ブックタイトル仮想通貨革命

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概要

仮想通貨革命

30利用者が広がれば、関連サービスも多数誕生するだろう。相手が個人ではなく多額の資金を動かす企業なので、こうしたサービスはビジネスとして成立するはずだ。貿易向けに特化した両替サービスも登場するかもしれない。そして、手数料体系で巨額の送金を有利に扱う仮想通貨も登場するだろう。また、現実通貨との交換比率変動をヘッジするための先物取引も作られるだろう。ビットコインについては、個人の利用が注目されている。しかし、個人はコストにそれほど敏感ではない。安いとわかっていても、惰性で従来の方法を変えないことも多い。それに対して企業は、コストの差に敏感だ。明白な利益の機会があり、競争圧力が十分強ければ、必ず採用する。もちろん、これは、銀行にとっては深刻な事態である。外国為替業務が侵食されることになるからだ。二〇一二年の全世界貿易量は約一五〇〇兆円だ。仮に為替スプレッドを含めた銀行の手数料がこの四%であるとすると、六〇兆円になる。この一割がビットコインに移行するだけで、銀行の収入は六兆円失われる。銀行の経営基盤は大きく揺らぐだろう。一九九〇年代以降、インターネットによって地球規模での通信コストがゼロになったことの影響は、きわめて大きかった。コールセンターやバックオフィス業務をインドに移すなどの大きな変化が起きた。日本は、言葉の壁のために、そうした新しいグローバリゼーションから取