答えはすでにあなたの心の中にある page 6/12

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18でも、くわしい話をするまえに、みなさんは、どんな事情でわたしが落ちこみ、自殺を考えるようになってしまったのだろう、と思っているかもしれない。わずか二、三年前、わたしはだれもが夢見るような生活をおくっ....

18でも、くわしい話をするまえに、みなさんは、どんな事情でわたしが落ちこみ、自殺を考えるようになってしまったのだろう、と思っているかもしれない。わずか二、三年前、わたしはだれもが夢見るような生活をおくっていると思っていた。わたしをとても愛している、美しくて知的な妻がいた。自分がやりたいことにはなんでも秀でている、健康でしあわせな三人の子どもがいた。世界中のしゃれたスポットに建つブティック・ホテル・グループのオーナーとして、想像をはるかに超える金を稼いでいた。顧客には、映画スター、大金持ち、上流階級の人びとがいた。さまざまな国へ行き、たくさんのおもちゃをあつめ、少なくとも業界内ではかなり有名になった。やがてある日、わたしの全世界が崩壊した。買いたいと思っている資産の売り手との夕食を終えて、わたしは夜遅く帰宅した。レイチェルはふつう明かりをいくつかつけておいてくれるのだが、その夜にかぎって家は真っ暗だった。まだ午後十時だったから、よくわからなかった。レイチェルはどこにいるのだろう？　子どもたちは？わたしは家のなかに入り、玄関ホールとキッチンの明かりをつけた。迎えてくれたのは静寂だけだった。でも、キッチン・テーブルのうえには、見なれたレイチェルの手書きのメモがのっていた。わたしは読んだ。