ブックタイトル研修開発入門

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概要

研修開発入門

第1章 研修開発とは何か? 17ては、最大限目配りを行い、意味付けていくことが求められます。研修を開発するにしても、OJTの施策を整えるにしても、「それらが、どんな組織戦略と関係しているのか」「それらが、どのように組織・事業の存続」に寄与するのかを、ひとつひとつ意味付けていく必要があります。 これまで、多くの研修開発の専門書では、これらの位置付けを明確にしないか、ないしは自明のものとして扱い、いきなり研修やワークショップのデザインや、インストラクターの振る舞いの説明に入っていくことが多かったように思います。もちろん、そんなことは企業人にとって自明なので、各論から論が進められたのかもしれません。 この本は、初学者のために書かれている最も基礎的な書籍ですので、研修開発の実際・実務のノウハウを記述する前に、企業の中の人材育成や研修そのものの位置付けについて学んでおきたいと思います。2 人材育成とは何か「人材育成とは何か」……。既述したように、本書では人材育成の定義を「組織が戦略を達成するため、あるいは、組織・事業を存続させるために持っていてほしい従業員のスキル、能力を獲得させることであり、そのための学習を促進すること」として、以下の話を進めます。繰り返しになりますが、それは「企業の経営活動に資する行為」であり、「組織の戦略達成」「組織・事業の存続」に寄与するためのものでなければなりません。 では、いったいどのような場合、どのような機会を通して、「人材育成」が「企業の経営活動に資する行為」すなわち、「経営の役に立つ」ことになるのでしょうか。これはさまざまなケースが存在しますが、ここでは「手術」と「漢方」という2つのメタファを用いて考えてみましょう。 第1の「手術メタファの人材育成」とは、「短期的、かつ緊急的に行われなければならない人材育成」です。これは、市場の変化が早く、戦略に変化した場合に、短期間のうちに従業員に学習・再学習を迫り、戦略達成を実現するよ