ブックタイトル経営参謀

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概要

経営参謀

第1章 商売繁盛のサイクル043「『しきがわ』を辞めたんだって? それで今は何をしている?」「先日、グローバルモードに就職しました」「ほう、今度はレディースか。それはまた大変だな」男の名は安部野京介。50代前半に見えるが年齢不詳。高山の前の勤務先『しきがわ』の経営企画室長、伊奈木耕太郎とは旧知の仲で、次から次へと出てくる経営の難題へのアドバイスを行い、高山が難局を切り抜ける手助けをし、最後は『しきがわ』のトップの、思い込みという「憑き物」も落とした経営コンサルタントだった。「はい。レディースブランドを立て直すことになりました。半年で…」高山が言うと、安部野は手にしていた資料を置いて高山をまじまじと見た。「半年とは、またえらく安請け合いしたものだな」「えっ、そうですか?」「当たり前だ。メンズよりレディースのほうが難易度は高い。ただし市場は大きいし、粗利幅も一般的には大きいので当てていければ爆発力もあり、得られるものは限りなく大きいがな」安部野は、髪をかき上げた。「そもそも、ファッションビジネスはボラティリティが高いものだ」「なんですか? ボラティリティって」「もともとは揮発性という意味だが、わかりやすく言えば、うつろいやすい、変化が激しいということだ。君が以前勤めていた会社が扱っていたのはメンズスーツだが、スーツは年度が変わっても、デザインや色合いなどのファッション傾向に極端な変化はなかっただろう?」