ブックタイトル経営参謀

ページ
10/10

このページは 経営参謀 の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

経営参謀

050客様を棚の前まで、連れてくる力を持っていなければいけない」「なるほど」「そこで『接近』したら次に、商品を見て、選ぶわけだ」ちょっと待っててくれ、と言って、安部野は席を外した。しばらくして、手に缶詰を三つ持って戻ってきた。「仮に君が結婚していて、奥さんから、トマトピューレの缶詰を買ってくるように頼まれたとする。君が立ち寄った売り場には3種類のトマトピューレが置いてあったとする」安部野は缶詰を三つ、高山の前に並べた。「君はこの三つの中からひとつを選んで購入しなければならない。どうする?」「まず、値段を見ます」「値段は同じだとしようか」「そうですね」と言って高山は、そのうちのひとつを手にして、缶を見た。その様子を見て、安部野は尋ねた。「君は、今、商品の何を見ているんだ?」缶を自分の目の前に持った姿勢のままで、安部野の問いに高山は、今自分が何をしているのか答えられなかった。「えっと、入っている量を確認します。で、どれが良さそうかを見ているんですが」「どこを見て比べればいいと思っているんだ? 僕に教えてくれ」「いや、そう言われても答えに困るのですが」