ブックタイトル「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい

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概要

「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい

20「殺された被害者の人権はどうなる」このフレーズには決定的な錯誤がある「改心していく彼を刑場に送っていいのか」二〇一一年一〇月、大阪で起きたパチンコ店放火殺人事件の公判に、「絞首刑は残虐な刑罰を禁じた憲法に違反する」と主張する弁護側の証人として、元最高検検事の土本武司筑波大名誉教授が出廷した。自ら死刑執行に立ち会った経験を踏まえながら、「(絞首刑は)正視に堪えない。限りなく残虐に近いものだ」と証言した土本は、死刑制度そのものについては「憲法は、法律によればどんな刑罰も科せるとしている」と肯定しながらも、「残虐でないことを担保するような方法でなければならない。その検討がこれまで不十分だった」と指摘した。さらに自らが求刑した死刑囚と文通を重ねるうち、「改心していく彼を刑場に送っていいのかという気持ちになった」とも証言した。長く死刑存置論の理論的支柱であった土本とは、これまでテレビの討論番組などで何度か顔を合わせている。いつも(当然ながら)強硬な死刑存置論者の印象だった。その土本が、なぜ一転して廃止論者のようなことを公の場で言ったのか、その真意がどうしてもわからない。2011年12月19日