ブックタイトルタオを生きる

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概要

タオを生きる

501 名づけることから、幻想が始まる?私は、彼が自分の考えをあまりにも深刻に受けとめていることにショックを受けました。「私」というアイデンティティをもっている人にとり、「殺す」という考えは、罪悪感を引き起こし、苦しみの人生となります。それで私は、できるだけ丁寧に、殺さないでほしいと頼みました。彼の苦しみを考えてこそとは言っていませんが。男は、そうしなければいけないんだと言います。それはわかります。私もかつての人生で、こうしなければいけないと信じていました。彼がベストを尽くしていることに感謝すると共に、自分が興味を覚えていることに気づきます。彼女(私)は、こうして死ぬのだろうか? こうしてストーリーは終わりを告げるのだろうか? そして喜びが私を包むにつれ、ストーリーがまだ続いているのは奇跡的だということに気づきました。たとえ終わりを迎えていても、これが終わりだと知ることはないのです。私は、空や雲、月光に照らされた木々の眺めに感動を覚えていました。この驚異的な人生を、一瞬たりとも、一息たりとも見逃すことがないことは、何て素晴らしいことでしょう。そして私は待ちました。さらに待ちました。結局、彼が引き金を引くことはなかったのです。自分自身に対しても。私たちが「悪い」と呼ぶものも、「よい」と呼ぶものも、どちらも同じ場所から来ます。『老子』によれば、万物の源は「暗闇」と呼ばれます。何て美しい名前でしょう(もし名前をもたなければいけないのだとしたら)。暗闇というものが、私たちの源なのです。結局のところ、