ブルー・オーシャン戦略

ブルー・オーシャン戦略 page 3/10

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第1章?ブルー・オーシャンを生み出す19楽など、多彩な娯楽形態も存在感を増しており、子どもたちは各地を旅するサーカスよりも、〈プレイステーション〉に心を躍らせた。これらの影響もあって、サーカス業界は観客....

第1章?ブルー・オーシャンを生み出す19楽など、多彩な娯楽形態も存在感を増しており、子どもたちは各地を旅するサーカスよりも、〈プレイステーション〉に心を躍らせた。これらの影響もあって、サーカス業界は観客の減少に歯止めがかからず、ひいては売上と利益も下り坂だった。これに追い討ちをかけるようにして、サーカスに動物を使うことに対して動物愛護団体からの反発が強まっていた。リングリング・ブラザーズ&バーナム&ベイリーの取組みが業界の標準となり、これと競合する小ぶりのサーカスもおおむね興行の規模を縮小した。競争に着目した戦略観のもとでは、サーカス業界は旨みに乏しかったのである。 シルク・ドゥ・ソレイユの繁栄にはもう一つ、目を見張る点がある。サーカス業界はそれまで、子どもを主な観客として想定していたのだが、シルクはすでに縮小していたこの業界でほかのサーカスの顧客を奪ったわけではない。リングリング・ブラザーズ&バーナム&ベイリーに戦いを挑んだわけではなく、むしろ競争者のいない新しい市場を創造して、競争を無意味にしたのである。シルクは、大人や法人というまったく新しい顧客層を惹きつけた。これらの顧客は、従来のサーカスの何倍にものぼる価格を支払って、かつてない新しい娯楽経験を得ようとした。シルクが旗揚げした当初の興行タイトルには、「サーカスの再発明」というものもあったほどだ。新しいマーケット・スペース シルク・ドゥ・ソレイユが成功したのはなぜか。輝かしい未来を手に入れるためには、競争から抜け出さなくてはいけない、と悟ったからである。競合他社に打ち勝つただ一つの方法は、相手を負か