶対レベルを上げることのほうをより重視したい
  ジャスト・イン・タイム生産をするためには、設備に余裕を、人、モノはギリギリで運営しなければならない
  必要以上の人を採用しないこと、を基本にすべきである
  アウトソーシングの生きた活用を考える

執筆を終えるにあたって



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著者

中山清孝(なかやま きよたか)
ニースク有限会社 代表取締役
1964年、神戸大学工学部機械科卒業。トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)入社、以後、本社工場、上郷工場、下山工場にて工場建設及び生産システム設計とラインの改善を一貫して実践。この間、大野耐一氏(トヨタ生産方式の生みの親)より直接指導、薫陶を受ける。1984年より生産調査部でトヨタ生産方式の進化と普及のため、国内はもとより海外も含めたトヨタの事業体と部品メーカー50社あまりを指導。1992年、生産調査部長(96年理事)就任。1997年、退社。経営コンサルティング会社「ニースク」を設立、現在に至る。
e-mail:niesc@hm8.aitai.ne.jp


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