社会起業家になりたいと思ったら読む本 page 9/10
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021 第1 章 社会起業家の可能性き、そうするなかで世界の全体的な性質を少しずつ受け入れて自分たちの価値観に反映していく、と説いています。 簡単に述べれば、わたしたちの意識は「わたし」から「わたしたち」、....
021 第1 章 社会起業家の可能性き、そうするなかで世界の全体的な性質を少しずつ受け入れて自分たちの価値観に反映していく、と説いています。 簡単に述べれば、わたしたちの意識は「わたし」から「わたしたち」、やがては「わたしたちみんな」へと変化していくのです。〈ピュー慈善財団〉が資金を出して行った世界規模の調査によれば、自分を「グローバル市民」と見なす人々の数が増えています。『文化の創造者』(ポール・レイ/シェリー・アンダーソン著、未邦訳)では、五〇〇〇万人のアメリカ人と九〇〇〇万人のヨーロッパ人が「この世界は、ひとつの社会と生態系が絡み合って構成されている」という共通の見方をしている、と述べています。 ロバート・ライトは著書『ノンゼロ:人間の運命についての理論』(未邦訳)において、以上のような発想の変化を、進歩に伴う必然的な順応だと書いています。ライトは、世の中の発想は、誰かが得をするとべつの誰かが損をする「ゼロサム」型から、全員が得をする「ノン・ゼロサム」型へとしだいに移行していく、と主張しているのです。 温暖化ガス、疫病の流行、経済危機など、今日の社会が抱える問題に立ち向かうには、世界が足並みを揃えて解決策を編み出さなくてはなりません。個人や小さな集団がテクノロジーを武器に、国を脅かすおそれもある今となっては、権力者ももはや「弱い者」を見くびるわけにはいかないのです。