第１章　バランス・スコアカードとは何か
1．バランス・スコアカードが必要とされる背景
㈰「伝統的経営指標」の落とし穴はなにか
㈪「経営指標」と事業戦略の整合性」を図る
2．バランス・スコアカードの全体像を理解する
㈰「バランス」のとれた複数の経営指標を使って業績評価を行なう
㈪戦略目標の具体化と併行して経営指標を設定する
㈫戦略導入支援としての機能
㈬「スコアカード」によって業績を管理する


第２章 　バランス・スコアカードの構造
1．バランス・スコアカードの講造
㈰戦略テーマの設定と戦略目標への変換
㈪スコアカードフィールドの設定（１）財務（Financial）
㈫スコアカードフィールドの設定（２）顧客（Customer）
㈬スコアカードフィールドの設定（３）内部プロセス（Internal Process）
㈭スコアカードフィールドの設定（４）学習と成長（Learning and Growth）
2．指標間の因果関係の定義（Cause and Effect）
3．達成目標の設定とタスクプランニング
4．コーポレート・スコアカードとＳＢＵスコアカード
5．バランス・スコアカードとＥＲＰシステム


第３章 バランス・スコアカードの導入プロジェクト
　　　　——日本企業の実態に応じた実践プロセスへの指針
1．バランス・スコアカード実践の二つのアプローチ
2．プロジェクトの作業
ステップ１；ＳＢＵ事業戦略の理解——スコアカードの対象ＳＢＵの戦略を理解する
ステップ２；シナリオデザイン——ＳＢＵ集合体が示す経営戦略を読み解く
ステップ３；指標の設定——事業戦略に合致する指標を設定する
3．計画段階におけるポイント——プランニングで何を押さえておくべきか
4．バランス・スコアカードの予算管理への応用——戦略の実態に即した予算を作成する


第４章 バランス・スコアカードの関連理論を理解する
1．バランス・スコアカードの関連理論
　　——バランス・スコアカードは戦略管理の「マクロ理論」という性格を持つ
2．ベンチマーキングをバランス・スコアカードに取り入れる
3．バリューチェーン理論を理解する
4．サービスマネジメント
5．エンパワーメント


第５章 経営課題別のバランス・スコアカード
1．コーポレート・スコアカードの戦略テーマ
2．顧客価値経営のコーポレート・スコアカード
3．環境経営のコーポレート・スコアカード


第６章 バランス・スコアカードへの取り組みにあたって
　　　 ——実践できる条件は整い始めている

梗概

いま、なぜ、「バランス」なのか。伝統的経営指標の限界は何か。真に経営指標をマネジメントの現場で生かし、多角的な視点から全体最適の事業戦略を推進する,経営の精度を高める業績管理の新手法を明快に示す。

「私たちが毎日のように耳にする経営破綻や破綻寸前の企業に関するニュースは、そのほとんどが経営トップの誤った状況認識に一因があると思われる。とするならば、マネジメントの基本である「事業の業績評価」の方法に、何らかの問題があるのではないかという疑問が湧いてくるのは当然であろう。今日の経営管理に携わる者は、あらためて業績評価手法について考えるべきときに来ている、と筆者は確信する」
「従来の業績評価手法にある問題点とは何か、そして本書のテーマであるバランス・スコアカードとは何か、という点を本章で概説する」……（第１章「バランス・スコアカードとは何か」より）

著者紹介

中本 映子（ナカモト・エイコ）
監査法人トーマツ、クーパース＆ライブランド（東京、ニューヨーク）を経て、中本・アンド・アソシエイツおよび中本国際会計事務所を設立。ＢＲＰ（業務再構築)、ＥＲＰ（統合業務システム）導入など、情報システムの再構築を前提とした経営管理コンサルティングを専門とし、大手企業をクライアントとして活動を展開している。公認会計士。


中本・アンド・アソシエイツ
情報システムを活用した経営管理再構築を専門とするコンサルティングファーム。1996年より携わった業務改革、ＥＲＰシステム導入プロジェクトは、上場規模の企業に対して50社以上（2000年12月現在)。オラクルなどのEＲＰアプリケーションをベースにしたソリューションを提案する。コンサルタントは基幹業務システムに通じているだけでなく、会計士、税理士など業務系分野の専門家でもあるため、コンサルティングの品質とソリューションの内容に対して多くの企業から高い評価を得ている。