ブックタイトル史上最大の決断

ページ
8/10

このページは 史上最大の決断 の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

史上最大の決断

32い。かくして、指揮官自ら最前線に赴き、刻々と移り変わる戦場の実相を見て、自ら体感し、速断即決し、戦機を逸することなく迅速に隷下部隊に無線で伝えるやり方が最も有効となる。グデーリアンは賢明にも、それを見抜いた。このスタイルを支えたのがドイツの優秀な無線技術だった。グデーリアンはなぜこんな戦法を考えつくことができたのか。第1次世界大戦に敗れ、急速に規模が縮小したドイツ陸軍にあって、グデーリアンは交通兵監部に転属させられていた。彼は当時、こう考えた。ドイツは今や無防備であるから、将来起こることが予想される戦争が陣地戦になる可能性は非常に低い。その場合、機動的な防衛力に頼らなければならず、自動車による輸送が不可欠となる。結果、それを援護(掩護)する装甲車両も必須となるだろう、と。ここで言う装甲車両とは、装甲偵察車、装甲兵車、装甲輸送車など、装甲を施した軍用車の総称であり、戦車も含まれる。当時、ドイツの装甲車両はひどく貧弱だった。この分野はイギリスやフランスに一日の長があった。グデーリアンは、ジョン・フレデリック・チャールズ・フラー、バジル・リデル=ハート、ギフォード・マーテルといったイギリス人専門家の著作を取り寄せては、あるべき装甲師団の姿を熱心に研究した。その結果、歩兵や騎兵はもはや時代遅れの代物で、自動車化部隊は脇役の補給部隊から主力の戦闘部隊に変化すべきだ、という結論に達する。それゆえに、その部隊は敵からの砲撃を寄せ付けない装甲を身にまとう必要がある。この電撃戦は、後で詳述する機動戦の一種と言えるだろう。グデーリアンがこの認識に達したのが29年のことで、その4年後に首相となったヒトラーも、すぐにこの電撃戦のあり方に強い興味をもち始めた。33年に開かれた最新兵器の展示会でグデーリアンは30分ほどヒトラーの前で講演した。その際にオートバイ兵、対戦車兵、戦車兵各1個小隊による実験演習を目の前でやってみせたところ、ヒトラーは部隊のスピ