企業価値評価 第5版 【上】

企業価値評価 第5版 【上】 page 1/10

電子ブックを開く

このページは 企業価値評価 第5版 【上】 の電子ブックに掲載されている1ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
3 企業価値は、資本主義下の市場経済において、最も重要なものさしといえるのではないか。 投資する際は、資産価値が売却までの投資リスクに見合うだけ上昇することを期待するものだ。これは、債券、デリバティブ....

3 企業価値は、資本主義下の市場経済において、最も重要なものさしといえるのではないか。 投資する際は、資産価値が売却までの投資リスクに見合うだけ上昇することを期待するものだ。これは、債券、デリバティブ、預金、株式など、投資対象を問わず同様であろう。企業の場合も同じく、株主からみた価値創造力と、企業価値の増加額で評価される。 企業価値は、長期的にみた利益を反映しているため、株主に加え、すべてのステークホルダーが企業業績を評価するうえで特に有益な基準である。企業価値以外の評価基準は、長期的な視点が欠けていたり、十分に網羅的でない。たとえば、企業会計上の利益は、株主の視点からみた短期的な業績にすぎない。また、従業員の満足度は、文字通り従業員の満足度を測っただけのものだ。 これらとは対照的に、企業価値は全ステークホルダーにとって意味がある。近年の研究によれば、長期的にみて株主価値を増加させた企業は、雇用を多く生み出し、現役従業員や退職者への報酬もよく、顧客満足度も高い。さらに、企業責任もより果たしている。株主価値の創造に重点をおくことにより、ヒト・カネ等の経営資源が効率よく活用され、ひいては人々の生活水準の向上に貢献している。以上の理由から、企業がどのように価値を創造するかや、企業が生み出す価値をどのように測るべきかは、市場経済にとって非常に重要と考える。これが本書のテーマである。第1章なぜ、企業価値か?Why Value Value?