ブックタイトルすべての戦争は自衛意識から始まる
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すべての戦争は自衛意識から始まる
14二〇一三年一〇月、森達也はやっと南京に行くことができた齢五十になる男がいる。中肉中背。年甲斐もなく髪は中途半端なロンゲ。千葉県と茨城県の県境のあたりに居住している。名前は緑川南京。奇妙な名前だけど本名だ。南京と書いてナンキョウと呼ぶ。でもそう呼ぶ人はまずいない。ナンキンだ。子供の頃はこの名前がいやだった。中学のときに社会科の教師に「大虐殺くん」と冗談で呼ばれ、それ以後このニックネームが定着しそうになり、さすがにこのときは泣きながら職員室で抗議した。一度父親に「どうしてこんな名前をつけたんだ?」と聞いたら、先祖が京都の南のほうにいたらしいからと真顔で説明された。「だから誇りをもて」と言われたが、先祖が京都の南のほうに住んでいたことがなぜ誇りになるのか、いまだによくわからない。(中略)南京大虐殺、被害者は三〇万人でも一五万人でも(端的に言えば)どっちでもいい2013 / 11 / 25